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特別任務艦「白風」

改変しています。

僕は今食事をしている。しかし、問題が生じている…正面に座る、金髪碧眼の美人の女性に睨まれている。ただ睨まれているんじゃないぞ!相手は真っ直ぐ睨みながら食事をしているんだ!!

 はぁ~何故こうなったし、相手の女性の名前はジェニファー(さん)である。お目付け役その①である。元情報部の工作員である。(情報部の回し者)駆逐艦の艦長になって以来は教官みたいに教えてくれるが最近は特に厳しくて今の状況になっている。艦で役割は無い、僕の部下では無い。彼女は突撃軍所属で駆逐艦『白風』配属の突撃部隊(海兵隊)の部隊長である。地位で言えば僕と同格である。僕の艦に居候している身分に見えるが守られているのは僕の艦の方なので立場的には向こうの方が偉い。

 他にお目付け役としては僕の隣に座っているマードックさんがいる。お目付け役その②である。老齢に見えるが同年代だと聞いてビックリである。「あなたが若く見えるんですよ!(青二才だと言われている)」と真顔で言われた。地位は副艦長だが政治将校を兼ねている。(政府の回し者)

 正面から左に美人というよりは可愛いだと思うけど…毎度不機嫌な雰囲気出しているのが紅・蓮火さん

チャイニーズとか言うと切れられるので気を付けよう!!彼女は『元周国』人である。髪の毛が赤い、しかもただ赤いのでは無い、今どきのナウなヤング達に大人気なネオン色の赤毛である。ジャケットとかに手を突っ込んでるところとか見ると可愛いと感じる時がある。背が小さいのも良い感じだ。地位は突撃部隊員でジェニファー(さん)の副官である。


とここまで思考して考えに浸っているとジェニファー(さん)が口を開く。


「おまえな、雑談というものを知らないのか?」


「雑談?よく分からないので教えてくれないか?ジェニファー」


ムッとしながらもジェニファー(さん)が話を続ける。


「雑談とはな!必要な時に話がスムーズに行くための潤滑油だ」


「なるほど、ご教授ありがとう」


「…」


それで話は終わりである。ジェニファー(さん)は食事を続ける。


ちなみに先ほどの会話は受けが良い、突撃軍と宇宙軍は仲が悪い、どちらが戦場の主役ですか?と聞かれたら大喧嘩するくらいである。どっちもエリート意識が高い、下手に仲良くすると部下から突き上げがくるので注意するべきである。


 ここで一般的軍編成だが軍には大きく分けて三軍いる。艦船勤務者の集まりである宇宙軍、突撃歩兵を中心にしているエリート集団である突撃軍、徴兵された兵士を含む残りの全てを担当する国防軍である。

 その他に政治将校に率いられている憲兵部隊が独立している。さらに軍の中にも対立する部署みたいなのが複数あるので注意しないと無駄な争いに巻き込まれる。

 僕もそうだがマードックさん、ジェニファー(さん)も純粋な叩き上げではない。対して紅・蓮火さん辺りは叩き上げである。この辺も人間関係を複雑にしている。

 野郎が一杯の中で女性ばかり紹介する事になるが他の女性を紹介しよう。


 まず目につくのは紅・蓮火さんの左に座っている。麗しのジョセフィーヌ嬢である。花の士官学校卒で今回駆逐艦『白風』に志願してきた人である。白い軍服がお似合いである。髪の毛も銀髪のロングである。軍人が大好きな軍広報誌の表紙を飾っていたりするので有名人でもある。女性にも人気がある人なのでクールビューティーだと一般的に周囲に認識されているもようである。

 ジョセフィーヌ嬢は宇宙軍所属で通信担当にされてしまって非常に不愉快らしい事は話をすると僕のようなコミュ症でも伝わってくるレベルである。目指せ!艦長!!みたいなスポコン魂を感じる気配がある。


 あともう一人紹介しよう。駆逐艦の食堂でキッチンに近い席で黙々と食事を大量に食べているのがミラコッタ嬢である。痩せの大食いである。花どころかつぼみの兵学校卒で志願してきた女性である。田舎出身で栗色の髪の毛で可愛い見た目しているが背中にスナイパーライフル背負っているので物騒である。いや正確には他にも物騒な野郎は沢山いるし、みんな腰に銃や剣を持っているから物騒も無いが…それでも見た目とのギャップが凄い。

 ミラコッタ嬢は一流のスナイパーだと評判である。兵学校の射撃の成績はA++である。山岳民出身で狩猟を小さい時からしているという時点でお察しである。しかし、突撃兵ではなく国防軍なのは兵学校の教官によると本人が射撃のこと以外は呑気な為と推薦状に書いている。しかも射撃の腕も自分が必要だと感じない時の腕が鈍るので++にしたと推薦状に書いてあるほどである。推薦状と共に送られてきた軍広報誌の表紙を飾っており、本気で銃を撃っている時はマジで危険な人だと一目で分かる雰囲気を出すようである。(僕的には美人さん「なんだなぁ」と思うレベルである。)


 軍広報誌は日刊で出ている。気になる軍人さん特集、軍で流行のファッション、ゲーム、グラビア特集など軍人の好きそうな内容を男女問わず毎日特集している雑誌である。ネットで無料で見れるのが特徴。軍人以外でも人気で有料にも拘わらず連合国域内で一番売れている雑誌である。


 食堂の話もしておこう。連合国の艦船の特徴で一番大きいのは中央に大きな通路を防御面での設計を無視して設置することと食事を豪華にしていることである。通常の軍隊のような美味しいレーションは非常食扱いである。とにかく生にこだわっており、パスタも魚もコメも野菜も生で新鮮なのしか使わないというポリシーでもあるかのように巨大な冷蔵庫、キッチン、倉庫が完備されている。コックも専門職である。連合国のコックは軍隊で下済みをするのが当然になっているほどレベルが高い。


 連合国の食事は肉食ではない、穀物と魚が基本である。食事に力を入れるのは福利厚生と厳しく長い軍隊勤務の唯一のオアシスだからである。中央通路は防御よりも指揮系統のスムーズな連絡と決断を重視しているためである。これだけで連合国の国としての基本的な考え方が見えてくると言っても過言ではない。

 食事とか余暇とかに力を入れているせいで勘違いされるが軍隊勤務は他の諸外国より厳しい一面がある。それは実力主義と訓練主義である。実力主義は能力評価のことである。特出するべきは訓練主義である。

『想定外』という言葉を何よりも嫌う風潮があり、「想定外なのはお前の想定が甘くて訓練していなかったからだ!!」と上からも下からも文句が来るほど訓練を重視している。


 さて長く思案していると食事が終わったので席を立ちあがり、トレーを返しにいく。返す時は「食事が今日も美味しかったよ!」みたいに声を掛けないといけないとジェニファー(さん)が言っていた。

 トレーを返し終わると勝手に帰っていい、士官とか関係ないくらい皆好き勝手に食べて帰っていくのが連合国の兵士である。会話も弾んでいて大抵の兵士はギャーギャーうるさいのが連合国流である。これで時間とかにはうるさいのだから不思議である。



さて話は変わるが本艦の目的である。本艦こと駆逐艦白風は特務任務艦として独立国家エレガス司教領の宙域である902星系に向かっている。


 単艦行動では無く、付属の突撃艦四隻も随伴している。乗員は意外と少なく、宇宙軍の兵士だけなら200人もいない。


駆逐艦『白風』概要


駆逐艦白風は15㎝連装砲塔を二基を司令塔前に載せている。司令塔の後ろに煙突があり、同じく15㎝連装砲塔一基、その後ろに突撃艇を出し入れする飛行甲板が設置されている。その他各種ミサイルと魚雷発射管が搭載されている。


総重力量は4千5百メガトン級である。全長は駆逐艦『島風』より一回りでかい程度である。白風級一番艦である。着工は地球侵攻作戦前になるので約十年前の艦である。当時宇宙最速の軍艦である。現在もトップクラスだと推測される。今回の任務前に近代化改修しているので装備は最新鋭である。

 動力源はエネルギー電池式ではなく、反応炉を搭載しているので単艦行動も可能である。エネルギー電池式の艦にエネルギー充電するだけの容量が十分あるので艦隊旗艦にもなれるスペックがある。


 煙突はエネルギー排気用である。空気の循環の為の換気も行う。船底は船体のエネルギーシールドの起点になっているので非常に防御力が高い。しかも、傾斜装甲が採用されている。さらに船体は地球の技術で再度補強しているので極めて頑丈である。


 エンジン=エネルギーシールドである。ジェット見たいな奴では飛んでいない。エネルギーシールドの力点の変更や流れる方向などを変更することで航行している。疑似的に空間を作り出して航行するので地球時代の化学などでは到底理解できないスピードで航行も可能である。ただし、戦闘時は減速して行うのが基本である。速いと命中精度が落ちるので攻撃時には速度を相手と読み合いながらの戦闘になる。この辺の読み合いは航海士と通信担当の役割になる。(だから超重要な役割なんだよ!ジョセフィーヌさん!!)


 駆逐艦は被弾すると即爆散の可能性が高いので極めて運用が難しい面がある。しかも、護衛艦や突撃艦より被弾面積も被弾時の誘爆がしやすいのが最大の欠点である。


突撃艦


見た目はミニ駆逐艦である。小回りはあるが意外と遅い、機雷を射出する機能がある。あと突撃艇を発進して攻撃したりする。装備は単装砲のタイプが多い、魚雷も搭載していることがある。


突撃艇


突撃艇は歩兵の支援用の兵器という意味。見た目が機動戦士ガンダムのコムサイみたいなSF風になっているのが特徴。攻撃用にビットが付いている。ただし、ビットは飛び回って攻撃するというよりは自由自在に取り付け場所を変えたりして攻撃するという要素の方が強い。意外と生存率が高く、死にたくない兵士たちの人気艦種である。


上記は一般の話である。本艦には僕考案のBF29が配備されている。


BF29


青葉氏考案の新突撃艇、ミニ二式大艇のような形をしている。最大の特徴は翼が付いていることである。翼の両端に推進用の装置が付いている。翼が破壊されても機体自体のエンジンに当たる部分は機体中央にあるので困らない。翼の部分には武器やミサイルを付けている。機体の装甲素材などは地球製なので高コストなのが現在の問題点である。


名前の由来はB29から来ている。FはファイトのFだが付け焼刃である。


任務内容


902星系のエレガス司教領の基地に向かっている。同基地で現在係争中の問題を解決するのが『白風』の任務である。後方には万が一の事態に備えて艦隊が待機している。


ここまで思案していた僕であるが後ろに付いてくる人々に注意を向ける。


後ろにはマードックさん、ジェニファー(さん)、紅・蓮火さん、突撃歩兵ども、何故か?ジョセフィーヌ嬢になっていた。


しかし、ジェニファー(さん)もしつこいのである。食事が終わってからもずっと付け狙ってくるのだ。


「マードックさん、少し、ジェニファーと話をするので先に指揮所に行っといてください。」


「分かりました。お気をつけてください」


何か意味深である。えぇ気を付けますとも…


「それじゃ、少し艦長室で話をしようか」


これに対してムッとしながらもジェニファー(さん)が言う。


「ええ、蓮火扉の傍で待っていて」


ジェニファー(さん)の後ろにいた、蓮火さんが答える。


「はい、分かりました。」


こうしてジェニファー(さん)と二人で扉の中に入る。


ところで話は戻るが向かっているエレガス司教領の902星系の話である。


白風は同じエレガスの901星系にある連合国軍の駐留基地から902に向かっている途中である。


 エレガスは連合国には加盟していない、加盟していないが元老院に議員は送っているという特殊な国である。かつてエレガスは連合国の一員である隣国のウルムに攻め込んだ。ウルムで革命が起きたためである。これに対して連合国は革命政権側を支援した。そして戦後結ばれた条約でエレガスとウルムの国境線にある。901星系に連合国が基地を作ってエレガスから基地を租借する形で戦力を駐屯させている。

 今現在問題になっているのは901星系のエレガスとウルムの国境線である。これが曖昧なことを理由に両国が揉めている。それで『白風』が現地のエレガスの基地を視察しに行くのである。


扉に二人で入った後に扉が閉まる。


入ってすぐに机に向かい、机に置いてあったジェニファーのお気に入りのウイスキーをグラスに注いで氷を入れる。それをジェニファーに渡して。艦長用の椅子に座る。


「それで、902星系についたらどうする気?」


「もちろん中立として視察するよ」


「それは表向きでしょ」


「現状は?」


そう聞くとジェニファーが現状を説明する。


「インノケンティウス元老議員はウルムの暴挙でエレガスが何時までも守勢になっているのにご立腹だ」


インノケンティウス元老議員は元教皇でエレガスの司教とは仲が良い、902星系は901星系の租借時に連合国側が租借地のライン上にある星系の領有権はエレガスにあると条約に書いている。これを根拠にエレガスは自国の国境と主張している。これは概ね正しいのである。だが同じ連合国内であれば両国の問題を連合国が介入して解決することが出来るのだがエレガスは連合国に加盟していない。


「取りあえずは現地に行って導火線を確かめに行く、火をつけるかは現地の状況次第だな」


「悠長ね、ウルムは共和国と密約を交わして連合国と戦争する気になっているというのに…」


「それは違うよ、戦争を仕掛けるのはあくまでウルム側ではなくてはならない。正義は連合国に無くてはね」


「…」


「形勢は明らかに連合国が不利に成りつつある。」


そう言うとジェニファーが何か言いかけたので先に言う形で言葉を吐き出す。


「だからこそ、正義を確保したうえで連合国に有利な展開に持っていくのが正しいやり方になる」


そう僕らはこれから戦争をしに行くのだ、それも大戦争になる可能性が高い、そして最大の激戦地になるであろう場所に僕らは戦わなくてはならない。その為の『白風』である。例え僕が階級が低いために率いられる戦力が少なくとも出来うる限りの力を使って連合国を勝利に導くのだ!!


平和回を描きたくない症なので次回から争いにしたいですね。


青葉の視点だと兵士たちはギクシャクしているように思いますが仲が良いです。実は青葉視点じゃないと艦の雰囲気が相当変わります。

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