閑話 そして動き出す
3月7日追記、誤字を訂正しました。
魔王…それは世界を滅ぼす者。
勇者…それは世界を救う者。
二人は何時も対極に位置する…いつの時代も殺し殺される…僕はそう言われ魔王として生きてきた。
けれどそれは違った。
随分と昔…僕の何世代も前の魔王が勇者と和解をしたというケースがあったらしい。
何故それを知っているのか…?
最近では誰も寄り付かなくなった書庫…その奥に埃を被った草臥れた本があった。
その時の僕は、ただ五月蝿い教師から逃げるために入った書庫であの本を見つける何て思わなかった。
その時の勇者…フォレスト・レン・クロードと魔王レオンは死闘の末、己を認め合い和解をしたと記されている。
こんな稀なケースはほとんど…と言うより滅多にない。
大抵は僕達魔王側が滅ぼされ、世界は平和になり筒がなく魔族たちは幕を閉じる。
また次の魔王が生まれるまではだが。
しかしこのフォレストという勇者…人に忌み嫌われる魔王と和解など怖いもの知らずを通り越してバカだな。
僕達魔王を倒せば、どこぞの保身に走ったバカな人間共から報酬が渡されると言うのに。
このバカ勇者が亡くなるまで…まあ、60年は両国は普通に平和に暮らしていた…が、バカ勇者が亡くなった後直ぐに新たな勇者が生まれた。
そしてこの勇者は、欲に目が眩み魔王を殺してしまった。
無論、魔王も反撃をした…けれど不意打ちには流石に勝てなかったと記されている。
それからは僕の世代まで、ずっと殺し殺されを繰り返している…けれどはっきり言うと魔王は殺されてばかりだ。
その本には一方的に勇者が不法侵入、及び城内の宝物を奪いしまいには魔王を殺すという…これではどちらが勇者か魔王か良く分からない。
いや、僕達からすれば勇者が魔王に見える。
……こんな事を知ってしまえば、僕は殺される為に生まれてきた様な物だと自覚してしまう。
生き残る為に和解をしようにも、勇者と話し合いなど出来る訳がない…終いには話し合い(物理)に発展して殺されるが落ちだろう。
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「はあ…」
自室の窓辺に頬杖をついてため息を吐く。
開けた窓から涼しい風が髪を揺らす。
最近では僕の他に魔王だという輩が城に居候する始末…もうそいつらに魔王の仕事を任せて隠居でもしてしまおうか…?
真っ昼間から寝ている彼奴等…本当に魔王かは置いておき、そうすれば僕は勇者に殺されずに済む…。
そんな事をぼんやりと考えていた…その時。
「…?」
外から高濃度のマナの気配が…これは雷…か?
不思議に思い立ち上がる…勇者召喚というくだらない事はまだ起こってはいない筈…。
だとすると…今のは何だ?
魔王が代々使う雷魔法でもこんなに多くのマナは飛散しない…だとすると…。
想像した光景に自然と笑みが溢れるのが自分でもわかった…勇者以外に自分と同等の存在、もしやそれ以上の存在がいるのかもしれない。
「…よしっ!」
窓から飛び降り空中で魔法を構築、羽で空を飛ぶ。
構築した魔法、それはインビジブル…誰からも姿が見えなくなる魔法。
ただこの魔法を発動中は物理攻撃…特に光に弱くなってしまう…まあ、元々魔王だから光属性が弱点でもあるけれど。
この時の僕はまだ知らない…インビジブルを使って飛行をしたせいであんな目に遇ってしまうなど。
ブックマークが50件!
2度見してしまいましたw
皆さん何時も手にとっていただきありがとうございます!




