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閑話 フォレスと日本とイカサマと

今回の話の量は、本編の2~3話分くらいの量です。←どうでもいい情報

殺戮の天使の更新が明日の19時更新…楽しみですねー!!

追記、後書きを入れました。

我は全知全能の神なり。


っていうセリフ…何処かで聞いたことあるよね?


人間ってさ、自分の思いたいように勝手にこういうセリフ作っちゃってるけどさ…。


神様だって分からない事あるよ?


人の心なんて全然分からないし…まあ、例外はあるけどさ。


全然優れてないよ?


…この前だってさ、近所の星の神様が少し居眠りしちゃっただけで起きたら自分の世界滅んでたって愚痴ってやけ酒してたし…。


結構長く神様やってるとさ、人間やってた事が懐かしく思えるよ。


あの頃はよかった…休みたい時に休んで、遊びたい時に遊んで…まあ、世界救っちゃったのがそもそもの原因だけどさ。


どのくらい前か言うと僕の年齢がバレちゃうから言わないよ?


最近は本当につまらない事ばっかり…平和過ぎるのもつまらないし、魔王でも作っちゃおうか。


こうして気分次第で、魔王を作ったり…勇者を作ったりを繰り返す。


そんな勝手な事してれば当然怒られるわけ…で。


そんな時は、僕だけ辛い思いするのもなんだし世界が滅びない程度に大洪水を起こしたり、大寒波を起こしたりと苦しみを一緒に味わってもらっている。



そんな日々が続いていたある日。



久しぶりに神界に遊びに行くと、何故か慌ただしかった。


いつもは見かけない人がちらほらと。


あれ?


地球の神様メンバーが全員揃ってる…。

それに、他の世界の神まで…何かのお祭りかな?


あ、日本がいる…彼奴が外出るなんて珍しい…そうだ、借りたゲーム今度返さないと。


「何かあったのかい、日本?」


アワアワしている日本に近づき声をかける


「あっ、フォレス…」


日本と僕は実は同期なんだけど…日本の黒目と短い黒髪…そして顔が童顔だから滅茶苦茶若く見える…見る人によっては18歳にも見えると言われる。


ちっ、本当は××××××歳の癖に…若作りし過ぎだ。


僕なんて白髪の青い目だから、遠目から見ると年寄りに間違えられるのに…。


「そうだ!フォレス、いいところに!」


目を大きく開き、若作りした顔を向ける。


「僕がどうかしたのかい?」


何となく、長年の感で嫌な予感がした…。

面倒事を押し付けられるような…そんな嫌な予感が…。


「じ、実は…かくかくしかじか…で、かくかくがしかじか…で、困ってるんです」


「…はい?」


…こいつ何は言ってるんだ…。

僕の鉄面皮に一瞬ヒビが入りそうになる…。


「だから!かく「共通語で喋ってくれないかい?」」


それともコイツは、僕をバカにしてるのかい?


「日本…共通語、共通語」


「はっ!?…す、すみません」


後ろにいた日本と仲の良い先輩が、日本の方をポンポンと叩く。


「では、改めて実は…………僕の世界で………が、……………であって………」


日本の喋り口調は基本おっとりしているが、流石に焦っているのかテンポが早い。


「って、訳で困ってるんです。…」


話終えた日本…そんな目で見ないでくれ。

僕に面倒事を押し付けないでくれ…お願いだから。


「そこで、フォレスに相談なんだけ「断る」」


見事に僕に押し付けようとしていた。


「僕は忙しいんだ…1人2人くらいなら森に投げておけばどうにでもなるだろうけど…そんな人数こっちに引き入れたらこっちのバランスか崩れるよ」


忙しい…それは嘘だか、確かにそんな人数を一気に世界に引き入れたら…最悪世界が崩壊してしまうかもしれない。


「確かにそれはそうだけどさ~、君の世界しかないんだよね~人が少し増えても不思議じゃない世界はさ~?」


むっ…フェスバルには言われたくない。


彼の世界は…確か、平気で人が1人2人消えたりするのが日常茶飯事な僕の世界より危険な世界である。


人の世界が無法地帯のような言い方…フェスバルに言われたらおしまいだ。


「……僕の世界は君達の世界と比べると技術も文明も劣る…こっちに来た彼等が辛い思いをするだけだとおもうよ」


「そこなんです!」


日本が声を上げた。


「確かに、フォレスの世界は皆と違って文明も技術も劣りますが…魔法が使えます」


確かに僕の世界では魔法が使える…けれど、魔法が使えるくらいで何が変わるのだろうか?


「僕達の世界では、技術または科学を選んだため魔法は使えないんです…いえ、一部では似たような物を使う人は希にいますが、大方は迷信として魔法は存在しないとされています」


それは知っている、その代わり鉄の塊が空を自由に飛び回っている。


「けれど最近、チュウニビョウとやらが大人から子供まで流行っているらしいんです」


「チュウニビョウ…?」


聞き覚えのない病の名だ…。


「何でも、小説というので異世界に転移するという図々しいお話が流行っていて、チュウニビョウを発症する人々が増えているらしいんです」


…流行の病となると更に此方は受け取り拒否をしたい。


「そのチュウニビョウと魔法の何が関係あるんだ?」


腕を組む…日本は真剣な顔をしたまま淡々とつげる。


「実はそのチュウニビョウとやらは、魔法を使ってみたい…という衝動からなるものらしいのです」


「…は?」


真剣な顔をして、何を言ってるんだ…こいつ。


「そして記憶を覗いて見たところ、大多数がそのチュウニビョウとやらに感染していました。ですので、フォレスの世界では魔法が使えるのでチュウニビョウが流行る心配がないのです!」


簡単に言うと、僕に丸投げ…良いこと考え付いたという顔をしているが全く名案ではない。


「ちょっ…「フォレスしかいないんです!他の世界だと平気で人が亡くなったり、初見殺しのダンジョンがウヨウヨあるような世界しかないんですっ!」」


何故そんなに頼りにされなければならないのだろうか?


「勿論只でとはいいません!私達の世界で発売されている最新ゲーム機とゲームソフトを最低でも5年分は差し上げます!」


「…ぐっ」


地球のゲームは本当に面白い……ぐっ…日本を通してでしか借りれないゲーム…もし断れば2度と借りれないかもしれない……でも、ここでYESと言えばそれが貰える…うっ。


「ねえ…yesと言って…?」


こうして僕は圧力で半ば押しきられるようにして、面倒事を引き受けたのであった。



*************


カタカタとキーボードを叩く音が部屋に響く。


その部屋には白髪の青年が1人…げっそりとしている…時計は深夜0時をすぎているが、青年が寝る気配はない。


「あ~、終わんない…」


新しく入ってくるイレギュラーな存在を受け入れる体制を整える為、青年は世界のシステムを改変していた。


「……こんなの引き受けなければよかったよ…」


半ばいじけ気味でボード入力を再開する…そこに1人の来訪者が現れた。


「フォレス…?居る?」


ノックもせずに扉を開けた図々しい奴…それは日本。


「何の様?…僕は今忙しいんだ」


「…あ、やっぱりか」


こいつ…人に押し付けておいてこの言い様はない。


「そうだと思って、ホラこれ」


目の前にディスクを差し出される…それはPLPのソフトと同じくらいの大きさだ。


「…なんだい…これは?」


「はぁ…君の世界に行く人たちのデータ、皆纏めてあるからこれをベースにすれば早く済むと思うよ」


思わず無言でそのディスクを手に取り、システムにデータを取り込む。


まるで砂が地面に落ちる様な速さでシステムの作成が終わっていく…これは。


ディスクを貰い30分…6時間かけて4分の1しか終わらなかったのに、ディスクをもらって30分で作業が終了した…。



僕の時間を返せ…日本。



勝手に椅子に座り読書をしている日本を睨む…すると視線に気がついたのか本から顔を上げた。


「終わった?」


悪びれもなく聞いてくる…少し殺意が沸いてくるな…。


「…ああ」


背もたれにどっしりと寄りかかる…珈琲が飲みたい。


「レイル…珈琲持ってきて」


伝達魔法を使いレイルに連絡を取る。


『かしこまりました、少々お待ちください』


それから数分後、レイルが二人分の珈琲を持ってくる。


「…どうして二人分なの?」


レイルを軽く睨む…八つ当たりのようなものだ。


「日本さんが来ていると聞いたので…」


「…そう、ありがとね」


マグカップを受け取り珈琲を飲む。少しほろ苦いこの味が堪らない。


「日本さんもどうぞ」


「ありがとう」


日本はにこりと微笑みマグカップを手に取る。


「ごゆっくりどうぞ…」


レイルが出ていく…部屋にはカチカチと時計の秒数を刻む音だけが響く。


「ねえ、フォレス」


沈黙を打ち破ったのは日本の声。


「…なんだい?」


「賭けをしてみない?」


…賭け…それは前回イカサマをしようとして日本達に血祭りにあげられた記憶が脳裏に甦る…。


「……嫌だ、もう賭けはこりごりだ」


そう呟き珈琲を口にする。


「大丈夫だよ、今回はイカサマなしの勝負だよ」


…イカサマなし、…その言葉に反応する。


「…一応内容にもよる…話しは聞くよ」


珈琲にまた口をつける。


「内容は簡単、君の世界に行く人の内1人がレベルが上がる前に死ぬか、レベルが無事に上がるかって当てるゲーム」


あれだけ自分の世界の住人が大切とか言ってたのにそれはないだろう?


「君が勝ったら何でも1つだけ願いを聞くよ」


ドヤ…まさにその言葉が似合う顔をする…絶対に何かある。


「随分気前がいいね…何か裏がありそうな気がする」


マグカップを置き日本を見る。


「ふふっ、裏なんてないよ…ただ、たまにはそういうパターンもいいんじゃないかな…ってさ」


「……わかった、受けて立つよ。……それで、僕が負けたらどうするんだい?」


構築したデータの中から、リストを確認する。


「そのレベルが上がった子に、スキルと称号をプレゼントしてあげて欲しいんだ」


日本が人の為に賭けをするなんて珍しい…明日は雪でも降るんじゃないか?


「……ふーん。で、そのこの子名前は?」


スクロールをしながら、その子の名前が出るのを待つ。


「…鈴原悠里……今回の事件で死ぬ筈だった子…」


…日本が重々しく口を開いた。


「へー…この子か…何か普通だね。君がそんなに執着するからもっと凄い子かと思ったけど…」


リストに表示された顔写真を見る限り…至って普通の少女である。


「彼女を初めに見たのは…そうだな、10年前くらいかな………不自然なくらい大人引いててびっくりしちゃってさ…………………………で、…………………が……………………だったんだ」


また日本が自分の世界に入ってしまった…マシンガントークを回避するため何か、話題を変えなければ…。


「で、日本…その子の開始地点はどうするの?」


「えっ、ああ、君の好きな場所でいいよ」


「そうすると公平じゃなくなると思うけど…」


「大丈夫、彼女は強いから…僕が保証するよ」


日本は天井を見て微笑む…そして立ち上がりマグカップを置いた。


「遠慮しないで強い所に指定してもいいからね」


ご馳走様…そう言って、日本は部屋を出ていった。


「言われなくたってそうするさ」


僕は迷いなく鈴原とやらの開始地点を、人気がなく町からかなり遠い場所に設置する。


「……ふふっ、僕が勝ったら何にしようかな…」


フォレスがイカサマに気がつくのはもう少し後の事である。



遠い昔は、地球は1人の神様が担当していました。

けれど、地球の規模が大き過ぎて1人では手に終えなくなり今になって国ごとに1人の神様が付くようになりました。

それからは、大きな疫病や飢饉が流行り難くなり現代にまで至ります…。


地球複数神様設定はこんな感じに考えてもらえると助かります。


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