↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
再会初恋~絶対オトす~  作者: 阿衣真衣


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/14

迎えに来たよ

―暁翔Side


成人式後のパーティー、男子はほとんどがそのままスーツで参加。

振り袖だった女子は、ちょっとしたドレスに着替えて、昼とはまた違う印象。

それに加えて、酒も入っている。


「かっこよくなったね」「美容師って聞いたよ。すごいね。モテてるんじゃない?」

「今度ご飯行かない?飲み会とか」

酒が入っているのと、非日常な雰囲気に気持ちが開放的になっているのか、中学時代は全く交流がなかった奴らも話しかけてくる。

(はぁ~ ウザ絡みされるし、俺の容姿と職で近づいてくるだけだしつまんねぇ~)

しばらく一人になりたいと、端の方で座っていると涼子(りょうこ)の話が聞こえた。


「涼子もこっち来たらよかったのにね」

(まったくだ)

「高校のって言ってたけど、あれ?そういえば、涼子と同じ高校じゃなかった?」

「そうだよ~。 高校っていっても全体じゃなくて、クラス会。 私は明日がクラス会だから」

「クラス会か。…もしかして涼子、好きだった人がいるとか?」

「さぁ~…そんな話聞かなかったけど、案外そうかもね」


その話を聞いた瞬間、胸のあたりがムカムカした。

(なんだそれ。今すぐ、連絡して……って、交換するの忘れてた! 最悪。今何時だ?)

19時32分。涼子の言ってた居酒屋は、ここから歩いて20分くらいだったな…。終わるの20時って言ってたし……

(よし!)


「悪い、俺ちょっと用事済ませてくるわ」

「暁翔(あきと)!? もう帰るのか? 二次会は?」

「え? もう帰っちゃうの?」

「悪い。行けたら顔だけでも出すから。じゃ」

そう言って会場を出る。


20時に終わってすぐに帰るはずはないから、別に走らなくても十分間に合うけど、気持ちが高ぶっているからか、自然と駆け足で向かっていた。




―涼子Side


「みんな、今日は集まってくれてありがとう。ではまた、何かあったら集まりましょう! おつかれさま~」

楽しかったクラス会もお開きに。

「楽しかったね~」「涼子大丈夫?眠そうだけど」

「大丈夫!楽しくてふわふわしてる」

普段は飲まないけど、みんなにつられて飲んだ。そのせいか、ふわふわ楽しいけど眠いという複雑な状態に。

(これが酔うってことか…。めっちゃ眠い…)


出口に向かうと、お店の前で何人かの女子が騒いでいた。

「ねぇ、めっちゃイケメンがいるんだけど」「ヤンチャ系のイケメンって感じの!」

(みんなイケメン好きだね~)

一緒にいた友だちが「見に行こ!」とグイグイ私を引っ張る。


「青井、このあと何人かで飲みに行くんだけど行く?」

「(さらに飲むとか考えられない…)あ…私は―」

断ろうとすると、「涼子!」といきなり名前を呼ばれた。

どこか聞き覚えのある声。

(昨日もこんな風に呼ばれたな~……?)


ぼんやりしながら周りを見ると、目の前にあった人だかりがサーッと左右に割れ、正面に知っている人が現れた。

「!暁翔、何でここにいるの?」

思わぬ人物の登場に、眠気が吹っ飛んだ。

「迎えに来たよ」

?(意味が分からない)

なぜか目の前で嬉しそうにニコニコ笑う暁翔。


「ねぇ、涼子の知り合い?」「もしかして彼氏?」

チラチラと柊斗の顔を見ながら興味津々と目を輝かせる女の子たち。

「小中一緒なだけで彼氏じゃないよ」

「でも、迎えに来たって…」

「それは、私にも意味が分からないけど……」

そう話していると、いきなり頭の上に重さを感じた。

「中学のパーティー行ってたんだけど、思ったよりつまらなくて、適当に歩いてたらここについてさぁ~」

後ろから肩に手を置き、頭に顎を乗せた状態で話す暁翔。

(重い。人の頭の上で話すな…)


「「キャー!」」

みんな酔っているのか、テンションが異常に高くて、暁翔の行動に歓声を上げていた。

わぁーみんな元気。と思いながら、さっきの暁翔の話を思い出す。

会わないようにするために、私からクラス会の時間と場所を聞いていたはず。それなのにここに来たってことは、やっぱり……

「ちょっと……もしかして、私の高校の友だち狙ってる?」

みんなに聞こえないように、小声で話す。


すると、「そうだったら、どうする?」とニコッと意味深な笑みを浮かべて答えた。

「「キャー!」」

アイドルにでも会ったのかなと思うほど、みんなのはしゃぎ方がすごい。

「はぁー…」(まあ、みんな大人だし、自分のことは自分で責任持つでしょ)


「青井、さっきの話だけど…」

飲み会に誘ってくれた男子が、みんなの間をすり抜けて聞きに来てくれた。

「あっ、ごめん。今日は帰るね」

「わかった。じゃあ、また」

「うん。痛っ…」

女子たちと話をしている暁翔の顎が強めに私の頭に当たった。

(なんなの?)



「ほらぁ~。いつまでもお店の前にいたら迷惑だろ~。二次会参加する人、行くよー」

「「はーい」」

感じのかけ声で、元気よく返事をするみんな。

「そうだ!せっかくだし参加しない?」

暁翔に一番話しかけていた女子が暁翔に声をかけると、みんなも乗り気。


そして、誘われた暁翔は考えるような素振りをした。

(やっぱり、狙ってたか。 私が同級生から恨まれるようなことはしないでね~。よし、帰ろ)

暁翔から抜け出そうと体を前に出すと、グッと掴まれた。

「う~ん。行きたい所だけど別の約束があるから、またね」

「それなら、連絡先だけでも…」

「さあ、帰ろうか!」

暁翔が私の肩を押したまま歩き出した。


「ちょ、よかったの? 連絡先…」

「いいの いいの」

(マジで何しに来たんだ?)




―暁翔Side


そのまま涼子の肩を押して駅まで歩きたかったけど、痛いと言われたので止めた。

別に何を話す訳でもないけど、一緒にいて楽しい。

「……パーティー、楽しくなかったの?」

「思ってたより。そっちは?楽しかった?」

「楽しかったよ。みんなで高校の時の思い出話とかして、あと―」


楽しそうに飲み会の話をする涼子を見るとモヤモヤした。

(飲み会の時、どんな感じだったんだろ…。飲みに誘ってたあいつとは、ただのクラスメイトだった?)

「―…好きな人いたの?」

(また声に出してた…。あぁ、聞こえていませんように…)


「いないけど」

そう答える顔は、俺を見て不思議そうにしてる。

「……そうなの?」

「そうだけど。何で急にそんな話になるの?」

「いや…クラス会に行ったのは好きな人がいるから…みたいなこと聞いて…」


「? なんでそんな話になってるか知らないけど、違うよ」

「じゃあ、何でこっち選ばなかったんだよ…」

「それは、中学の同級生とは成人式で会えるし、パーティーより居酒屋でのクラス会の方が、安いし気軽に参加出来るから。ほら、ドレス買ったり、髪セットしたり大変じゃん?」


「(なんだ…そんな理由か…)はぁ~…」

「大丈夫?気分悪い?座る?」

「大丈夫。ほら、来たぞ」

電車が来て、二人で並んで座る。

(まさか、こんなことになるとはな……)

自分でもよく分からないけど、昨日、涼子に会ってから気付くと考えているし、他の男と話していると苛つくし、パーティー抜け出して居酒屋行くし…


成人式の片づけでも、本当は一緒にやって、重いものとか持って「すごい」「ありがとう」って言われたかった。

足袋で滑りそうなところ支えたかったし……

ったく、振り袖着てるんだから、片づけは男に任せればよかっただろ。 男だってそれくらい大目にみるっつーの!

何で他の女子みたいに俺と写真撮るんじゃなくて…まじで変わらないな…。


言われ慣れてる「かっこいい」も涼子に言われると、何か恥ずいし。

てか勘違い多くね? 酔ったと思われたし、かわいいって言ったのも写真に対してだと思ってたし、迎えに来たって言ってんのに、他の子狙ってるとか… 

(何でこんな振り回されるんだろ)


「何?」

「ん?何が?」

「髪、何で触ってんの?」

見ると、無意識のうちに涼子の髪を自分の指にくるくると巻いていた。

「……あー…職業病?」

「何それ?」

「俺、美容師なんだよね~。高校は美容師になれるところ行ってさ~」

「すごいね! 美容師か~。大変そうだけど頑張ってるんだ」


ドキドキ…ドキドキ…

美容師って言って、すごいなんて今日たくさん言われたのに、涼子に言われるのは全然違った。

(これって、あれか? マジで…?)


嬉しかった理由、恥ずかしかった理由、苛立った理由、楽しい理由、つまらなかった理由…

全部が繋がった―


「それで?こうしてると落ち着くわけ?」

「……え?あっ、うん」

「仕方ない。あと1分だけ許す」



ー涼子Side


「ふぁ~」

お酒が入って電車に揺られたからか、駅に着くと急に眠気が襲ってきた。

(家に着いたらお風呂入って、髪乾かして…)


「眠いの?」

隣を歩いている暁翔が覗き込むように聞いてくる。

「飲んだら眠くなるんだね…。普段飲まないから余計に来てる」

「おぶってあげようか?」

優しく耳元で言われてゾワッとした。


「! 今ので一気に目が覚めた!」

「ざ~んねん」

仕掛けた悪戯が成功して喜んでいる子どものように笑う暁翔の横顔を見て、子どもっぽいけど、大人になったな~と思った。

どっちなの?って感じだけど…

「なに?そんなに人の顔見て?かっこいいなぁって思った?」

「そうじゃなくて、大きくなったな~って」

「親戚かよ」


「ほら、中学まではどっちかって言うと、可愛い系だったじゃん? 

 それが背もこんなに伸びて、骨格も男って感じでさ。大人だな~って」

「涼子はあんまり変わらないね」

「みんなにそれ言われた。見た目も中身も変わらないねって。変わったのは、化粧してるぐらいかも」


「かわいい」

「? あはは ありがと。お世辞でも嬉しいもんだね」

「振り袖も似合ってて可愛かったし、今の格好もかわいい。振り袖で一生懸命片づけしてるところも可愛かったよ」

「―……(また急に何を言い出すかと思えば)相当酔ってるね」

「そんな飲んでないよ~」


…なんだ?この空気は…ムズムズする。ブルッ

「寒い?」

「大丈夫。中学の二次会行くでしょ? 時間大丈夫?」

(この空気から早く抜け出したい)


「大丈夫。二次会は昨日の店だから。涼子も来る?」

「ううん。もう眠い」

「そっか…。ねぇ、連絡先交換しない?」

「何で?連絡することないと思うけど…」

「飲みに行ってみたい!」

(う~ん… どうするべきか…)


「交換しなかったら全体ラインで送るから。みんなにメッセージ見せて、断れないようにする」

「!? ちょっ…(暁翔なら本気でやりそう)わかった…。でも、行けるか分かんないよ?」

「行けるまで誘うから」

(もう早く帰りたいし、交換したら満足するでしょ。誘うかも分かんないし。でも、本当に誘われたら……その時考えるか)

こうして暁翔と連絡先を交換した。


「サンキュー。そうだ!」

そう言って暁翔が私の肩に手を回した瞬間―カシャ 

「……はい?」

「おっ!意外と良い感じに撮れてる。ほら」

見せられた画面には、バッチリ笑顔の暁翔と、驚いている私の顔。最悪すぎる。

「肖像権の侵害。消して」

「無理無理。後で送るね~」

(こういう所はマジで変わらないな…)


結局、写真は消してもらえず。私も面倒くさいと思うのが勝ってしまい諦めた。

「じゃあ、私こっちだから。送ってくれてありがと」

「どういたしまして。って、俺が勝手にやっただけだけどね」

「まあ、それでも送ってくれたことに変わりないから」

「じゃあ、予定合ったら飲みに行こうね」

「……あぁ、うん」

(なんか、ずっと暁翔に巻き込まれた感じがする。 面白くない)


「ねえ!一個お願いがあるんだけど」

「なに?」

「スーツ、ちゃんと着てみて!」

「は!?なんで?」

「う~ん…さっき勝手に写真撮られたから? ちゃんと着たの見てみたい! そして、それを写真に撮る!」

何かないかと考えた結果、これしか思い浮かばなかった。


「……それやれば、満足するの?」

「ん~…多分?」

ため息をつきながら、着崩していたスーツを整える暁翔。

「これでいい?」

「おお!」

ビシッと着ると、また雰囲気がガラッと変わった。

(高級な店の新人ホストみたい。見たことないから想像だけど)


「なんか恥ずいから早くしてよ」

「はいはい」

笑いを堪えながら写真を撮る。

私が写真を撮ると、暁翔はすぐにネクタイを緩めた。

「ありがと。これで妹も喜ぶよ」

「なんで?」


「うちの妹、暁翔の顔が好きで、成人式で写真撮れたら撮ってってお願いされてたの。

 まあ、撮れなくてもみんなが載せる写真見せれば満足するかな~って思ってたんだけど、これは、大満足だと思う!ありがと」

「―んだよ…それなら言ってくれればよかったのに……」

「? 何か言った?」

「別に」と暁翔が言うと着信が鳴り、電話の向こうから騒いでる声が聞こえた。


(暁翔とこんなに話すとは……思ったより酔ってるのかも…)

「じゃあ、俺行ってくる」

「うん。いろいろありがとね。気を付けて~」

「そっちも…おやすみ」

「おやすみ」


家に帰ると、写真を楽しみにしていた妹にスマホを強奪され、私はお風呂へ。

「涼ちゃん!何これ! 暁翔さんから、ライン来てツーショット送られて来たけど!?」

お風呂から上がると、妹がものすごく驚いた顔でスマホを見せてきた。

(人のライン勝手に見るなよ…)

「あぁ~なんか流れで?そうなった」

「詳しく!」

(眠いのに…)

妹に体を揺さぶられ、経緯を説明。

「…何それ、少女漫画かよ!」


私は力尽きた……




―暁翔Side


「暁翔~。用事は終わったか?」

店に着くと、もう二次会は始まっていた。みんなかなり酔っている。

「途中で抜けて悪かったな」

さっきのことを思い出すとニヤけてしまう。


「…なんか、暁翔嬉しそうじゃね?」

酔ってるくせに感が鋭いやつ……

「何があったんだよ~」「女か?パーティー抜けて女と会ってたんか?」

その話を無視して、涼子と高校が同じだった女子に話しかけた。

「ねぇ、涼子と同じ高校だったよね? あいつ高校の時、彼氏とかいた?」

「え、なぁに? 暁翔、涼子のこと気になるの?」「あんな真面目な子に手出したら可哀想でしょ~」

(こいつらにバレたら面倒そうだな)


「そうじゃなくて、途中で涼子がクラス会してるところ見かけて…で?どうなの?」

「いなかったと思うけど…」

「三年間、一度も? 告白とかも?」(マジで?)

「暁翔~なぁに必死になってんの?」「そんな気になる?」

(あっぶね。いくらこいつらが酔ってるとはいえ、覚えてたら厄介だな)

「うん。聞いたことないけど」

「そっか、サンキュー」


聞きたいこと聞けたし、帰ろうかと思っていると

ピロンと通知音が鳴った。

〈写真ありがとう。妹が喜んでた〉

「お?彼女からラインか?」

「違ぇよ」

「そんなニヤついて、彼女じゃないわけないだろ! 写真くらいあるだろ~見せろよ!」

(だいぶ酔ってるな…。いつも以上にウザい)


「悪いけど俺やっぱ帰るわ。明日、仕事あるし」

「ええー来たばっかじゃん! 飲んでけよ~。 ほら!」

差し出されたビールを一気飲みする。

ガンッ 「じゃあ、帰るわ」

ビール代を置いて、店を出る。後ろから引き留めようとする声が聞こえたが、知らん。

この良い気分のまま帰りたい。


――さて、どうやってあの鈍感女を落とすか…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。