第14章-目覚め-
「んっ・・・・・・。」
目を開けると見知らぬ天井が視界に映り込んだ。
「ここは・・・」
意識がはっきりとしながらもまだ起きたくないため、寝相を変える。
「まてよ・・・こういう時って・・・!?」
独り言を呟きながら矛人は掌の感触を確かめる。
・・・・・・・・・何も無かった。
「くそ!ふざけんな!くそっ!」
逆ギレしながらも体を起こすとさっきまで天井しか映らなかった世界がさらに広がる。
ベットの上・・・か、あいつらには感謝しないとな・・・。
そう思い起こした上半身をまた倒す。
すると視界の左隅に青いの物体があった。
「・・・っ!?」
急に現れたという訳では無いが、突然視界に入ったため驚く矛人。
よく見たら両腕をクロスさせ枕替わりにふて寝するアテナであった。
「すやぁ・・・」
「気持ちよさそうに寝てんな」
再び上半身を起こした矛人は苦笑しながら独り言を呟く。
・・・なんか撫でたい。
突如そういう衝動に駆られる。
どうしてか寝ている姿がまるで小動物のような愛らしいそれに感じてしまうのだ。
自分の欲と戦いながらも負けてしまった矛人はアテナの澄んだ大空のような髪の毛を撫でる。
「んっ・・・んにゃ・・・?」
意識を取り戻したのかそれとも寝言なのか、ふて寝した状態で呟く。
それもまた愛らしい、そう思った矛人はまたも撫でる。
「にへぇ・・・」
寝言なのだろうがヨダレを垂らしながら破顔している。
「気持ちいい・・・のか?」
そう呟きながら矛人は撫でるのを辞める。
「んん・・・。」
「悪い、起こしたか?」
起きてしまったアテナに向けて矛人は問いかける。
それに対しアテナは目をこすりながらも答える。
「い、いえ。大丈夫です。それとなんで撫でるのを辞めたんですか?」
「いつから起きてたんだよ」
「撫で始めた頃です」
どうやらアテナは起きていたようだ。
「それならどうして辞めさせなかったんだよ」
「だ、だって・・・き、気持ちよかったですし・・・?」
辛うじて聞き取れるくらいの音量で頬を赤らめながらも矛人へと答える。
どうやらあれは寝言じゃなく素だったようだ、それはそれでいいのだが。
そして一つの疑問が生まれる。
「俺はどのくらい寝てたんだ?」
「四日です。今は四日目のお昼ですね」
「四日もだと!?」
「ずっと看病していて上げたんですから、感謝してください。」
四日も看病させてしまうとは・・・。
罪悪感と同時に有難いという感謝の気持ちが芽生える。
「すまなかったな」
「謝るのはいいです、感謝の形としてもう少し撫でてください。そうしてくれれば許してあげます」
「お、おう。わかった」
頬を赤らめながらも訴えるアテナ。それに対し断ったら行けないなーなんて思いつつ遠慮2割、嬉嬉として8割の気持ちでアテナの頭に再び手を置く。
「ふふっ・・・へへぇ・・・」
余程撫でられるのが気持ちいいのか顔を綻ばす。
1分位だろうか、ちょっとこれ以上やると我慢出来なくなりそうだ
「・・・な、なぁやめないか?そろそろ」
「なんでです?何かあるんですか?」
「いや、まあ」
理由を言えるわけもなくきちんと答えれないが、なんというかその。
耐えられない
羞恥などはどうでもいい、きちんと伝えよう!
「ちょっと変な気持ちになってきたからもう辞めよう、うんそうしよう」
「奇遇ですね私もです」
「だよな、よし!んじゃ・・・って、え?」
頭を撫でていた手を止める。
い、今なんとおっしゃいました?
とは聞けず、とりあえずさり気なくさっきのを探ろうとまた言葉を伝えようと決意する。
「ちょっと変な気持ちになって」
「奇遇ですね、私もです」
「・・・え?」
やっぱりさっきのは聞き間違いじゃなかったようだ。
くそう・・・そんな事言われたら俺の理性が・・・!
自分の頭の中で葛藤をしていると、ギシギシとベットの音を鳴らしながらもこちらに這いよってくる。
後ろに逃げよう手をやると、その手に壁の感触が伝わる。
「大丈夫です、全て私にゆだねてください・・・。」
気づいたら俺はアテナに押し倒されるような形になっていた。
も、もうどうにでもなれっ!
すべてを受け入れようと目を瞑り、身を委ねるとアテナが矛人に優しく言う。
「大丈夫です、目を開けて・・・?」
アテナの唇が段々と近づいてくる。
「優しくして・・・?」
「えぇ」
頬を赤らめながらいつしか俺はそんな事を口走っていた。
逆だろ普通!などと思いながらもまた目を瞑る。
そんな時であった
バタンッ!
「こらバカ兄貴ぃ!そろそろ起きなさいよね!いつまで寝てんのよ!・・・ッ!?」
昼でありながらも窓から入る陽の光を乱反射させるその銀髪はとても綺麗であった。




