第3章 コルンポップと屋台のおばちゃん②
第3章 コルンポップと屋台のおばちゃん②
エコバッグへ手を突っ込む。
ごそごそ。
アルミ皿を取り出した。
屋台のおばちゃんが首を傾げる。
「何だいそれ」
少しだけ口角を上げる。
「お菓子」
おばちゃんはさらに首を傾げた。
アルミ皿を掲げる。
少しだけ得意だった。
「コルンから出来てる」
おばちゃんが固まった。
「コルン?」
頷く。
「コルン」
屋台の火を見る。
おばちゃんを見る。
「借りていい?」
おばちゃんは少し迷った。
だが頷く。
アルミ皿を鉄板の上へ置いた。
兄はアルミ皿を見た瞬間離れた。
しばらくして。
パンッ!
おばちゃんが飛び上がった。
兄は更に離れた。
飛び上がらなかった。
知っていたから。
パンッ!
パンッ!
パンパンパンパン!!
音はどんどん増えていく。
おばちゃんは少し後ろへ下がった。
やがて音が止まった。
アルミ皿を持ち上げる。
少し冷ましてから蓋を開いた。
ぱり。
湯気が立つ。
白い塊が顔を出した。
おばちゃんが覗き込む。
「何だいこれ」
一粒摘まむ。
ぽい。
口へ放り込む。
ぽり。
美味しい。
頷く。
「食べる?」
おばちゃんは少し警戒した。
だが。
好奇心が勝ったらしい。
一粒摘まむ。
ぽり。
沈黙。
待つ。
おばちゃんはもう一粒食べた。
ぽり。
さらにもう一粒。
ぽり。
少し嬉しくなった。
「美味しいでしょ」
おばちゃんはしばらくポップコーンを見つめ。
ぽつりと言った。
「どうやって作るんだい」
来た。
ラノベ脳が起動した。
少しだけ胸を張る。
「簡単」
おばちゃんが身を乗り出した。
指を一本立てる。
「まずコルン」
頷く。
「乾かす」
頷く。
「油」
頷く。
「蓋」
頷く。
そして。
自信満々に言った。
「完成」
おばちゃんは固まった。
主人公は三十分前に初めてコルンを見た。
なお。
ポップコーン用のコルンは爆裂種という専用品種である。
普通のコルンでは上手く弾けない。
善意100
知識60
自信120
そんな顔だった。
「簡単だよ」
おばちゃんはまだ固まっていた。




