エピローグ
佐倉くんを屋敷に運びこんでから、もう数時間。
佐倉くんはまだ目を覚まさなかった。
騎士団長からの知らせでは、今日ダンジョンから帰って来ていない人物は、高田、高良、高崎の三人のみ。
部屋に日比谷くんが入ってくる。
「渡辺さん、もう深夜の二時だよ。寝たほうがいいんじゃない…?」
申し訳なさそうに日比谷が言う。
「もう、そんな時間だったのね。…でもまだ起きるから、日比谷くんは寝てて」
私があのとき止めていれば、もっと抵抗していれば、佐倉くんはこんなことにはならなかったのだ。
だから、まだ…寝てはいけないのだ。
「………」
日比谷くんが私の隣に座る。
「だから、寝ててって…」
「僕が起きていると悪い理由なんて無いだろう?」
「……」
こうして日比谷くんも、佐倉くんがおきるまで待つことになった。
「…渡辺さん」
「何…?」
「一人じゃ抱え込めないものもあるんだから、辛いときは僕にでも頼ってくれると嬉しい」
「…ありがとう」
───
──
─
魔王城の一室。ここで今魔王軍部隊長会議が行われていた。
「第十三部隊隊長マリア・ライリーン、異常無シ」
「それでは、これにて第五百六十二回魔王軍部隊長会議を終わりに…」
終わりにする、そう第一部隊長カンデラリア・ジェイラスが言おうとしたそのとき、意義が唱えられた。
「ちょっと待った。ライリーン、異常がないってのは無いだろう?人間から逃げ帰ってきた癖して」
ニヤニヤと第六部隊長ジマドロが口角を上げる。
「チッ」
「人間如きに負けるような奴なんて部隊に要らない…いや、魔王軍に要らないと思いま~す」
「何?!フザケルナ!私h」
「分かった、では今日限りでライリーンは魔王軍を追放とする」
「マ、待ッ」
「其れでは解散」
「「お疲れ様でした」」
「いや~、運が悪かったねぇライリーン」
「貴様!」
「ん?何だね?何か文句でも?」
「…イズレ殺ス」
「望むところだ」
こうして、魔王軍第十三部隊隊長は魔王軍から追放された。
これにて一旦終了です。多分気が向いたら続けます。




