兵士たちの宴~伊藤提督の決断~
伊藤提督はマジイケメン
左翼での艦隊決戦は連合国側の士気を高めさせた。強行偵察により、右翼側に戦艦が15隻しかいないことも確認された。いよいよ右翼側でも大規模な艦隊の出撃が現実味を帯びたのである。
中央での戦闘はアウトレンジ戦法が成功して遠距離での戦闘は連合国側が有利に進めたが中距離になると敵が圧倒的に有利な形になることを理解させられた。敵の装備の一つである短機関銃が高い発射速度を誇っており、撃ち負けたのである。
このことに対する改善策として遠距離で射撃をしながら敵が接近してきても中距離戦にならないように距離を保ちつつ敵が白兵戦を挑んでくるまで待つ戦法をとった。この戦法は白兵戦に強いミレトスが主戦力としていたこと及び強力な陣地で敵に機関銃による一斉射撃をくらわそうとしたのである。
ウルムがやっているように連合国もレーザー鉄条網で防御線を張っていてウルムより防衛線が狭い分、多重層防御ラインが厚いため防御には自信があるだけに敵の突撃を上手く誘って敵に消耗を強いたいと考えていた。
白風
白風では何故か?戦勝ムードが沸き起こっていた。死者が一人も出なかったことに加えて敵駆逐艦を二隻撃沈した。(正確には協力したが正しいが兵士にとっては同じことである。)
それに加えて沈んだ船の乗員を助けながら味方の最後尾で航行して無傷である。敵から分捕った戦利品も沢山あり、兵士たちはお祭り騒ぎである。
エース級が沢山いたというのは結果論である。実際は装備が強力だった。ミレトス、アルゴニア、ネスティーゼの最新鋭兵器のオンパレードだった事が大きい。特にBF29は凄まじく強力であった。
青葉は戦った兵士たちを労うべく、兵士達一人一人に声を掛けていった。兵士たちは一応に喜びを爆発させていた。そんな中で回りの兵士達が注目しつつも遠巻きで畏敬の念を持って噂をしている人物がいた。
「ミラコッタさん、活躍したそうですね!!」
そう、ミラコッタ嬢である。青葉は気さくに話しかけたが周りからすれば見た目とのギャップも加わって恐ろしすぎて近づけない存在である。何せ『弾切れのミラコッタ』『白兵戦の鬼』『鬼畜のミラコッタ』とか物騒な異名が飛び交っていた。
「あっ艦長!見てください!!戦利品です。」
と言って一丁の短機関銃を見せて来た。背中には体に不釣り合いな沢山物が入ったバックが背負われていた。
「敵の短機関銃か、トンプソンに似ているね、うん?マーク&エリザベートと刻まれているね。」
「何か、カッコいいですよね。」
まぁ確かにゴロが良いけど…これ…怖くね。(呪われそう)と流石の青葉でも引くレベルな気がしたがミラコッタさんが満足そうに喜んでいるので良しとした。
そんな中でジェニファーが現れた。
「よう、弾切れのミラコッタ!艦長に褒めてもらったかぁー」
酒瓶持ちながらミラコッタ嬢に絡む、完全に酔っぱらいのお姉さん状態である。よく絡めると思うかもしれないが…こちらの方がヤバめな異名が付いていた。『フォロジェニさん』『陽気な殺人者』『冷酷なジェニファー』『白風のやべー奴』などである。
指揮官として優秀だが…普段陽気で明るくて姉御肌のイメージがそのまんま戦場でも同じ振る舞いで敵を殺しまくるというシュールを通り越して恐怖である。しかも命令が冷徹で容赦が無く、敵から物資を分捕るという器用なことまでしている。(白風の戦利品が多い理由を作った張本人)
加えておくとボルトアクション式ライフル銃(スナイパー用では無い)を使って強力な短機関銃を持った敵に積極的に中距離戦を挑んで敵の頭をぶち抜いていく様は鬼神の如くである。
「はい、ジェニファーさんは凄いんですね。」
と言ってジェニファーをミラコッタさんが煽てるもんだからジェニファーが益々大喜びで上機嫌になる。
お調子者に見えるが慢心しないところがジェニファーの一番怖い(冷徹な)理由だと僕は思うのだ…
「そうそう!!私の仕掛けた爆弾が巡洋艦でさく裂した時は面白かった!!逝きかけたよ!」
とかビール瓶片手に普段と違って上機嫌に自分の活躍を周りに笑顔で語って見せている蓮火さんの姿があった。というか…逝きかけたって…性癖で戦っているの?と聞きたくなるほど性癖がモロばれですよ!!
「大将は慎重過ぎるんですよ!!」
「いや、慎重な立ち回りこそが勝つ秘訣だ!!」
若い兵士とお酒を飲みながら戦い方の仕方を議論している一団がいた。中心にはビルゲの姿があった。部隊別で戦果を見るならば一番戦果を挙げたのがビルゲ隊だった。『寡黙な狩人』『慎重な戦闘狂』と異名をとっている。因みに蓮火さんは『大物狙い』『赤い(血の)性癖』『破壊(人体含む)マニア』と言われている。
いや~我が艦は個性派揃いだな…嬉しい限りである。女性陣がSっ気がある人が多いのはデフォなの?と言いたくなるレベルではある。
この後、ミラコッタ嬢のお部屋に行ってみた。個室だった…どんだけ恐れられているんだ?と疑問を感じる。部屋に入ると可愛いらしい(ファンシーな)部屋になっていた。壁にステッカーとシールが貼られていた。机の上には本と写真立てとノートパソコン(地球のパソコンはローテクで人気である。)と色鉛筆が置かれている。一番目立つのは机の下に置かれている。鳥かご、鶏が飼われていた。
この部屋でミラコッタ嬢とゲームをしたりして楽しんだ。仲良くなった。
そして艦長室に戻ると机にジョセフィーヌ嬢からの熱いラブレターでは無く…意見書が置かれていた。タイトルは『電波妨害に関する対策案』と書かれていた。
伊藤提督は苦しい状況に立たされていた。圧倒的に敵の方が優勢な雰囲気が流れていたのである。中央への進軍は諦めざる負えない状況である。艦隊の進路は敵左翼を外回りで味方左翼陣地まで向かう航路にした。
伊藤提督の戦意は少しばかりも失ってはいなかった。わざと遠回りをとる作戦である。つまり、敵を敵の支援圏内から離れさせて艦隊決戦を挑むのである。敵は必ず乗ってくると伊藤提督は確信する。
敵は必ず補助艦と補助艦艇を補給するだろう。しかし、それでも我が方にとって右翼の艦隊決戦を支援する為にも敵を引き付ける必要がある。である以上は絶対に敵を壊滅させると伊藤提督は決意する。
勝機は十分にある。敵は戦艦三隻を本国に引き上げざるおえない。つまり残りは9隻である。我が方はロートリンゲンが小破したものの戦闘には支障が無いレベルであり、何より第二艦隊が無傷なのは僥倖である。補助艦も補助艇の有利も次は無くなるのは間違い無い、下手すると敵は二隻の強襲両陸艦を引き連れてくる可能性すらある。それでも先ほどの戦いを見ればポジションさえ対等以上に持ち込めれば…
敵の短機関銃は脅威だが我が方は敵の短機関銃を大量に鹵獲したと報告を各所から受けている。これを使わない手はない。それと同時に兵士達には遠距離での戦闘を心がけるよう厳命を下し、被害を最小に抑えることで戦果を増やせるはずである。
伊藤提督は必死に勝利に向かって思考する。
あえて敵側は描きません。この方がワクワクする。
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