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閑話 薬師の三日間


閑話 薬師の三日間


薬師は後悔していた。


心の底から。


後悔していた。


三日前。


薬師は自ら言った。


「再現したい」


それが間違いだった。


その後。


薬師は店を閉めた。


欠片を削る。


舐める。


水を飲む。


また舐める。


考える。


削る。


舐める。


考える。


そして夜になった。


分かった事。


香草が入っている。


以上だった。


薬師は欠片を見る。


そして思った。


面倒な事になった。


翌日。


商人が来た。


早かった。


本当に早かった。


「どうだ!」


薬師は答える。


「香草だ」


商人が身を乗り出した。


「何だ!」


薬師は答える。


「分からん」


商人が頭を抱えた。


薬師も抱えたかった。


その後。


二人は市場を回った。


香草を買う。


また買う。


更に買う。


気付けば机の上が草だらけだった。


薬師は一つずつ調べる。


匂い。


味。


効能。


香り。


商人は横で見ている。


邪魔だった。


第一回。


辛かった。


違った。


第二回。


苦かった。


違った。


第三回。


何故か甘かった。


違った。


第四回。


薬だった。


完全に薬だった。


薬師は机へ突っ伏した。


商人も突っ伏した。


疲れていた。


寝たい……


薬師が言う。


「もう寝る」


商人が言う。


「第五回だ」


薬師は天井を見た。


何故だろう。


涙が出そうだった。


その後。


丸ネギを増やした。


果実も入れた。


香草も調整した。


鍋を見つめる。


薬師は思う。


もう分からない。


だが。


少しだけ。


近付いた気がした。


そして数日後。


薬師はギルドにいた。


目の前には商人。


机の上には鍋。


薬師が言う。


「第五回だ」


商人も頷く。


「第五回だ」


もう後には引けなかった。

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