21 勇者召喚というのはフラグな件
文才がない私のコレを見てくださってありがとうございます(涙)
『見えてるかな?』
『見えてる』
『見えてる』
『見えてる』
ちっちゃいおじさんくらいの大きさの子供が一斉に喋る…見えてるよ。
「えっと…この子達は?」
視界が物凄くカラフルだ…いかん、目が痛くなってきた。
『下級精霊じゃ』
「精霊…この子達が…」
回りの下級精霊が『そうだよ!』と喋る。
四方八方から元気な声が……さっきの静けさは嘘のように飛び回ったり肩に乗ったりしてくる。
ふと、嫌な予感がした。
思わず足下を見る…が、精霊が私の足の下敷きに成っている事はない。
『お主はこの子らに感謝するべきじゃぞ?』
「…え?」
『お主は自分が発動した雷魔法で傷らだらけだったのじゃぞ?…それ以前にこの子らがいなければ今頃焼け死んでおる』
そう言われてはっとする。
確かにそうだ…爆風で吹き飛んだ時に全身が痛かったが、起きたら傷も痛みも何もなかった。
傷なんか本当はなかった、というのは考えにくい…服がボロボロに切れてたりしてたのでその場所に多分傷があったはずだ。
『お主が起こした大爆発の炎の沈下も大変じゃったんだからのう…妾にも当然感謝せよ』
「あ…ありがとうございます」
私の知らない間でそんな事が起きていたのか…とにかく、これは心からの感謝感激なし汁…って、間違えた…本当に感謝しなきゃ。
じゃあ、出来てておかしくなかったクレーターが1つも出来てなかったのにも納得する。
『でもユーリがボクたちに気がついてよかった!』
頭に乗っかってる子がペチペチと額を小さい手で叩く…くそっ…可愛いじゃないか。
『ずーっと呼んでたんだよ!』
『ボクも!』
『私も!』
『私だって!』
肩に乗ってる赤い子がにへらと笑う……続いて次々と名乗り上げていく…。
泣いてる子供と生意気な子供は嫌いだが、素直な子供は好きだ…って、これは皆同じか。
ん…?そう言えばこの子達の声……夢の声に似てるような…似てないような。
「ねねっ、君たちってもしかして私に"生きてる"とかって言ってた子?」
疑問に思い肩に乗ってる子に聞いた。
『聞こえてたの!?』
赤い子は驚くが、直ぐにまた笑いだす。
『そう!ボクたちがユーリの傷を治したんだ!』
『私は炎がユーリにかからない様に壁をつくったよっ!』
『私も!』
『ボクも!』
まるで漫才…俺がやる俺がやるって言って最後にどうぞどうぞというアレが脳裏を過った。
『そろそろいいかのう?』
私と精霊さん達のターンが続いてまた空気気味だったクロムさんが口を開く。
『ユーリはこれからどうするのじゃ?』
どうするつもり…そうだ、いろいろあったけど森から出て町に行くんだった。
「えっと…取り敢えず森から出て町を目指そうかと思っています」
『えっ……』
私の言葉に下級精霊がざわついた。
『止めたほうがいいよ?』
「どうして?」
頭に乗っている子がか細く声を上げる。
『ふむ…お主が行きたいならば止めはせんが…あまりおすすめはせんぞ?』
下級精霊の子達もフロムさんの言葉に賛同する…何かあるのかな?
「町に何かあるのですか?」
『町…と言うよりは森以外の外じゃな』
「外…?」
どう考えてもこの森のほうが危険に見えるが…。
『この森は妾が管理し守っているので、弱者やそんじょそこらの余所者は入ってこれん…だから安全じゃ』
いや…強いモンスターがうじゃうじゃ居る方が危険な気が…。
『だがな、森の外は盗賊やらが居たりする…それに此処から一番近くても徒歩で1週間もかかる…それに加えて最近、町の治安も荒れておる』
神様よ…私を殺しにかかってるね?
絶対そうだ、そうに決まってる。
「…何で治安が荒れてるんですか?」
『原因は色々あるのじゃが…最近は新たな魔王が出現した事じゃの』
来ました…これ御約束だね。
それも何かフラグ立ちそうな気がする…。
「で、でも、今までだって魔王は居たんですよね?」
『うむ、確かに魔王は居た…じゃが、今回はおかしくてのう』
おかしい…何か嫌な予感が。
『魔王だと名乗る者が四人…現れたのじゃ』
四天王…絶対そうだ。
『その魔王と対になる勇者が現れず人々の心が荒んでおるののも原因の1つじゃ』
死んだ魚の様な目をした…クズ共?
『それでな、何処かの国で禁術勇者召喚をすると言う奇妙な噂が立っておる…これには膨大な魔力が必要で国が手段を選ばす必死にかき集めているらしい』
「そ、それって…」
『そうじゃ、総保持マナが膨大なお主がもしも国の者にバレたら捕まえられてバラバラにされ』
「いやー!やめてください!!」
思わず耳をふさいでしまった。
『だから個々にいた方が安全なのじゃ』
フロムさんは人差し指を上に立てて得意そうに笑って言った。
けれど、私の町へ行く…という夢がフラグ回避の為消え失せた瞬間だった。
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