表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
右や左の国士様  作者: 隣之 芝生


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/62

第46話 私と私のキャンペーン(1)

 老人の私が『教師A』の物語を進める。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『教師Aの道徳 #1』


 私は道徳の授業が許せないの。

 だって、国家権力による大衆の思想教育でしょう?

 何としてでも、この暴虐を粉砕しなければいけないの。

 皆の蒙を啓いてあげなきゃいけないわ。

 あら、いやだ。

 啓蒙じゃなくて啓発って言えですって?

 そんな揚げ足取りをしていたら、私達の分断を目論む当局の思うつぼよ。

 義務教育は啓蒙なの。

 まあ、異論は拝聴するわ。

 でも、その議論は、また今度。

 さあ、道徳の授業を始めましょう。


『タロウとジロウのおやつ』

 たっぷりと薪をくべられた暖炉の前で人間がタロウとジロウに言いました。

 今日のおやつはプリンだよ。

 タロウとジロウの前には大きなプリンと小さなプリンが一つずつ。

 人間はタロウとジロウに向かって何やら得意気に語り始めました。

「さあ、ここで考えて欲しい。タロウは身体が大きくて、ジロウは小さいから、大きなプリンをタロウが食べて、小さなプリンをジロウが食べたらいいと思うかな。それともタロウはお兄ちゃんだから小さなプリンで我慢して、弟のジロウに大きなプリンを食べさせてあげるかな。いや、大きなプリンと小さなプリン、それぞれ半分に切り分けて、平等に半分ずつ食べることもできるよね。どう思う? 他にも何か良い考えがあるかもしれないから話し合ってみよう」

「ぺっ」と唾を吐く音がしました。

「まったく唾棄すべき人間どもよ、なあ同志ジロウ」

「そのとおりだ、同志タロウ」

 タロウとジロウは立ち上がり、ヘルメットをかぶって、タオルで顔を隠しました。タロウの手には角材が、ジロウの手には火炎瓶が握られています。

「わずかなプリンで我ら労働者を争わせ、その隙にお前たち資本家は、好きなだけプリンを貪り食っているのだろう」

 タロウが人間の頭めがけて角材をフルスイングします。

「我らが飢えと寒さを耐え忍んでいる間、お前たちは暖炉で薪を贅沢に燃やしながら湯水のようにプリンを飲み下していたのだろう」

 ジロウが暖炉に火炎瓶を投げ込み、炎が部屋へ噴き出しました。

 肥え太った醜き資本家どもよ。鎖につながれたまま、飢えと寒さの中で息絶えていった労働者の怒りと憎しみを思い知るがいい。

 頭から血を流しながら人間は逃げ出して行きました。

 見よ、東方の暁を。

 革命の火の手は上がったのだ。

 我らの願いは、ただ一つ。労働者大衆による労働者の国の建設である。


 翌日、子どもが持ち帰った道徳の授業のプリントを見た保護者達から学校に多くの抗議が寄せられた。「もっと平易な言葉を使うべきだった」との担当教諭のコメントにより、この騒動は更に拡大した。

 教師Aの戦いは、まだ始まったばかりだ!


名前 教師Aとくめい

年齢 23

特技

転び公妨返し

 任意の職務質問に応じない要注意人物を拘束するため、公安部門の刑事が、要注意人物に押されて転んだ風を装って、公務執行妨害の容疑で要注意人物を逮捕する手口の俗称が『転び公務執行妨害』、略して転び公妨です。教師Aさんは合気道を嗜んでいるので、相手の倒れようとする力を利用して、自分が倒れ、相手を立たせるという技を編み出しました。教師Aさんにはインテリゲンチャのお友達が沢山いるので、転んだ時に出来たかすり傷でも全治数か月の診断書を書いて貰えます。法廷闘争のために弁護団を結成するのも、お茶の子さいさいです。


境遇

 資産家の生まれ。元々の素質に加えて環境も恵まれていたので、余裕で最高学府に入学したが、何事も勉強だと社会経験を積むつもりで入った寮が、ちょっとアレな巣窟で、色々と衝撃を受けた結果、不労所得で優雅に暮らしてきた自分と家族を恥じるようになり、暴力革命に身を捧げる決意をした。未来の同志を増やすため小学校教諭になり、思想教育に心血を注いでいる。


特記

 犬の物真似をしたことのあるプレイヤーは、この victim が規定位置に進む都度、この victim を使用するプレイヤーから提供されるプリンを食べなければならない。提供するプリンが無い又は無くなった場合及び該当プレイヤーがプリンを食べることを拒否した場合、当該プレイヤーは角材で頭を叩かれなければならない。

※該当プレイヤーには角材で頭を叩かれる前に退席する権利があるので確認すること。任意のプレイヤーが「権力者に飼われる犬め!」と宣言して「転び公妨返し」に挑戦し成功(1D≧2)すると、犬の物真似をしたことのないプレイヤーにも上記ルールを適用することとするので、度を過ぎて、食べ物で遊んだり、暴力を振るったりするのはやめましょう。


1D1~2 教師Aの道徳 #2 へ物語は続く

1D3~4 教師Aの道徳 #3 へ物語は続く

1D5~6 教師Aの道徳 #4 へ物語は続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ