表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
103/183

第16章 ⑤

第16章⑤ 商人


「今日も厄日か……」


ギルマスが頭を押さえた。


商人は脇目もふらず真っ直ぐこちらへ来る。


私は少し驚く。


商人は私を見る。


次にカートを見る。


また私を見る。


そして聞いた。


「それは何だ!」


私は答える。


「カート」


商人が止まった。


「そうじゃない!」



私は正しく答えた。


商人はカートを指差す。


「それだ!」


私は頷く。


「カート」


商人は天井を見た。


ギルマスも天井を見た。


商人は深呼吸した。


そして聞く。


「何処で手に入れた!」


「何か関係ある?」


商人が止まった。


その時だった。


兄が助けてくれた。


「拾った物です」


商人が兄を見る。


「本当か?」


兄は頷く。


「多分」


私は頷く。


「多分」


商人は頭を抱えた。


その後。


商人はカートを調べ始めた。


車輪を見る。


持ち手を見る。


底を見る。


横も見る。


目が怖い…。


やがて商人が言った。


「面白いな」


私は頷く。


「便利」


商人も頷く。


「便利だな」


その時だった。


妹が胸を張る。


「はやい!」


商人は少し笑った。


「そうか」


妹も満足そうだった。


商人は私を見る。


「カレーもそうだ」


私は首を傾げる。


「カレー?」


商人は頷く。


「カレーだ」


私は頷く。


カレー。


商人は続ける。


「味噌もだ」


私は頷く。


味噌。


商人は頭を抱える。


「何なんだお前は」


何って……


「主婦」


商人が止まった。


ギルマスも止まった。


受付嬢も止まった。


私は正直に答えた。


その時だった。


ギルマスが呟く。


「主婦か……」


何故か遠い目だった。


その後。


商人は椅子へ座る。


そして真面目な顔になった。


「取引をしたい」


私は止まる。


嫌な予感がした。


商人は言った。


「カレーだ」


やはり嫌な予感が当たった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ