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第18章 ➂
第18章③ 毛糸
洞窟へ帰った。
荷物は増えていた。
羊毛。
毛糸。
布。
冬支度。
私は荷物を見る。
満足だった。
兄が聞く。
「何作るの?」
私は答える。
「服」
兄は首を傾げた。
「服?」
私は頷く。
「暖かい服」
妹が羊毛を抱く。
嬉しそうだった。
犬も近付く。
匂いを嗅ぐ。
そして顔を埋めた。
気に入ったらしい。
私は毛糸を持つ。
束だった。
そのままでは使いにくい。
私は兄を見る。
「手」
兄は少し考える。
やがて両手を広げた。
私は毛糸を掛ける。
兄は止まる。
「これでいいの?」
「いい」
それだけだった。
私は毛糸を巻き始める。
少しずつ。
丸く。
丸く。
兄はじっとしていた。
偉かった。
その時だった。
「私も!」
妹だった。
やる気だった。
私は少し考える。
そして頷く。
「いいよ」
妹が両手を広げる。
私は毛糸を掛ける。
妹は嬉しそうだった。
しかし。
三秒後。
動いた。
毛糸も動いた。
さらに動いた。
絡まった。
私は止まる。
兄も止まる。
妹も止まる。
犬だけは嬉しそうだった。
やっぱりな。
知っていた。
こうなると思った。
しばらくして。
何とか解く。
疲れた。
少しだけ。
私は毛糸を見る。
まだ沢山あった。
冬だった。
頑張るしかなかった。




