激闘の始まり!!
一気に書き上げるつもりでしたが分割します。
『共和国』を向かい打つべく902星系で準備をする中でエレガス方面連合国軍の幕僚達は会議をするべく『会議室』に集まっていた。
会議では大胆に青葉が自らの考えた作戦の説明を始めた。
作戦概要
①機雷及び要塞砲を配置して相手の攻める方法及び軍艦の配置場所を限定させる。
②敵左翼に攻撃できる機動戦力を編成準備する。
③敵左翼の側面を攻撃する。及び機雷を設置していく。
④側面攻撃後は敵の中央を突破する形で敵左翼を包囲する。機雷の設置も継続する。
⑤完全な撃滅は難しいので包囲殲滅するように見せかけて撤退する。
「とんでも無い作戦だ!!そんな作戦が成功するはずがない」
一人の幕僚が席を立って抗議する。周りの幕僚達も困惑気味である。
「なお作戦の前段階には敵の突進力を緩和する為に散開散兵戦術を使用して迎撃することを要請します。」
これには幕僚達も無言の同意をせざる負えなかった。
「エレガス方面連合国軍には優れた機動戦術の権化たる優秀な皆様がいるからこその提案です。」
否定はしないが困惑を隠せない幕僚達
「はっーはっはっは、笑えるな諸君!!」
いきなり笑い出したのは誰であろうクロージア・エレガス方面連合国軍司令官である。優れた機動戦術の権化を擬人化した人である。黒髪ロングで司令官用の椅子にどっぷり座って手に刀を立たせて持っている人である。男装の麗人とかつて言われた人であり、地球侵攻作戦時に欧州方面でのドイツ機甲軍団とロシア機甲軍団を打ち破った人である。(ちなみに美貌は健在である。)
そして重要なのは青葉の妹と結婚したのが彼女の実の弟であるルーチスである。何故結婚したのか?青葉が知らないところで情報部が地球人女性と結婚したがっていたルーチスに妹を引き合わせたらしい。そして知らぬ間に結婚されていたのだ。
「閣下、何が笑えるのでしょうか?無謀な作戦をお止めください」
「無謀なのは事実だが…防衛は私自身が性に合わん!!それにネルフィアも賛成だろ?!」
そういうと幕僚達が一人の女性を見る。
「はい?何か言った?!」
二日酔いです!!と言わんばかりに先ほどまで机に顔を伏せていた彼女は名前を言われて返事をする。
「攻めるのが好きか?と聞いているのだ!!飲んだくれ」
「ムッ何かムカつくけど…そうね、攻める方がやり易いわね」
このネルフィアは砲術将軍と言われる砲術戦の達人である。地球侵攻時はクロージアとタッグを組んでいた。昔は気さくで美人で可愛いと評判だった。美しさで言えば今も軍の広報誌にクロージアと共に表紙を飾るので美しいことは美しい。酒豪で有名だが今では周りも呆れる飲んだくれに進化して可愛くは無くなっている。
「…」
戦術理論の本を書いていて多大な功績を持つ二人の意見に対抗できる幕僚はいない。というか幕僚達全員がほぼ両将の子飼いの部下達である。偉大な自分たちの将軍に真っ向から対決する人間はいなかった。
このあと両将からの修正要求を受け入れたうえで作戦は了承された。
機動戦力としてエレガス・連合国軍両方の高機動艦船を集結させた。数は多すぎると敵にバレてしまうので戦艦は七隻に絞った。とは言え旧式艦船も多いので比較的十分な分割であった。
途中、作戦の話の為にルーチス突撃連隊部隊長と話をしたが…「お兄さん」とか言ってくるので慣れなくて困った。ルーチスは優秀で良い奴だがイケメンパワーが凄くてコミュ症にはキツイ相手である。トラウマ姉貴の話でもして嫌がらせしようかと思ったが辞めておいた。(姉貴にトラウマあるから家の妹みたいな冴えないのを嫁にするのだ!)
駆逐艦「白風」に戻る途中の屋台群の中にミラコッタ嬢を発見した。彼女はどうやら屋台の食べ物を狙っているようだ。
「ミラコッタさんこんにちは!」
「あっ艦長、こんにちはです。」
標準軍服を着ていて背が低いのが可愛いミラコッタ嬢である。しかし、男はいない。当然だ!みんな怖いのだ!!だから話しやすくて大変嬉しい限りである。
ここから雑談タイムである。ミラコッタ嬢の好きな物や趣味を聞いてみた。がしかし、返答で返ってきたのは予想通りである。
「卵が好きですね!!生で食べるのが好きです」
「へ~趣味は?」
「狩猟です!!」
「う、うん」
こんな感じだ、しかし、嬉しそうなので会話は意外と途切れなかった。狩りの仕方の話を聞いた後の戦場での立ち回りについて議論したが完敗である。勝てるはずが無いのだ…FPSガチ勢と話をしている時と同じくらい世界観に違和感を感じるのだ。
食事を散々奢って一緒に艦に戻ったところでお別れした。キャバに行くよりはコスパが良さそうなので良い事である。(行ったことがあるとは言っていない)
艦での作戦会議もスムーズに進んだ。午後のティータイムも和やかな感じがして良かった。戦の前だからか皆いつも以上に笑顔である。特に夜に行われた夜会ではジェニファーが悪ノリしてイニシャルD的な曲を歌いながらパラパラみたいな踊りをしているのは凄くジェニファーぽいと感じた。
902星系の戦い
機雷と要塞砲の配置を考慮すれば敵の布陣は予想通りの展開となった。こちらが右翼に12隻の戦艦を中心とした艦隊を配置していることから敵も半分以上の艦船を右翼に集中していた。
基点となるのは当然902星系のエレガス基地である。ここはウルムへの侵攻を目的にエレガスが築いた基地が元になっているのでエネルギー反応炉が完備されており、我々はエネルギーの補給には困らない。この基地を敵が狙うのは必然である。それ故に戦場の中央は基地周辺となる。
右翼は901星系側である。こちら側が連合国の要塞との連絡線になる最重要地域とよんでよいだろう。
そういう意味では左翼は最も重要性に欠けているように見えるが敵にとっては本来は最重要になるはずである。
何故ならばウルムへの補給を考えると901星系側は両端から連合国が艦隊を繰り出すことのできる危険地帯である。補給は不可能と言ってよかった。
それに比べればアステロイドベルトと超重力地帯があるとはいえ補給を通すには最適といえる左翼側は敵にとっては無視出来ない地域である。しかし、敵は圧倒的な戦力を持っていることからして左翼には戦力を多くは配置しないことは分かりきっていた。
また敵は少なくなっていた。エレガスの焦土作戦が効いたのか27億はさすがにいなかった。901星系に向かったにしては多いので恐らく補給の兼ね合いで全部は連れてきていないはずである。
戦いの火蓋は『共和国』側の進軍から始まったが先に攻撃したのは連合国側である。射程が長いことを利用したアウトレンジからの砲撃と射撃で接近しようとする敵を薙ぎ払う方針である。
砲撃の精度はすこぶる高かった。宇宙でも屈指の砲術戦の達人であるネルフィア指揮下の砲術軍団が高い命中力と優れた陣地転換で敵を翻弄した。この間、お酒を飲もうとするアル中ネルフィアに部下たちが睨みを効かせて飲ませなかった。
敵が近づく中で駆逐艦「白風」では兵士を集めて青葉が演説を行った。
「S・P・Q・A諸君、私は攻撃が好きだ!!防衛は容易いが敵の動きに対して受動的になり過ぎる。
それに対して攻撃は敵の出方など気にせずに自分の考えた通りに自軍を展開できる。極めて能動的である。
さて今回、我々は殿を務めることになる。これは非常に危険な任務である。味方が少しでも動きを間違え止まれば…我々は全滅するだろう。止まらなければ味方は助かるかもしれないが我々は敵に包囲される可能性がある。我々に求められていることは味方を信じ、味方を助け、そして我々自身が戦場から離脱することである。その為には敵陣を駆け抜けるは風の如く、静かに移動すること林の如く、攻撃すること火の如く、敵の挑発に乗らないこと山の如し、でなければならない。兵士諸君!!S・P・Q・Aの興廃はこの一戦にあり、各員一層奮励努力せよ!!」
青葉は続ける。
「S・P・Q・A諸君、S・P・Q・A万歳!!」
兵士たちが答える。
「S・P・Q・A万歳!!」
「兵士諸君、万歳!!」
「指揮官よ、我らが指揮官よ!!万歳!!」
S・P・Q・A万歳!!S・P・Q・A万歳!!S・P・Q・A万歳!!
と兵士達が歓呼する。
次回、激闘が行われます。
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