ミラレポートの要約~地球の社会に対する考察~
ミラ視点の話になるがミラは情報部にレポートを書いていた。言語はギリシア語である。帝国では三大言語が特に使われていた。古代ペルシャ、ギリシア語(ラテン語含む)、漢字(言葉より文字として重要)である。この三大言語から派生する形で複数の言語が形成された。しかも途中で地球側の言語を吸収しているので実は違和感が無いほど言語的にはミラさんたちは地球の言葉を理解している。もちろん翻訳機も持っているので不測の事態に困ることは無い。
さらに言えば執筆活動をするのに地球では今だ完成していない、脳内での文章作成が可能であった。これは電脳の一種とも言えるが違いは物質あるいは金属加工の集積によるナノマシンではなく、エネルギー体を使用しての行為であることが電脳との違いである。
彼ら独自のネットワーク技術は地球のIT技術を凌駕し過ぎていて大人と赤ん坊くらいの差になっていて地球のネットワークにアクセスしての情報収集も容易であった。
これらを踏まえながらミラが送ったレポートの内容を再現してエキサイト翻訳をしながら読み解いていきたい。
まず最初に書かれていた内容は外国人に日本人が日本を説明する時の内容と同じである。ただし、同じ地球人に説明するのとは明らかに違う違和感を感じる内容が書かれている。
一つは『日本人は空を飛べない』を説明時に強調していて日本人の公共交通機関の発達具合が優れていて地上しか歩けない故に工夫が凄いと褒めている。また日本人は基本的に秩序だっていて大人しいという印象が強調されている。
政治の話は青葉から聞いた話として日本国憲法を中心に立憲君主制の国家でアメリカという国の軍隊が駐留していると書かれている。このアメリカという国は『共和党』と『民主党』という二大共和主義的思想を中心とした国家であり、日本はアメリカに負けたことで共和主義的主権論に染まっていると言及されている。
ここから青葉氏からの情報提供として第一次・第二次世界大戦への言及が始まる。具体的な映像を見せられたこと例として『カラーで見る第一次世界大戦』『旧映像の世紀』などの映像作品、また書物としては伊藤正徳の『連合艦隊の最後』などを挙げている。何故かアニメの『機動戦士ガンダム』『紺碧の艦隊』も含まれているが具体的な話としては総力戦の危険性、生身の人間同士の戦いの限界を青葉氏からされたと報告されている。特に重要な事として『レーザー銃のような熱(光)を使って攻撃する兵器では現代の複合装甲を使用した戦車の装甲は貫通出来ないという事実』への言及である。
統治方法論として地球への徹底的な破壊行為は長期的に地球に対する統治に重大なる問題を起こすと指摘している。一方で日本を始めとした地球の国家の国民は資本家という存在に搾取されているという思想が蔓延しつつあり、就職率の低下、離職率の上昇、所得の低下への懸念、格差拡大論の流布で大いに民衆が揺れていることを言及している。
それらに対する根本的な解決法を地球人は持たないどころか改革は不十分だという思想が蔓延しつつある。これらの解決方法として帝国が進めている地球人類の移住計画及び階級による社会秩序の形成は地球人に受け入れられる下地が出来つつあると指摘している。
全体的な論調としては地球人の浅はかなグローバルリズムという閉鎖社会的な思考への批判、(帝国は宇宙主義なので地球内だけで議論していること事態閉鎖的と感じている。また帝国は経済には適切に国家が介入するべきという思想が強いので介入を拒む地球人の態度を個人的な利権を守るための言い訳と考えている。)
階級や奴隷がいないと言いながら『実際は存在している』ことへの強い批判が繰り広げられている。実際にいるというのは社畜に対する強い現地人の批判を目にしたからだと思われる。または、『奴隷制が無い!!』と強調しながら『制度上は無いが、非公式には存在する』ということを認めているかのような地球人の言動に対してジョークとして受け入れられずに憤慨している。
青葉氏に関してはロボットに対する情熱が強いと書いているが帝国にはロボットが無いのと必要性が理解出来ないと書かれている。それ以外に対しては概ね好意的である。
文字数は少ない、ミラ視点の世界を皆さんに知ってもらう回みたいな感じ