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第17章 ①

第17章① 風呂


日本人

肩まで湯船に

浸かりたい


心の俳句


外は雪だった。


洞窟の外は白かった。


昨日も白かった。


多分明日も白い。


冬だ。


私は毛布から出る。


寒い。


出たくない。


でも出る。


朝の準備だ。


兄はまだ寝ている。


妹も寝ている。


犬も寝ている。


私は火を起こす。


湯を沸かす。


いつもの朝だった。


少しすると兄が起きる。


妹も起きる。


犬も起きる。


朝食を食べる。


終わる。


そして。


私は湯を見る。


十分温まっていた。


布を浸す。


兄を呼ぶ。


「こっち」


兄は慣れた様子で来た。


顔を拭く。


首を拭く。


手を拭く。


終わり。


妹も拭く。


少し嫌がる。


動く。


捕まえる。


拭く。


終わり。


最後に自分を拭く。


顔。


首。


腕。


終わり。


私は湯を見る。


湯気が立っている。


温かそうだった。


実際温かい。


でも違う。


私は思う。


日本人。


肩まで湯船に。


浸かりたい。


兄がこちらを見る。


「何考えてるの?」


私は答える。


「風呂」


兄は頷いた。


「また?」


「また」


兄も頷く。


「好きだね」


私は頷く。


「好き」


私はもう一度湯を見る。


やはり。


湯船だった。

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