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第25話The familiar black stones(魔黒石)

「紅、大丈夫なのか?」


紅が一瞬ためらったあと「大丈夫だよ」と言ってきた。紅は極力人の前では話さないようにしている。


「そこにいるのは紅かぁ?」


陽じいさんが俺の見てた方向を向きながら言った。陽じいさんも紅のことは見えないらしい。


「陽じいさん、紅のことを知ってるのか?」

「もちろんじゃ、え~と、たしかロングの巨乳だったかのぉ」

「それはあんたの好みだろうがぁ!」


紅が怒りながら陽じいさんに飛びついたが紅は陽じいさんを通り抜けてしまった。


「確かに、紅の言動から知り合いって分かった。そんじゃあ、なんで髪が赤くなってんだ?」

「それが普通の容姿じゃ」


ということは、本来紅は瞳と髪も赤いのか。じろじろ紅を見てると、紅は頬も赤くして目を背けてきた。


「なんで、目をそらすんだよ」

「いいじゃん、別に」


そのまま、無視をされた。


「よく話が分からないんですが…」


静香先輩が片手を上げながら、小さい声で言ってきた。


「静香先輩は気にしなくてもいいよ」

「………分かりました」


静香先輩は少し不満げに言ってきた。


「陰も元気になってきたしのぉ、戦いにいくかのぉ」

「戦いにいくって陽じいさんは何の事か知ってんのかよ」

「知らん」

「はぁ、魔黒石って知ってるか?」


俺が魔黒石という言葉を言った瞬間陽じいさんの顔が真剣になった。


「魔黒石か……早よいかないとのぉ」


陽じいさんはいつもより声のトーンをさげて言った。


「魔黒石のこと知ってんのかよ」

「もちろんじゃ、魔黒石は二段階の解放があってのぉ、一段階目は食糧をとるとなってのぉ二段階目は時間が必要なんじゃが、もう時間がないみたいじゃ」

「二段階目の解放!?なんだよ、それ」

「魔黒石の真の恐ろしさは二段階目の解放後なんじゃ。二段階目の解放が終わると魔黒石は人型になってのぉ、周りの人を喰らっていくんじゃ」

「お父様はそのことを知らないはずです」

「なんでじゃ?」

「お父様は魔黒石についてよく話してくれるんです。その話の中には二段階目の解放のことはありませんでした」

「それじゃあ、源三郎も危ねぇってことか」

「そうなるのぉ」

「はやく、お父様に知らせないと」


静香先輩が立ち上がり、玄関に向かおうとするが陽じいさんに腕を掴まれた。


「離してください!一刻もはやく行かないと…」

「大丈夫じゃ。魔黒石の二段階目の解放は夜の十二時きっかりにおこなわれるんじゃ」


今の時刻は夜の十時。


「なおさら、はやく行かないといけないじゃないですか!」

「まぁまぁ、落ち着くんじゃ。二段階目の解放の十分前に魔黒石の力がなくなるんじゃ。だからのぉ、その時に取り上げにいくんじゃ」


静香先輩は少し考えた後「分かりました」と言った。


そのあとは魔黒石について話を聞いていた。



∇▲∇▲∇



時刻は夜の十一時三十分になった。


「そろそろ、いくかのぉ」


陽じいさんが重い腰をあげ、立ち上がる。


「俺も……行くぞ…」


龍刃先輩が布団からでて、肩をおさえながら言った。


「そんな傷では無理だよ」


静香先輩が龍刃先輩にかけより、支えながら言った。


「中々いい子じゃのぉ。いいじゃろぉ」


陽じいさんが龍刃先輩の胸の中心に手を当てると、龍刃先輩の傷が癒えていた。


「ありがとうございます」


龍刃先輩が立ち上がって、丁寧にお辞儀をしながら言った。


「それじゃあ、いくかのぉ」


俺たち四人は源三郎の元へと向かった。

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