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キニいッタ  作者: 赤石石榴
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5話 未来予知

※グロ要素あり

突然視界が不意に変わった。周りを見回すと俺がさっきまでいた場所だ。現状を整理していると、目の前の角から白いローブを着た奴が出てきた。フードを被っていて顔が分からず、男か女かも分からない。気味が悪く、後ろを向いたとき黒いローブを着ている奴がこっちに歩きながら近付いてくる。黒いローブの方もフードを被っていて顔を認識できない。このとき俺はようやく気付いた。俺が殺されたのは未来予知だったことに。奏がトラックに轢かれる前にも予兆として頭痛が来ていた。

間違いない。ここにいたら間違いなく背後から近寄ってくる黒いローブの奴に殺される。どうにかして逃げ出さないと。でもどうやって。やばい、どんどん近付いてくる。考えてる場合じゃない。もう走るしかない。白いローブがいる方へ俺は走った。そして白いローブを着た奴の真横を通り過ぎようとしたときおかしなことに俺は物凄く変な気分になった。この後何があったかは分からないが、気が付いたら部屋で眠っていた。


今日は土曜日で学校は休みだ。昨夜のこともあり家を出る気にはならなかった。俺は部屋を出てリビングに向かうと、母さんと父さんが居た。そして、父さんが赤い石が何処にあるか知っているかと尋ねてきた。俺は自分が持っていると言うと、今日必ず元の場所に戻しておきなさいと帰ってきた。俺は制服のポケットに入れていた石を取りに行くとポケットの中に石はなかった。途轍もなくまずい状況に陥った。俺は昨日散歩したルートを慌てて探した。しかし、どこにも落としてはいなかったみたいだ。やっぱり昨夜のあの二人に奪われたとしか考えられない。金目の物目当てなら十分に有り得る話だ。だけどもしあいつらが石の使い方を知っていたら、まずいことになる。でもどうやって取り戻す。そんなことを考えていたら、また例の頭痛がやってきた。未来予知の兆候だ。どうやら、未来予知と石は関係がないと思ったが、一番最初の未来予知の時は青い石が光ったような。

俺は目を開けると、誰かの家の部屋の中を見ている。誰もいない。三分ほど経つと、玄関が開く音がする。そして奏が入ってきた。奏はすぐにベッドに横になった。そのまま一向に体は動かない。まさか死んだなどとは考えられないと思うが、今までの未来予知では全て死ぬ光景だった。更に三分程が経過したが奏が横になってからは全く変化が見られない。そして、未来予知は終了した。俺は嫌な予感が的中してほしくなかった。だから、奏の家に向かうことにした。石のことはまた後にした。


奏の家は前に家まで送ったことがあるから場所は分かる。石川駅まで行きスーパーの入り口近くにある横断歩道を渡って、しばらくまっすぐに歩いたら着く。俺は奏の家に着き、インターフォンを鳴らしてみるが、誰もいないみたいだ。今思えば、あの未来予知はいつだったんだろうか。今回ばかりは日にちは勿論、時間すら全く分からない。前回は空を思い出せば、おおよその時間が把握できたけれど、今回は目安となるものがなかった。奏の部屋にカレンダーが掛けてあったかもしれないが、全く見ていなかった。奏も全く家に帰ってくる様子はないので、近くを歩いて時間をつぶしてまた来ようと考えた。そして、近くに公園があるのを見つけた。すると、奏が公園にいることに気付いた。奏は公園に捨てられた白色の小さな子猫に牛乳をあげていた。俺は奏のああいう優しさに満ちた行動を人の目を気にせずやってのける所を尊敬している。捨て猫に優しくするという行動は周りから見れば、偽善者だと受け取られるケース大半だろう。俺はそう思われるのが嫌だ。だから可哀そうとは思ってもいつも行動には移さない。

「あれ?水谷君こんなところで何してるの?」奏は子猫に牛乳をあげ終えると、こちらに気が付いたのだ。

「あ、えっと…。」奏が心配で来たなんて言えるわけがない。そうだ、前にカレーを誘ってくれたからそれで話を進めよう。

「カレー前に作ったんだったら、余ってるかなぁって……。」

「カレー二人分あるからすごく余ってるよ、もしかして私と一緒に食べたくなった?」

「う、うーんとね。」マジでなんなの。奏さん、言い方が意地悪すぎじゃないですか。

「返事に困ってるね。意地悪すぎちゃったかな?ごめんね。まぁおいで、すぐ温めるね。」

「は、はい。」

奏の家に再度向かった。


家の中にお邪魔した時奏の様子が少し悪そうに見えた。

「あれ?ちょっとごめん。頭がふらふらする。少し横になるね。テレビでも見てて……。」

「え?二宮さん?」やっぱり様子を見に来ていて正解だった。未来予知で見たことは確実に起きるみたいだ。時間が把握できなかったことが心配だったが、俺が居る時に予知通りになって少し安心はしたが、奏を早く助けないと。


体調は大分悪いみたいだ。かなり苦しんでいる。手元に温度計がないから正確な温度は分からないが、間違いなくかなり高熱なのは間違いない。発汗もかなりひどい。ベッドに横にさせて、濡れたタオルを当ててはいるが、奏の症状を見れば、素人が見てもただの熱ではないことぐらいは分かるほどひどい症状だ。やむを得ず、救急車を呼び近くの病院に搬送された。医者が言うには短時間内に尋常ではないほどの大量のウイルスが体内に侵入し、体が衰弱してしまっていると言い、一週間ほどの入院が必要らしい。もしも発見が遅れていたら入院は一週間どころではすまないし、最悪命が危なかったらしい。もしかすると、未来予知はそれを暗示していたのかもしれない。

俺は奏の病室に行き様子を見に行った。奏は静かに眠っていた。無事そうで安堵した。奏の寝顔を見ていると、今までの溜まっていた疲労が全て後ろから押し寄せてくるように、俺の足は前へ出て奏のベッドの方へ向かって行った。そしてそのまま俺も眠ってしまった。


俺はふと思った。奏の未来は俺が綴ると。この意味が悪い方へ行かないためにも奏自身に導いてほしいと。夢の中で願った。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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