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青葉の妄想

物語の根幹をなすかもしれない話

 青葉という人物の27歳になるまでの人生は上手くいっていなかった。どう上手くいっていなかったかは皆様のご想像に任せたい。ただ幾つか確実に言う事の出来る真実が存在している。


①大卒である。学歴は悪くは無いが良くも無い。

②家族は上流では無いが貧しくは無い。

③妹がいて、妹とは仲が悪く無かった。

④仕事をしていた時期はあった。(意外とキツイ仕事だったが本人の見た目的に苦労してなさそうに見える)

⑤間違いなくコミュ症、黙っていると謙虚、反骨精神がある。(普段は大人しい)それらが原因で虚栄心が強いと周りから勘違いされている。

⑥本を読むのが好き、我慢強い、芯が強く信念がある。見た目の暗さに比べポジティブで楽天家


彼が語らない過去を語られる過去から推測した実像である。


 ユスティアと仲良くなった理由は様々だが趣味が合い、ユスティアが変わり者だったことが非常に大きかった。



 彼が軍大学に行けたのは優秀だったからでは無い、軍大学は沢山あり、優秀な人は奨学金で入るのが当然になっていた。そもそも連合国では軍隊は不人気なので定員は割れすらしていた。軍大学に入ったのはユスティアの勧めだった。自らの夫の地位向上と自分の虚栄心の為に勧めたと解釈出来る。


 地球侵攻前までの彼の妄想は地球の政治、軍事、経済、歴史、アニメ、ゲームだった。そして彼はユスティアに妄想を話したのである。それは地球人なら妄想と片づける類のモノだったがユスティアが補強して連合国風に解釈して情報部に報告していたことが彼の立場を複雑にする原因であった。


 連合国での常識や知識はジェニファーとユラさんに教えられた。そして青葉は軍大学に行くことで自らも想像していなかった発言力を手に入れた。軍大学の学生になった辺りから青葉の意見書や兵器提案は現実味を帯びてきたのである。時代の波に乗ったのも大きかった。


以下、特に有力となった青葉の妄想を見ていこう。


第一の妄想:東方征服論


 東方征服論の前提として東部連合の存在を語らなければならない。東部連合は連合国とは別の国で、かつては栄華を極めて強国だったこともある国である。この国をアルカンディア連邦と組んで解体しようと連合国は画策したが途中で政策を変えた。東部連合を連邦に対する緩衝地帯として残すことに決めたのである。

 カルケディウス帝の娘が東部連合の有力国ヤドヴェイ家に嫁いだことにより、カルケディウス帝は特にヤドヴェイ家を優遇するようになった。


 青葉はカルケディウス帝を批判して東部連合を完全に解体して連合国に組み込むべきであり、そして連邦についても連合国の政治思想を積極的に伝えて味方になるようにするべきであると主張した。この主張は時に武力を用いる事を主張していて好戦的だったが斬新だったのは武力を使っても連邦は解体せずに残すと主張したところである。


 こうした考え方は東部連合のネルウィー、連合国のネスティーゼ、ミレトスから支持を受けた。さらにはビルゲやテオのような革新派に属す人からも強い支持を受けるのである。(これらの国に共通するのは連合を拡大しつつも連邦を残すことで仮想敵を維持しようとする思惑である。)


 これが東方征服論の骨格になった青葉の思想である。(本人はあくまで意見書としてしか主張していない。)


第二の妄想:西方地域安定化政策


 これは物語の中で現在進行中の事である。つまりは不安定化した西方を再び連合国の地盤として固める政策である。アルカンディア共和国対策であり、西方の安定化は首都星が西側にある連合にとって安全保障上しなくてはならない政策である。


 だがカルケディウス帝は東方にばかり気を取られていて西方に興味を示していない。それが多くの連合国の貴族や有力者にとっては不満だった。それを青葉がハッキリと意見書に書いて主張したのは大きかった。しかも稚拙とはいえ謀略まで考えていたという事実はインノケンティウス元老院議員の目に留まり、実際の軍事行動に繋がる結果になった。



第三の妄想:地球技術の実戦での運用


 地球技術の多くは連合国にとっては持て余すことになった。地球の技術で比較的に連合国に直ぐに取り入れられたのは金属加工技術くらいだった。それもあくまで鋼鉄が限度であった。複合装甲みたいな複雑なものはコストパフォーマンスの問題で受け入れられなかった。(エネルギーシールドがあるのに船体の装甲を強化し過ぎても意味があるのか?という疑問が払拭されなかったからである。)


 文化面では青葉に言われるまでも無く、取入れが進んだが他の面では保守的な人々には理解されなかった。そこで情報部は地球人に協力させてプレゼンさせたが地球人たちの多くは慣れない宇宙の常識と連合国の思想に困惑して説明が上手くいかなかった。(何より、地球の常識に捕らわれていて何が革新的なのか?連合の上層部は理解できなかった。)


 そういう時にユスティアと結婚していて現地協力者でもあり、実際に協力してくれるアルカンディア人に恵まれた青葉は有利だった。それだけでは無く、青葉は青葉独自の兵器思想をもっており、これが意外と受けが良く受け入れられた。ただし、青葉が最も熱弁したロボットに関しては全く理解されなかった。



第四の妄想:ロボット及び機械化歩兵による強襲突破戦術


 先ほどもロボットに関しては理解されなかったと言った。それは当然であった。エネルギーシールドや外部記憶、高度なネットワークを持つアルカンディア人にロボットというローテクの存在を理解させるのは流石の青葉でも無理であった。何せユスティアもユラもジェニファーもロボットに関してはアニメの存在としては面白がったが遊びの文化の一種としか理解しなかった。


 機械化歩兵に関してはジェニファーお及びサザーランドには受け入れられた。これは生身の人間を改造する行為だった。ようはサイボーグ化である。青葉は身体の一部を失った人を補う、もしくはロボット兵器を理解させるための苦し紛れの産物だったが…予想外に反応は上々だった。


 強襲突破戦術とは青葉が現実にロボットが戦場で使われるようになった場合を想定して考えた戦術である。これは現状は妄想の域を出ていない。



 これら妄想は青葉の予想もしていない反応を伴って広がっていくことになる。




青葉に関しては主人公の思考が私の思考と離れすぎていると分からなくなるので多少、性格等は似せているつもりです。語られない部分は皆様のご想像に任せます。




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