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アルカンディア人の世界

 二人の話は帝国の政治と文化の話に入っていく、二人は漫画喫茶の飲み物などをお互いに交代で入れながら熱中して議論を繰り広げる。

ここまで読む人はミラという女性のイメージはどのようなものに形成されただろうか?

 スパイと聞くと人を利用して何かをしようとする工作員のイメージがあるかもしれない。

しかし、それはアルカンディアと地球の力差が対等であればの話で現実的に考えて彼らが地球の持つ力を恐れていたとは思えないのである。

なぜならば彼らの裏工作(事前準備)の大半は破壊工作ではない。地球人に事前に知られて破滅的な政策を取られることへの危機回避が中心となっていた。

 つまるところ文化財保護である。もしくは環境保護に注がれていた。さらにそれより優先順位は下がるが経済的搾取の準備である。だからこそ情報部の送り込んだ人材で最も重視されて多く派遣されたのは文化調査員である。彼らの目的は地球での文化の調査と地球侵略後の戦後処理の適切な対処方法に注がれていたのだ!!


 そのようなことを踏まえて考えると彼ら文化調査員と接触した現地人は歴史のターニングポイントに立たされた各国家の代表である。(複数各国に派遣されている文化調査員により、複数の意見を聞くという。『一応の平等な配慮』をした上で判断することになっているが…明らかに発展途上国や野蛮そうな地域には不平等極まりない対応をしている。)

 現地協力者とも言われる彼らの一連の調査員への接触の仕方が『そのまんま国家の命運を決める』ことに直結してしまう。そんな現実が繰り広げられていることを現地協力者達は知らないのである。


 で話は戻るが…ミラという人物に関して今後物語の中で登場する人物たちが語ってくれない人物像についてだけ語っておこう。

ミラはミレトスという国家の君主(父)と妾(母)との間に生まれた子である。母は没落武士の家の生まれ、そういう意味では主人公とは非常に身分差のある立場だといえる人である。しかし、本編では特に重要な話には直結しない。それとミラは主人公と出会う前は『寡黙でクールな美人である。』はっきり言って仕事と本を読むことが大好きな人のはずだが…


ということで少しはミラという女性のイメージが出来たのではないだろうかw


この漫画喫茶での二人がオタク話に花を咲かせるのはお互いに非常に珍しい事態だということをご理解いただきたい。


また、例の如く会話の中での重要なやり取りを抜粋していく手法で話を進める。


主人公こと青葉が聞いた話の中にこんな話がった。


「ミラさんが生まれた国はどんな国なの?」


「ミレトスという国、部族長が治めている国で極めて日本的な国。というか日本が私たちの国の延長線と言えるわね。何せ日本は私たちの祖先が移住した地なのですから…私が日本に来たのは偶然では無く、ミレトスは地球の中でも日本を欲しがっているし、ただその目的の為だけに今回の遠征計画に参加していると断言できる」


この時青葉は『ミラさんは本当は日本人なんだから当然だろう』としか思っていなかった。何せ目の前にいる人物は黒髪で女性にしては長身で目が大きい人である。どこからどう見ても美人の日本人!!にしか見えなかったのだ。


「じゃあ武士もいるんだね」


「そう、重要なことを言い忘れていたけど帝国には四階級あるのよ、社会の階級がね。」


キタ――(゜∀゜)――!!みたいに青葉は思ったかもしれない。階級と言えばラノベで欠かせない要素だからだ。


「上下があるの?」


「いや、上下は無い。」


「え!?」


青葉は驚いた。王がいるのに上下がない?…ことに驚いたのだ。驚いている青葉の表情をミラさんは余裕で感じ取れたくらい驚いていたに違いない。


「帝国では四階級とは市民・自由民・平民・無産階級に分かれるけど…それぞれ利点と欠点がハッキリしているのが特徴になっている。さらに言えば王や貴族も理論上は四階級のどれに属しても良いことになっている。ただし、現実は王や貴族は成人するまでは他の人々と同じで無産階級だけど成人後は市民階級に所属するのが慣習になっているのが現状ね」


「成人する前は無産階級なの?」


「そう、『市民の子供は市民に非ず』『聖職者と学者は無産階級』が帝国では当然のことになっている。前者は市民権は世襲では無いということへの現れ、同じことは平民と自由民にもいえる。成人後に自分からどの身分になるか決めるのが帝国式の階級制度なのよ。ちなみに後者は権力を握りやすい聖職者と学者を無産階級にすることで無産階級への差別の緩和と聖職者と学者が直接の投票権を持てないようにすることで権力が集中しないように防止する為ね。」


凄い考えられた話に感じて青葉は黙ってしまう。


「階級間の移動は自由で階級間格差は実は大きくない、というか嫌なら変えれば良いという考え方が帝国では定着しているので帝国で階級間の闘争は起きにくい。」


「階級ごとの特色は?」


「階級間の最大の違いは税金と居住場所になる。自由民は市民より税金が安いが所得が増えると税金が高くなるので事実上は市民より税金が高くなる。代わりに相続税が無いのと居住場所は地上は地上税がかかるけど宇宙と地上両方住めるのが特徴。移動の自由も帝国内ならば自由なのも自由権の良いところね。」


「市民は?」


「市民階級はデフォルトの税金が高い、あと相続税がある。宇宙に住まないといけない。移動の自由も低い、この真逆が平民になる。移動の自由は本星と衛星だけだけど…平民は困んないから事実上制限が無いのと同じね。しいて欠点を挙げるなら徴発という戦争時に物資を提出しないといけないことくらいね…」


「無産階級は?」


「無産階級は人が生まれた時のデフォルトの階級、税金は安い、生活に困るなら給付金がある。ただし、戦時は戦争に参加しないといけないから徴兵拒否者は無産階級にはなれない。」


「王や貴族は独立した階級じゃないんだね…」


「そこがミソね、つまるところ選挙権=政治に参加する権利だから一番政治に参加するのに有利な市民階級に自分達を含めるところが狡猾なやり方といえる。ただし、王や貴族は多額の税金と通常より長い軍役が課されているから一般庶民は王や貴族に文句が言えない仕組みになっている。」


「文句が言えない?」


「帝国では税金を払っている金額と寄付金の額が偉さの基準になる。あと軍役ね、軍役は自由民と王と貴族だけ強制だけど、市民は公務員以外は軍役の有無が問われるので事実上の強制みたいな感じになっている。しかも、公務員も警察は例外だけど大半の官公庁は上級管理職に軍役の経験の有無を求めているから質が悪いほど上手く出来ているのよ」


「…」


「ちなみに没落貴族と没落武士という言葉が有ってね、貴族も武士も軍に所属し続ければ地位を守れるから税金の支払いが少なかったり、借金していても大丈夫なのよ、つまりはそういう人々を総称して没落~みたいに言うのが帝国流の考え方ね」


「へぇ~」


「人種的な話もするね、私たちアルカンディア人は元は肌が青くて髪の毛も青かったという説がある。そして何より重要な特徴はヘリウムを始めとした希ガスが吸えたこと…だから宇宙でも実は呼吸が出来たので移動以外は私たちアルカンディア人は宇宙で苦労をしなかった。しかし、多人種交配を繰り返すうちに遺伝子が変わって困ったので装置を使った近代的な遺伝子操作が出来るまでは一時期純血アルカンディア同盟とか作って多人種交配をしない時期があった。」





このまま設定語りをしていると終わりません。物語の中で設定を話していかないといつまでも話が終わらないのでここでひとまず区切りにします。次回からは漫画喫茶から移ります。

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