第49話 私と私のキャンペーン(4)
私の手番。
山札から引いた手札は『正気の沙汰でないっ(勝機のサタデーナイト)』
『バニラ』だけに効果を発揮する手札。
老人の私も既に引いて開示している。
土曜の夜にだけ使用できる暴走効果。
コストとターンを無視して、誰かが使えば開示済の全プレイヤーが一斉に暴走を始める。
コスト消費なしに必要コストを無視して階梯を駆け上がる代償に『バニラ』カードが背負う頓死判定に2回挑戦しなければならなくなる。
日は沈んだ。
私が『与吉』の物語を進めて、そうしたら、この嬉しくて悲しかった一時も御終いだ。
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『愛して殺す印地打ち #9改』
名前 与吉
年齢 34
特技
印地打ち
投石の名手であり、投石紐を使用すれば防具を身に着けた相手の殺傷も可能。投石紐がなければ、手ぬぐいなどの代用品で同様の成果を得ることが出来る。
境遇
自己の投石の腕前を過信していた。
過酷な放浪生活による衰えもあった。
戦場で殺し合いの経験をしているので、熊を相手にしても恐れることは無かったが、子連れの母熊の底力には理解がなかった。
拳大の石が、うなりをあげて頭に命中したというのに、母熊は倒れることなく爪をふるい、与吉は左目を引き裂かれ、右の鎖骨をへし折られた。
転がり逃げた与吉が左手で石を掴み取る前に、噛みつかれ、振り回されて何度も地面に叩きつけられた。
血を吐いた。
あばら骨が折れて、臓腑を突き破っていた。
与吉が、自分の終わり方は、こういうものなのだなと思った時、白い塊が母熊の横っ面に飛びついた。
白狼だった。
撃ち殺してやろうかと思えば姿を消し、イノシシやシカを撃ち殺すとフラリと現れて、獲物の腹を食い破って臓物を食ってしまう強かなやつだった。
相変わらず、情は湧かなかったが、撃ち殺す気も起きなくなって、ずっと一緒に旅をしていた。
熊の気配がし始めてからは尻尾を股に挟んで怯えていたというのに、どうして、今になって、熊に噛みついているのか、全く、意味が分からない。
さっさと逃げれば良いものを。
そうして与吉は、もしも息子が今この場に居たならば一体どう言うだろうかと考えて、そんなこと、息子に会って聞いてみなければ分からないことだと独り言ちて目を閉じた。
特記
犬の物真似の優勢判定を受けたプレイヤーから飲食物の提供を受けたプレイヤーはGMに噛みつかなければならない。飲食物の提供を受けたプレイヤーはGMへの噛みつきを拒否して退席する権利がある。GMには噛みつかれることを拒否する権利があるが、この権利を行使したGMは、その日から3年間、プレイヤーとして物語に参加する権利を失い、GMに専念しなければならない。
※噛みつきのロールプレイに際してGMは、噛みつかれる個所、噛みつきの強度について、プレイヤーと十分に協議すること。噛みつく箇所、噛みつきの強度についてプレイヤーとGMの両者が合意した場合であっても、第三者から不謹慎であるとの指摘が出た場合は誠実に対応する義務がある。
『愛して殺す印地打ち』 Fin




