表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
111/176

第17章 ➂

第17章③ 大樽


商人に連れられて倉庫街へ来ていた。


相変わらず大きかった。


荷車。


倉庫。


樽。


人。


全部多い。


私は少しだけ商人を見る。


やはり便利だなぁ。


契約は大事だ。


商人は嫌そうな顔をした。


私はニヤニヤ。


しばらく歩く。


そして止まった。


「これだ」


私は見上げる。


大樽だった。


かなり大きい。


妹なら三人くらい入りそうだった。


兄も見上げる。


「でかい」


私は頷く。


「でかい」


商人は腕を組んだ。


「どうだ」


私は樽の周りを歩く。


一周する。


二周する。


触る。


叩く。


商人が聞く。


「何してる」


「確認」


商人は頷いた。


確認大事。


私は樽を見る。


多分入れる。


兄も見ている。


「入れるね」


「入れる」


商人が言う。


「だから何に使うんだ」


私は答える。


「風呂」


商人は顔を覆った。


まだ納得していないらしい。


私は樽を見る。


少し考える。


そして聞いた。


「切れる?」


商人が止まる。


「切る?」


「上」


私は樽の上を指差す。


「少し」


商人は嫌な顔をした。


「新品だぞ」


私は少し考える。


「古いのは?」


商人はもっと嫌な顔をした。


あったらしい。


良かった。


私は続ける。


「穴も欲しい」


商人は黙った。


兄も黙った。


私は樽を指差す。


「下」


商人が聞く。


「何でだ」


私は答える。


「排水」


商人は天井を見た。


空だった。


やがて聞く。


「風呂ってそんなに面倒なのか」


私は頷く。


「大事」


商人は深く溜息を吐いた。


そして言った。


「職人呼ぶか」


私は頷く。


良かった。


風呂へまた一歩近付いた気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ