第17章 ④
第17章④ 職人
更に翌日。
私はまた町へ来ていた。
みーと愉快な仲間達。(兄妹犬)
商人もいる。
私専用特売人。
商人は私を見る。
「本当に来たのか」
私は頷く。
「風呂」
商人は深く溜息を吐いた。
やがて手を振る。
「こっちだ」
私は付いて行く。
少しすると作業場が見えた。
木材。
樽。
道具。
木屑。
職人らしい場所だった。
中から男が出て来る。
大きかった。
腕も太い。
職人だった。
多分。
商人が言う。
「例の奴だ」
職人は私を見る。
大きいな。
しばらく見合う。
やがて職人が聞いた。
「風呂って何だ?」
良い質問きた!
むふふ。
「湯」
職人は頷く。
「湯か」
私は続ける。
「入る」
職人は頷く。
「入るのか」
商人が頭を抱えた。
私は地面を見る。
木屑が落ちていた。
一本拾う。
地面へ描く。
丸。
樽だった。
その上を消す。
職人が覗き込む。
私は続ける。
下に丸を描く。
職人が聞く。
「穴か?」
私は頷く。
「穴」
「何でだ?」
「排水」
職人は少し考えた。
そして頷く。
「なるほど」
通じたらしい。
「そしてそれを塞ぐ栓」
私はさらに描く。
樽の中だった。
段を描く。
一段。
もう一段。
職人が聞く。
「棚か?」
私は首を振る。
「子供」
兄と妹を指差す。
職人は二人を見る。
そして頷いた。
「踏み台か」
私は頷く。
「踏み台二つ」
職人は顎を撫でる。
「樽に入る為の台」
そして言った。
「出来るぞ」
私は頷く。
良かった。
かなり良かった。
商人が聞く。
「本当に作るのか?」
職人は頷いた。
「別に難しくない」
商人は天井を見た。
外だった。
やがて深く溜息を吐く。
私は思う。
完成が近い。
これで湯船が近づいた。




