第16章-決意-
矛人とアテナの騒動がおきる少し前
「うーむ、どうしようかしら・・・」
麗奈も聖音と同様先日のコアトリクエとの戦いで、力の無さを痛感していた。
「お兄ちゃんでもダメだった・・・ましてや私なんて何も出来ていないじゃない・・・!」
ただ見ているだけで、手助けすら出来ていなかった自分の情けなさに脱力感すら覚える。
麗奈が今いるここはお城の三階にあるゼウスから寝泊りするために渡された部屋、つまり今は麗奈の部屋である。
ベットの上に大の字で仰向けになりここ4日間悩んでばかり、そろそろ何かしたいこのモヤモヤを晴らしたいそう思ってきた麗奈は一つの考えが頭をよぎる。
「あーーー!よしっ!悩んでても仕方がないわ!」
ばっと起き上がり、頭を掻きながら叫ぶ麗奈。
傍から見れば相当危ない人だが、自分の部屋だし大丈夫なのだろう。
「そうと決まれば準備よ、準備!思い立ったが吉日ってね!」
準備しようと思ったがそもそも自分のものは下界に置いてきたため、支給された服くらいしかないし作ろうと思えば何でも作れる。
だったら今すぐ出ようかと思ったが、とりあえずお兄ちゃんや聖音とゼウス達には伝えようと思い鼻歌交じりに部屋を出る。
「ふんふ〜ん、あ、お兄ちゃんってどこにいるのかしら」
とりあえずお城を歩き回るのは酷な為ゼウスを探す。
とりあえず玉座のところにいけばいいかしら。
そう思いすかさず玉座の間へと向かう。
階段を上り玉座の間へたどり着くと案の定ゼウスがいた。
やっりぃ、ビンゴね!
「あ、ゼウス。ちょっといいかしら」
「おお、何じゃ小娘か」
「その小娘ってのやめなさいよ」
「ワシにとっては小娘同然じゃよ」
「ま、それもそうね」
こんな事で内気になるなんて馬鹿馬鹿しい、いつか見返してやると前向きに捉える。
いつか絶対見返してやるんだから・・・!そのためにはまず旅に出ないといけないわね。
「そうそう、本題なんだけど。」
「ふむ」
「私、旅に出ようと思うの」
「それまた随分思い切ったのぉ・・・。」
「確か狂神の封印が解けるのってあと一週間とちょっとでしょ?なら少し時間あるじゃない?」
「もう決まっとるのか?行く所とか」
「そんなわけないじゃない、行き当たりばったりよ。」
行き先はない、だけども考えなしという訳では無い。
麗奈の考えは一つ、この世界の物質を見て見て見まくるということであった。
「なるほどのぉ、ま、頑張るんじゃよ」
グァッハッハッと大声で笑うゼウス。
当たり前のような顔で行く先が無いなんて言われたらアホらしいと思ってしまうのが普通だ。だがゼウスはそうではなく、行く先はないのだからこそこの世界ではいい旅になると確信していた。
「あ、そうそうゼウス。お兄ちゃんのいるところ教えなさいよ」
「矛人かの?そうじゃのぉ・・・アテナに看病されているらしいが、多分アテナの部屋じゃろう」
「はぁ!?何でアテナの部屋なんかにいるのよ!」
「まあ、まだ寝込んどるらしいし何も無いじゃろうが」
「お兄ちゃんまだ寝てたのね・・・アホらし、叩き起こしてくるわ」
「程々にするんじゃよ」
「あったりまえじゃない?ボッコボコよ」
「一体何が当たり前なんじゃ・・・」
早歩きで出ていく麗奈を少し心配しながらま、なんとかなるじゃろという目で見送るゼウス。
さっきのは冗談だと信じたいが、麗奈の事だから本当にやりそうで怖い。
そう思いながらもゼウスは神様に祈る
「矛人が無事でよければいんじゃが・・・ってワシが神なのか」




