表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/38

これって希望の光?

江良たちが作った図書館は、

平屋の一軒家に見えて、内部は体育館ほどの広さだった。


そこには、100年間かかっても

読み切れない書物が所狭しと、収められている。


その中で俺がまず手に取ったのは、一番古そうな本だった。



「あ、それね。今からちょうど3万年ぐらいまえの本かしら。

 一番古い本だから、ページをめくる時に気を付けてね。

 あの子、コレクションを汚すとうるさいのよ」


古いとは思っていたが、まさか俺が知る世界で一番古い本を

手に取ってしまったとは。

なるべく手を触れないようにして、ページをめくっていった。


ちょ、ちょっと待て。

この本の最初に、殴り書きで落書きされているぞ。


『ゼノン、ぶっ飛ばす。ミア、最強』


「なんだこりゃ?」


「あぁ、それミアが書いたのよ。

 他人にはうるさいくせにね。

 その意味は、本を読めば分かるわ」


わがまま女神は、3万年前から性格が変わっていないらしい。

俺は慣れっこだから無視無視。中身を読み始めよう。



最古の本によると、太古の世界では神のほか、巨人族とヒト族が存在していた。


最初は双方共に仲良く暮らしていたが、

徐々に力の強い巨人族が、ヒトを支配し始めた。


巨人は神に似せて作られたため遊び好きで働かない。そして賭け事が大好きだ。


ヒトは、巨人の代わりに働き、

時には、巨人の賭けの対象として、

ヒト同士で殺し合いをさせられた。


戦士だけではなく、女性同士、

最後には親子、兄弟までが賭けのデスゲームに

引きずりだされた。


そんな中、ヒト族の中で反逆者のグループが現れる。

グループのリーダーは、神の加護者で、

巨人と同等、それ以上の力を持っていた。


やがてヒト族は結束し独立国を建立。

独自の軍隊で、巨人族に対して戦争を挑んだ。


この情報は神界で大きな注目を集めた。


エンタメに飢えていた神々にとって、

この戦争は、これ以上ないイベントだったからだ。


どちらが勝つか?賭けが始まり、

盛り上がりを見せる神界。


仕切り屋のゼノンは、さらにイベントを盛り上げるため、

神がこの戦いに介入することを禁止した。


かけ率は9対1、巨人が圧倒的に有利だった。


しかし、開戦してみると知恵に勝るヒトが勝利を重ねていく。


あともう少しでヒトの完全勝利、という目前で、

突然、ヒトのリーダーが不審な死を遂げてしまう。


じわじわと盛り返しを見せる巨人たち。


戦いは、やがて長期戦になる。

長期戦になると食料が命だ。


怠け癖が強い巨人は食糧調達をサボり、

戦いが終わると酒を飲んで遊び続けた。

そのため、じわじわと食料が枯渇し、

餓死のため全滅していった。


ヒト族は、戦わずして勝利した。

しかし、彼らには1つ大きな疑問が残った。


リーダーは巨人よりも強かった。

巨人に負けるはずがない。


そうなるとリーダーを殺した犯人は神だ。


神に疑念を持ったヒトたちは、

リーダーの仇を取るため神界へ進軍を始めた。


これに対し、神界の王ゼノンは怒り狂った。

軍隊を瞬殺すると、彼らの世界を数度にわたり

灼熱の炎と極寒の氷で包み、全てを滅してしまった。




「3万年前にも、俺と同じ加護者がいたんですね」


「それミアの加護者よ。当時は大変だったんだから」


ユラが書物整理の手を止めて答える。


「え、そうなんですか?

 昔から、あいつ、いろいろ やらかしていたんですね」


「そうね。その時は自分の加護者をルチアって神に暗殺されたから

 かなりキレたのよ」


「なんで加護者は暗殺されたのですか?」


「ルチアは、自分を信仰してくれる巨人族が負けそうだったのが

 悔しかったんじゃないかしら?」


「でも、それはルール違反ですよね。

 江良は自分の物に手を出されるのを嫌がるからなー」


「そうなのよ。

 だから、ルチアに決闘を申し込んで彼女を消し飛ばしたわ」


確かにオタクを怒らせると怖い。

あっちゃんも、勝手にフィギアをいじるとキレるもんな。


それより…。


「神同士で決闘とかやるんですか?」


「いいえ。前代未聞よ。後にも先にも聞いたことがないわ。

 しかも死なないはずの神が跡形もなく消されてしまったの。

 この時、神は全員が震えあがったわ」


「問題にならなかったんですか?」


「当然なったわよ。特にうちのバカ兄貴がミアにビビッて、

 ヒトに八つ当たりしたの。

 別にヒトが攻めてきても簡単に跳ね返せるし、

 全滅までさせることないじゃない?」


「じゃあ、ヒトが滅ぼされたのは…」


「ミアに対する八つ当たりよ」


「それはひどい、神としての威厳はないのかよ」

「あっすみません、お兄さんですよね。」


「構わないわ。本当に気が小さいんだから」


ユラは、ハーブティーを一口飲み、ため息をついた。

やはり神でも家族を悪く言われると傷つくのだろう。。。



「以前、江良から『ゼノンと喧嘩したことがある』と聞いたことがあります」


「きっと、この時のことよ。

 ミアは神全員に『ゼノンの奴、ボコってやる』とエーテル通信を出したの。

 しばらく兄貴は部屋に閉じこもったわ。私、何度も食事を運んだもの。」


「ゼノン、なんだか可哀そうに思えてきました」


「いいのよ、あんなの。

 だって、その時、自分では動かずに神の軍隊をミア1人のために

 送り込んだのよ。ズルいわよね。」

「あっ、クッキー食べる?」


ユラはお茶とクッキーを交互に口に運びながら

説明を続けてくれた。


「大丈夫です。それでどうなったのですか?」


「ミアが勝ったわよ。本当に無敵よね。

 そして、次に送り込まれた神界の勇者達もミアに敗れたの。」


「・・・」


あいつ、ただの“たこ焼き”オタクかと思っていたが、

そんな強かったのか。どうりで三条やフレッダが憧れる訳だ。


「さすがに、そこまでいくと兄貴も戦場に出るしかなくなったわ」


「この流れだと、江良が勝っちゃったりしたんですか?」


「ミアが勝ったわ。兄貴が降参したの。

 その時に戦闘狂なんて、変なあだながついたのよね」


「あ、聞いたことがあります」


ユラの話は、本に書いていないことばかりだ。


それから、ゼノンと江良の間で

【1000年に1度リセットがおこなう】、

【眷族を新たに作り、ヒトの観察をおこなう】

以上が決められたことを知った。


つまり、リセットの原因の1つは江良にあったのだ。

どうりで、リセットの話になると江良が消極的なはずだ。

今回もユラに丸投げである。



「ヒカルくん、兄貴のリセットを止めたいのよね。

 例えミアの加護者でも、今のヒカルくんでは力が足りないわ」


「やはり、ゼノンと戦わなければいけないのでしょうか?」


「バカね。ヒトが神には勝てないわ。

 さっき話したのは、ミアだからできたのよ」


「それじゃ、どうしたら良いのでしょうか?」


「まず、3つの眷属を全部やっつけなさい。

 そうしたら、神界の準市民権が得られるわ」


「準市民権?」



「そうよ。神界の準市民権を手に入れたら、神々と交渉ができるの。

 もし、ヒカルくんが神界で、【リセット反対】の署名を10枚手に入れたら、

 兄貴も無視できないわ」


( 俺の取るべき道が見えた! )


「ユラさん、ありがとうございます。これで何とかなりそうです」


「でも、ヒカルくん、3つの眷族を倒して、神界で署名をそろえるには

 3年じゃ短すぎるわ」


「どれくらいかかるものなのですか?」


「せめて、500年はないと無理ね。

 タイムリープができれば、可能性があるのだけど…

 まさかミアじゃあるまいしね」


「・・・」


『それ、持ってます』とは言えない。


江良から、タイムリープ能力を持っていることは

自分以外に口外するなと止められている。


まずは3つの眷族を倒すことだ。

相手は、三条やフレッダ、カレンの上司、

つまり3種族のNo1だ。


今のままでは、三条にすら勝てない。

ここに何か成長のきっかけになるヒントがあるはずだ。


俺は、身体強化、魔術強化の本を探した。

そして、それらしい本を探し当てた。


タイトルは、「エーテルと私」という本だ。

筆者は小さく(手島カレン)と書かれてあった。

゜*。,。*゜*。,。*゜*。,。*゜*。,


今回もお読み頂きありがとうございます。


下にある広告をさらに下へスクロールすると☆☆☆☆☆が並んでいます。

その☆や「ブックマーク」で応援して貰えると凄く嬉しいです。(*'▽')

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ