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宇宙親和同盟

圧倒的な力を持つ勢力から自分たちの生存権を勝ち取れ!


「宇宙親和同盟を発足させては、どうだろうか? 」


「宇宙親和同盟? 」

「そう、宇宙人との友好関係を築くことを目的とした団体」

「それを作って、どうするの? 」

「圧倒的な宇宙人が攻めて来れば地球人の力では対抗できない、ならば明治政府のように積極的に異国の文化を受け入れて開国し、技術や文化を受け入れていった方が良いと思うから……」


この青葉の発言はオブラートに包まれており、正しくは「宇宙人の侵略に対抗するため! 」という意味が含まれていた。


「それは良いアイディアね! 」


一方のミラさんとしては地球における現地協力者を確保するのに非常に良い手段のように感じられたので青葉の意見に好意的だった。


「結成に向けて準備しないと! 」

「そうね、私も上司にかけあってみるよ! 」


この時、二人は何気ない気持ちで宇宙親和同盟の結成を考えた。しかし、報告を受けた上司は違う反応をした。


「報告します、現地協力者からの提案で宇宙親和同盟を作るべきという提案がありました。」


ミラさんの報告を受けたのは時の参謀本部作戦部長のサザーランドだった。サザーランドは現在の肩書は作戦部長だが彼こそがミラさんが所属する情報部の設立者で親玉だった。そしてミラさんの直属の上司だった。


「107号か……」


107号と言うのは現地協力者に付けられていた仮名である。本名で呼ばないのは差別しているからというよりも、現地協力者が必ずしも好意的な存在とは限らないためである。現地協力者によっては宇宙人の存在を敵と見なすタイプの人もいた。こうした存在は重要な参考資料として扱われていた。つまり、否定的な現地協力者が多い程、その国は宇宙人の敵と見なされる確率が上がっていったということである。


「いかがいたしますか? 」

「良いのではないか? 地球にいる全ての協力者達を、まとめ上げ、と同時に古より、協力してくれている地球人達を結束させるのに効果がありそうだ……」

「そこまで動員出来るのですか? 」

「動員せざるおえないようにする、それと107号が矢面に立たないように、ユスティアの方で抑えておけよ」

「何故です? 」

「彼は、まだ若い、若い彼が正面切って出ても誰も相手にしなし、彼が傷つくだけだ。」

「なるほど、分かりました。」


ミラさんはサザーランドの許可がおりたと考え、それを青葉に伝えた。


「古き協力者達に力があるなら、宇宙人達が存在することを公にして選挙に出れば平和的に友好関係が築けるのではないか? 」


「確かに古き協力者達には一定の力があるし、選挙に勝つことも出来るかもしれない、だけど、それだと我々の目的は達せられない可能性が高いので上は嫌がると思う。」


「目的とは何なのか? 地球の資源が欲しいとか? 」

「地球の資源が欲しいは当たっているけど、地球人が考えるようなモノが欲しい訳では無い。」

「鉱物資源とか水資源では無いのか? 」

「我々の文明はエネルギー文明であり、鉱物資源は地球よりは遥かに豊富なので鉱物資源だけでは地球にワザワザくる理由にはならないし、水資源は地球以上に豊富なので問題にはならない。我々が欲しいのは地球にしか無いもの、つまり文化や地球に生息している動植物である。」

「ひょっとして人間も動植物に含まれている? 」


「よく分かるわね」

「……」


僕は最悪のシナリオを考えた。彼らは『地球人を労働力にしようとしているのではないか?』という想像に至ったからである。


「地球の人口は約100億近くおり、これを使えば周囲の星々を開発出来る。さらに本国に優秀な人々を移住させれば地球の文化や技術、動植物の栽培法などを独占できる可能性も高い、だから我々は地球人の宇宙への移住を求める。」

「そうなのか……」


この話を聞く限りだと我々が酷い仕打ちを受けるようには感じられなかった。僕は少しホッとした。


「地球に生まれ育った地球人が簡単には宇宙への移住を認めるとは思わない、故に我々は地球人が抵抗することを最初から織り込み済みである。」

「……」


つまり、ミラさん達は地球人と戦争することを前提に考えているということのようである。そのような考えが彼らの中で主流の限り、地球人達の権利を守るのは難しいと僕は考えた。だからこそ宇宙親和同盟を結成してミラさんたちに武力で地球を屈服させるのを辞めさせる必要があると僕は考えた。


宇宙親和同盟の真の目的は『宇宙人に地球人との平和的な共存を認めさせ、地球人の権利を出来る限り保全することにある』と考え、僕は決意するのであった。

宇宙人に戦いを挑むことこそが正義という主張がSF映画では主流だが……そもそも地球の上空を取られている時点で詰み状態であり、そこから逆転することを夢見ても現実は非情だと思うのである。

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