49 パワーハラスメント *
「パワハラってのがあるね」
「部下に嫌がらせをする上司ね」
「嫌な上司だからって、
正当な指導をしているのにパワハラと言われてもかなわないだろうね」
「基準が必要でしょう」
「改正労働施策総合推進法に追加された規定がある」
「ここかな
第三十条の二 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
2 事業主は、労働者が前項の相談を行つたこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」
「ボランティアの強要なんかもパワハラだろうね」
「人事権握られているから断りにくいのをいいことに、
ただ働きをさせる」
「これがかなり横行しているところもあるらしい」
「残業代は全く払わないのに、過労死基準レベルの残業をさせていたり」
「上司の正当な指示なら聞かなければならないけれど、
立場を利用して義務のないことまで強要するのは悪質だね」
「学校で問題になっている部活動問題なんかはパワハラかな」
「部活動は一応学校の教育課程にはあるから、
校長が顧問をさせるまでは職務の範囲だね」
「でも、時間までは指定しない」
「普通に考えたら、勤務時間の範囲内ででしょう」
「ところが、現実は時間外に長時間活動していたり、
休日にも活動していたりする」
「好きでやっている先生もいるね」
「でも顧問が異動したりでいなくなった時、
引き継がされる方はかなわない」
「縮小してしまえばいいのに」
「うるさい保護者がいたりする」
「なかなか対決はしたくないから、それもパワハラだね」
津野香奈美「パワハラ上司を科学する」筑摩書房 2023.1.10
マリー=フランス・イルゴイエンヌ「モラル・ハラスメント」紀伊国屋書店




