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ただのデート回という名の罠

漫画喫茶後の二人だが頻繁に連絡を取り合うようになる。ミラの方は本格的な活動の拠点を求めていたので住居の獲得に動く、これに現地協力者である青葉の協力を要請するのは自然な流れとなった。


 住居の獲得で青葉が『どのような流れ』を考えていたかは知らないが見当違いだったことは間違いない。

何故ならばミラ自身は自らの活動の拠点として相応しい場所を探すための行為にしか過ぎなかった。

 最初は賃貸に住んで活動しやすい場所を見つけてからの買い上げもしくは土地の購入を考えていた。(資金は潤沢なのだから当然の思考である。)

 土地の情報を聞き出すのにも余念がない、青葉や賃貸業者との会話は全て不動産情報を元にした周辺の状況と地理的知識の収集を目的としたものになった。賃貸業者からしたら同居を狙う若いカップル程度にしか映らなかった。因みに名義人は青葉になっていた。


 手始めに東京からスタートしたのは無難だっただろう。東京で最初に行ったのは浅草の浅草寺である。東京では一番古いお寺の一つであり、観光スポットである浅草寺は『煙を吸ってお参りをしておみくじを引いてもんじゃ焼きを食べて』終了した。

 次は秋葉原に出かけて『最初からフィギュアとか同人誌に行くのも何なので…電気製品を見て回りながらメイド喫茶に二人で入って堪能した後に無難にとらのあなに行って各階を歩いて』終了した。

 その次が中野であぅたが説明をするまでも無く、オタクな二人は各地を見て歩いて回った。元々寡黙な二人なので要所ごとに説明したり感想を述べあうだけで二人の調査は終了した。


 その後、東京から横須賀に移る、横須賀では当然の如く、戦艦三笠を見に行った。二人で東郷平八郎になった気分で話合いをしながら終了した。近くの鎌倉にも行き、鎌倉野菜を食べながら大仏はスルーしながら鶴岡八幡宮を見て回った。一番盛り上がったのは鎌倉幕府第三代将軍が殺された急で長い階段での歴史論議である。周りの観光客に混ざる形で江ノ電に乗って海を見ながら美味しい食事を食べて終了した。


 その後も信州長野市の善光寺に行くため新幹線のグランクラスに乗って出かけた。日本で五つしか現存しない木造の城である松本城も見に行ったり、真田神社のある上田城、さらに飛騨に出かけて飛騨牛まで食べたのだから完全な文化調査である。


 ここまででお気づきだと思いますが二人の資金は何処から出ていたのか?という疑問である。特に後半は豪遊に近い感じになってきていた。資金の出どころはこの辺までは半々で割り勘である。しかし、衝撃的なことを告白すると青葉は貯金はあったがこの時点で無職であった。物語最初の時点では既に無職だが金回りは良いので離職してから時は経っていなかったと推測される。

 この後から一気に日本全国から世界にまで二人の旅は飛躍するのだが…青葉もこの辺りから怪しさを感じ始めていた。しかし、ミラさんは用意周到であった。不動産契約の名義人が青葉になっていることや奢るなどの行為で青葉を共犯の一人に仕立て上げていったので青葉が自発的に抜け出す機会を完全に奪っていった。


 それまでは隠れていたのだろうがこの頃からミラさんの協力者達が姿を現し始める。まず最初に姿を現したのがユラという人物である。この人物は女性でミラさんより若く、背も低い、ミラさん以上にクールな印象の強い女性でショートヘアーも相まって『ボクっ娘』ぽい印象の女性である。(ボクっ娘とは言っていない)

 この時点でかなり怪しくなってきた。抜け出すなら今しかないというターニングポイントだ!しかし、身も蓋も無いことを言えば主人公なので抜け出さない。そうじゃないと物語的に困るからね。

 だがあえて主人公の気持ちを言うのであれば『毒を食らわば皿まで』では無いが実害が自分に無い以上は人生で二度と来ないチャンスを捨てる勇気が持てなかったと言うべきである。



 文化調査という名の旅は京都に向かうことになる。京都では恋人よろしく清水寺からの高台寺までの王道ルートを二人で手を繋ぎながらの散歩となった。嵐山にも行った、因みに嵐山には後醍醐天皇の木造がひっそりと置かれている場所がある。(ひっそりといいますが嵐山の寺の構造上は有名な庭園や竜のふすまのある場所より、高い位置(上位)に位置していて大切に保管されている。)ここに来た時に青葉は感慨深いものを感じたに違いない。後醍醐天皇は敗れはしたが武士政権に公然と反旗を挙げて戦った天皇の姿にである。

 その後、広島、呉、長崎、福岡に出かけた。海外はパリ、イタリアの各有名都市、アメリカはニューヨークなどである。特筆するべきはハワイである。


 後にハワイ会談といわれる重要な会議がここで行われていた。アメリカの調査員のジェニファーとミラさんが会っていたのである。主人公が一番驚いたのは初めて自分と同じ現地協力者と会ったことである。しかも彼とジェニファーは実際に結婚しているというから驚きであった。しかし、一番の驚きは彼から聞いた衝撃的な話であった。実は彼は一度『110番に電話して通報しようとしたそうである。だが電話に出たのはジェニファーだった!!』何度別の手段を用いようが変わらない。仕舞には警察に直談判したそうだが翌日警官が事故死で死んだのは偶然とは思えなかったという。『その時初めて男は悟ったのだ!!彼らには人類は勝てないと!!』

 そして男は諦めた。というかアメリカ人らしいが祖国を裏切ることにしたのである。祖国を見限ったと言った方が良いかもしれない。先見性だけはある男だった。



ハワイ会談までさっさといって次回で平和回を終わらせる予定。ただし、ハワイ会談の内容は次回に持ち越します。

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