40 海に行くそうです
今回は、先に進まずに50階層で食材の確保をしようと思います。
残っていた材料の半分をリオンさんにあげてしまったので、お屋敷で振舞う分は無くなってしまったのです。
アイリ先生がどうしても食べたいと駄々をこねるので、キャロの練習も兼ねてしばらく滞在する事にします。
お屋敷の料理長にもまとまった在庫が欲しいとも頼まれてしまったので、日頃からお世話になっていますから、エレーンさんじゃないけど、ダンジョンなら勝手に湧きますし、別に私は約束なんてしていないので、乱獲してしまいましょう!
今回は、エルナはしっかりと勉強に専念してもらおうと置いて行こうとしたら……。
「私だけ1人置いて行くなんて、嫌です! 絶対に一緒に行きます!」
「別にサーベント・スネイクを狩るのとキャロの練習に行くだけですよ? それにあの時もずっと建物の中で勉強をしていただけなので、ここでアイリ先生と一緒に居た方が効率が良いと思いますよ?」
「今日から、私1人で眠るなんて、酷すぎます! それにどれだけ滞在するのか知りませんが1人寂しく勉強なんて、いじめです!」
なぜ、勉強する事がいじめに……。
私と出会うまでは、1人で寝ていたはずなのにおかしいです
「では、カミラも置いて行きますので、仲良くしてて下さいね?」
「私は、シノアが良いのです! それにもう十分に勉強はしていますので、大丈夫です!」
「私では力不足なのですね……」
地味にカミラがいじけてますが……。
「それに前回は、私のお菓子類を一番食べてしまいましたよね? 実は、おやつが無くなったので、切り上げたのですよ?」
「わかりました……シノアがくれた分だけで、我慢します! 絶対に我が儘を言わないので、お願いだから連れて行ってください! 貴女と離れるなんて耐えられないのです……」
普通に聞いていると男女の恋愛関係に聞こえるのですが……対象が私ですからね……道を間違っていますよ?
まあ、これ以上は可哀想なので連れて行きますか。
「わかりました。ちゃんとキャロの練習に協力して下さいよ?」
「ありがとうです! 勿論協力しますよ! やっぱりシノアは私の愛をわかってくれています!」
いや、重たい愛は出来れば、未来の旦那様に注いで下さい。
どうしたら、正しい道に戻す事が出来るのか色々と考えていますが解決方法が見つかりません。
「シノアさん、キャロさんも行くという事は、私のポイントの査定はどうなるのでしょうか?」
「出来ませんので、ちょっと我慢していて下さい」
「私の楽しみのワインが!!! 済みませんがキャロさんは、残って欲しいのですが……」
一番の目的を置いて行ってどうするのですか?
「却下です。キャロを連れて行かないと意味がありません」
「食材の確保だけにすれば良いと思います!」
まったく……自分の目的に忠実な人ですね。
大体、自分が食べたいと言い出したのになんて自分勝手な人なのでしょうね?
仕方ありませんので、一つ提案しておきますか。
「ギムさんに話を付けておきますので、晩酌に付き合えば良い物を飲ませてくれますよ? いつも上物しか飲んでいないので、珍しいのも飲めるかも知れませんよ?」
「ワイン置き場の手前の部屋にいるドワーフさんですよね? 確かに飲んでいる姿しか見た事がないのですが何をしている方なのでしょう?」
結構有名な鍛冶師なのに、酔っ払いとしか認識されていません。
言われてみれば、私も仕事をしている所を見た事がありません。
しかし、作ってくれる物は良い物だし、地味にセンスが良いのです。あの頑固な酔っ払いのおっちゃんがヒラヒラの可愛い服を本人に合うように作るのですから、見かけで判断は出来ませんね。
「一応は有名な鍛冶師なので、上手く気に入られれば、お洒落な服とかも作ってくれますよ?」
「私の師匠なので、難しい所は今でも頼んでいるくらいの、最強のコスプレ職人です!」
シズクがわけのわからない事を言っていますが、そんな職人の名前は要らないと思います。
ギムさんはわかっていませんが、向こうの世界に行ったら激しく落ち込みますよ?
「わかりましたので、お話をしておいて下さいね。それと10日以内には戻って来て下さい。臨海教室に行く予定になっていますので」
「臨海教室? 何ですかそれは?」
「学園の行事で海に行くのです」
「海って、何ですか?」
みんなの反応が一気に変わりましたが知らないとまずいのでしょうか?
「シノア、本当に海を知らないのですか?」
カミラが真面目に質問をしてくるのですが……知識から、引き出すと大きなしょっぱい湖かな?
「でしたら、シノアは泳いだ事も無いのですね?」
「浅い池とか川しか知りませんのでそんな事はした事がありませんね」
急にエルナが嬉しそうになりましたがどうしたのでしょう?
「でしたら、私が手取り足取り教えてあげますので、任せて下さい! あとは、水着を買いに行かないといけませんので、前の日には戻りましょうね!」
「知識としては、動きはわかりますが……あとは、水着? 水の中なら、濡れるから脱げば良いと思いますがそんなの要るの?」
「男性も居るので、それはまずいですし……そんな開放的な事をしたら問題になってしまいますよ……」
カミラが可哀想な子でも見る目で言ってますが服が濡れたら、動きにくいと思うのですが
「私と2人っきりの時なら、賛成しますが男性に見せるのは、決して許しませんよ?」
「エルナ様……それもおかしいと思うのですが……」
「お姉様、私も久しぶりに海で泳ぎたいのでついて行っても良いですか?」
「うーん……シズクは学生ではないのですが。アイリ先生どうですか?」
「一応は、海の危険性を教える実習ですからね……」
「海って、そんなに危険なのですか?」
「浅瀬は問題無いのですが、少し深い所から魔物で溢れているので、船なども航行不可能なぐらい危険です。襲われたら、ベテランの冒険者も助からないと聞いています」
カミラがすかさず解説してくれるので助かりますが、溢れているってどんだけいるのでしょうね?
「こちらの海が危険なのはわかりましたが、私は駄目なのでしょうか?」
「一応、理事長に相談はしてみますが……シノアさんが頼めば許可してもらえると思います。誰も反対などしないので……」
「では、お姉様が頼んで下さい! 材料も持っていきますので休憩時間に私も水着を作っておきます! 勿論、みなさんのも作っておきます。こちらのお店の物には負けませんよ!」
もう行くのが確定している事が前提で話が進んでますが、シズクに教わった方が良い気がしますので、連れて行きましょう。
それから、工房の一室に転移の為のマーキングをして、さくっと転移して、50階層に移動です。
リザードマンがかなり徘徊していましたが転移と同時に『アイス・ストーム』で、氷漬けにしてから、キャロに倒させている間に『ストーン・ウォール』を基本にした建物を作って拠点完成です。
それからは、エルナとカミラにキャロが魔物を倒しやすいように手伝いをさせて、私とシズクでサーベント・スネイクを誘い出して狩りまくっていました。
魔剣で血抜きをしたら、解体はセリスに任せて、7日間ほど滞在して戻りました。
屋敷に戻ると、アイリ先生はきつすぎる酒でも飲まされたのか工房でだらしなく倒れて眠っています。こんな事では、嫁に行くなど夢ですよ?
シズクは、戻ると直ぐに自分の仕事部屋に籠ってしまいました。もう完成するまで動かないのはギムさんと同じですから、師弟というのは間違っていませんね。
私はというと私服に着替えたら、エルナが水着を買いに行くとの事で、カミラも一緒に出掛けましたが……お店で脱がされて、久しぶりに着せ替え人形になっています。
それにしても大体、これ下着と変わらないのですが?
ちょっと素材が違いますが……それに私にはサイズの合うのがお子様用しか無いのですが……。
2人はそれなりに女性らしい体系なので色々とあるみたいなのですが、単なる色違いを何着も試着しています。長いですね……私は、飽きてきてつまらないのですが?
もう途中から返事を適当にしてたら、めっちゃ怒られて、久しぶりに女性の何たるかを説教されました。こんなの下着と変わらないのに説教とか理不尽です……。
つまらない買い物タイムから解放されて、屋敷に戻って鰻丼(仮)の用意をしていると、気づいたらアルちゃんが隣に居ます!
「美味しそうです」
「アルちゃんは、どうしてここに?」
「そこにシノアが居たから?」
居たからって……転移するには、一度行った事があるのが条件のはずですが……この子はどうやって、私の隣に来たのでしょうね?
「転移魔術だと思いますがここに来た事があったのですか?」
「ないけど、シノアが居るから転移してきた」
これは、お姉ちゃんより上位の転移魔術なのかも知れませんね……
私と話をしていますが目は鰻丼(仮)の方しか見ていません。
「食べますか?」
「いいの?」
この状況でダメとか言えませんよ。
「みんなの分が出来たら、一緒に食べますから、座って待っててね」
「うん、待っている」
視線は固定されていますが行儀良く座って待っています。
そこにエルナ達が戻って来ると。
「良い匂いがしますが早速仕込みをしていたのですね? ところで椅子に座っている、その可愛い子は誰ですか?」
可愛い物好きなエルナは直ぐに気付きましたね。
「こないだ友達になったアルフィンさんです。私はアルちゃんと呼んでいます」
「すごく可愛い子ですね! 私はエルナと申しますが私もアルちゃんと呼んでも良いでしょうか?」
エルナをじっと見つめると……
「ダメ。貴女は私の好みじゃない」
「えっ!?」
エルナが驚いて倒れそうです。
そんな事を言われたのはきっと初めてなのでしょうね。
「どうしてなのでしょうか? 私の何がいけないのですか? こんな可愛い子にそんな事を言われるなんて切ないです……」
エルナの胸の辺りをを見ながら、一言。
「余計な肉が付いているから、好みじゃない」
私を気に入っている基準が胸が無いという事なのでしょうか?
嬉しいのか悲しいのか良くわからなくなってきました……。
「余計な肉……」
下らない事で、なんか落ち込んでいますよ。
「シノア……可愛い子が私をいじめます! 慰めて下さい!」
私の背中にくっついて来るのですが焼きにくいですよ。
「私のシノアから、離れないと消してしまいますよ?」
私はアルちゃんの物にもなってしまったようです……しかし、恐ろしい子なので、本当にエルナを消しかねないので注意だけしておきましょう。
「アルちゃん、エルナは私の大事な友達なので、大事にしてあげて下さい」
「わかったけど、私も大事にして欲しいです」
「私は、友達は等しくみんな大事に思っていますよ? さあ、用意出来ましたので食べましょうね」
私が座ると両隣にエルナとアルちゃんがくっついて来ますが食べにくいですよ……。
「シノア、食べさせて欲しい」
「なっ!? それなら、私も食べさせてください!」
下らない張り合いが展開されそうですが止めて下さい。
めんどいので、2人の口に一口ずつ食べさせてから。
「あとは、ちゃんと行儀良く私の料理を食べてくれる子が好きですね」
「シノアに好かれる為なら、行儀良く食べる」
「私も勿論、行儀良く食べますよ?」
下らない争いが終わってくれて何よりです。
シズクの分は収納にしまってあるので、後で差し入れすれば良いでしょう。
きっと集中しているし、ここに呼ぶと被害が広がると思うので……。
食べ終わってから、丁度良いので、前にもらった服を返しておきましょう。
「こないだアルちゃんにもらった服なのですがお返ししますね。これはちょっとすご過ぎて貰う訳にはいかないので」
「ちょっと間違えたけど、もうシノアにあげた物だから……」
間違えるレベルがすごいのですが、これに頼るのは良くないと思うし、絶対に大事な物ですよね?
「間違えたのであれば、本来くれる物と交換でどうでしょうか?」
少し考え込んでから、違う服を出して来ました。
「それなら、交換します。本当は、知られたら怒られる所だったので、助かります」
似たような服ですが、こちらはきっと普通の服かレプリカなのかと思います。
「シノアは海に行くのですよね?」
「そうですがよく知っていますね」
「私はこの国から動けないので、一つだけ忠告をしておきます。あいつはまだ生きているので注意して下さい」
「あいつ? 私の知っている人ですか?」
生きているとか誰か私に恨みでも合って殺し損ねた人とか?
あの変態は完全に殺しているので、無いと思いますが……誰の事?
「シノアが知らない者ですが、貴女に気付けば干渉して来るかも知れないから」
「それは、一体……」
「じゃ、そろそろ行くので、また来ます。美味しかったです。ごちそうさま」
それだけ言うと転移して居なくなってしまいましたが……。
私にとって危険な者なのかも知れないので、ちょっと注意した方が良いのでしょうね。
アルちゃんの正体もわかりませんが、少なくとも私の心配をしてくれているのですから、味方の認識で良いと思います。
「シノア、あの子は何なのですか? 可愛い子なのですが、私のシノアとも言っていましたから、もしかして、浮気ですか?」
エルナともそんな関係ではないのに、浮気とか何を言っているのでしょう?
「こないだ友達になったばかりですよ?」
「それなら、私の方が早いのであの子は愛人なのですね? 可愛い子なのですが少し注意が必要ですね……出来れば抱き締めてみたいので、仲良くなりたいのですが……」
……愛人扱いですか……あんな態度を取られても可愛い子に対する欲求はあるのですから逞しいですね。
それはそうとして、以前に海には美味しい物が結構あるとエレーンさんに聞きましたので、私としてはそっちの方が楽しみなので、調味料を沢山持って行きましょう。
色々とあって臨海教室の日になったのですが、収納に入れたエルナの荷物が多いです。
これ、私が居なかったらどうやって運んでいたのでしょうね?
シズクはいつの間にか用意していた学園の制服に着替えて付いて来ます。
エレノアさん達には、うちの謎のデザイナーさんだから、仲良くなれば服とか作ってくれますよと言ったら、即許可が出ました。
まあ、普段から差し入れをしているので、まったく反対意見など出ませんけどね!
昨日の夕方に出てきて、みんなの分の水着を渡していましたが私にはスク水とかいうのをくれました。
布の面積が多いので、私は結構気に入りました。
よくわかりませんが旧タイプと競泳用と可愛らしい物をいくつかもらいました。ずっと引きこもっていましたが、沢山作りましたね。
買い物した時も思ったのですがこんなに要るのか聞くと。
「皆さんに似合うイメージをしたら、気付いたら作っていました!」
エルナの部屋で4人で当然のように試着させられましたが、これ中々着心地が良いです。
これは、お店の物より感触が良いので、普通に着ていたくなります
エルナ達にも好評なので、シズクがこの世界のお店の物に勝ったと喜んでいます。
あちらの世界の物は快適さを追及していますからね。
学園に着いたら、校庭の隅にある古い遺跡のような建物に向かうのですが、何かあるのでしょうか?
カミラに聞いたら、南方の神殿まで行けるゲートと呼ばれる転移用の魔法陣があるそうなのです。そんな物があるのなら、各町に行けるようにすれば良いと思いましたが、現在では作り出せないそうです。
かつてまだ争いが無い時に神々がいくつか作った転移陣らしいのですが、戦争になった時に殆んどが壊されてしまったそうです。
まあ、こんなのが有ったら簡単に侵略が出来ますからねー。
フェリス王国内には、まだいくつかあるので、何か有っても兵力を一気に送る事も出来るそうです。
あれ?
確か500年前までは、魔狼王フェリオスが森の地域一帯を支配していたはずですから、私の得たこの世界の地図で考えるとこれから行く海に出るには森を抜けないと行けないはず
なのに王都のほぼ中心に近いこの場所と繋がっているのはおかしいですよね?
壊されていないのでしたら、ここから一気に攻めれば、ほとんど目の前ですよ?
何やらあやしいですね……いま思うとこんな物があるのに攻められていないというのがおかしいですよね?
私は、戦争の事はよく分かりませんが、そんな総力戦で、お互いに疲弊しないのがそもそも疑問です。
もしかしたら、真実は違うような気がしてきましたが、下手に調べてこの国の女神に目を付けられたら危険な予感がします。
行く前に学園の考古学に詳しいフリーク先生に船とか無いのかと聞いたら。
かつて、この海域を支配していた神と魔王が相打ちになって、恐ろしく強力な魔物が未だに徘徊しているので、遠出をして戻ってきた船はないそうです。
ある者は神獣に飲み込まれたとか、幽霊船?の軍団に襲われて皆殺しになったとか、運よく生き残って流れ着いた者が死ぬ前に話してくれたそうです。
ちょっと漁に出るくらいの辺りは漁業として成り立ちますが、欲を掻いて沖に行けば魔物が襲ってくるので割が合わないそうです。
相打ちになったと言われてますが、まれに使徒の能力を持つ魔物を見る事があるので、もしかしたらどちらかが生き残っているのではないか?とも言われているそうです。
もう一つだけ未確認なのが、たまに人が海域の上空を飛んで何かを探しているらしいです。
時々、夜中にその飛んでる人が魔物を狩っているようで、海面が陸地の方までとても荒れるとの事ですが、夜中とか迷惑ですね。
建物の中に入ると結構広い空間に5つの魔法陣があります。その内の一つの魔法陣に先生達がマナを注いでます。
残り4つはどこに繋がっているのでしょうか?
一度に移動できるのは12人みたいですが、魔法陣を見ると私のマーキングの模様に似ています。
魔法陣の図柄は覚えましたので、帰ったら転用出来ないか試してみましょう。
今から行く地域で覇権を争っていたのは、天王マリウスと魔淵王ディープシーと言う名前だったかな?
書物の記録だと周りなどお構いなしの激しい戦いだったらしいのですが、天王の本拠地の島は島民と一緒に沈んで、魔王の海底神殿も徹底的に破壊されて国民も全て殺されて、お互い相打ちで力尽きたとなっていますね。
しかし、お互いに迷惑な主ですね。
国民全てが信仰して殉死ならともかく、巻き込まれた人の方が多かったのでは?
なので、あの海域に出る魔物は犠牲になった民衆の生まれ変わりでは無いかとも言われているみたいです。とにかく生者には問答無用で襲って来るらしいです。
そろそろ順番になります。もしかしてアルちゃんが言っていたのは、このどちらかが生きているということなのかも知れませんね。
魔法陣の上に乗って、先生が力ある言葉を言ったら、何の違和感もなく同じような景色の所に移動したみたいですが、なんか暑いですね。
思わず服を脱ごうとして手を掛けたら、笑顔のエルナに手を掴まれました。
「シノア、みんなの前で何をするつもりだったの?」
「だって、なんか暑いから……」
「貴女は女の子なのですよ? 暑いから脱ぐなど、はしたない真似は許しませんよ?」
これは……後で説教コースのようです。
暑いから脱ぐという本能に従っただけなのに理不尽です。
私には、見られても困る物は無いので、気にしないのですが……。
いつも思うのですが、何故この体は痛みとか暑さ寒さに敏感なのでしょう?
普通は、こんな高性能なんだから、そんなの平気でも良いと思うのですが……空腹と睡眠いらずだけとか半端過ぎます。
男子はもう上着なんか脱いでるのに酷い差別です。
別に見られても良いとか言うと追加で怒られるので黙ってますが、女の子って不便ですね。
女神様に今度は男の子が良いとお願いすれば良かったです。
取り敢えず、全員が揃ってから先生から軽くお話があって、今日は浜辺で楽しんでも良いという事ですから、中々話の分かる教師達です。
各自水着に着替えて、もう浜辺に集まって楽しんでいるみたいですが……私とシズクだけ、子供が混じっている雰囲気です……早く海に浸かってしまいましょう……。
しかし、ここでまさかの問題が発生しました!
一応、知識だけは学習してきたのに私はまったく泳げません!
しかも……何故か浮かばずに沈んでいくのです?
なぜ?
ここで、呼吸が不要なら問題は無かったのですが……苦しいです!
しかも、この水はしょっぱ過ぎます!
飲み過ぎて、喉が酷い事に……。
いきなりこんな事で死にそうになるとは思わなかったです。
シズクが急いで助けてくれたので助かりましたが、どんなに頑張っても自分の身長より深い所に行くと沈んだままです。
ちょっと……この体には浮力の欠片も無いのですか……
最初はエルナ達が泳ぎの練習をしてくれたのですが、どうしても体が沈むので、いまはいじけて日陰でふて寝してます。
みんなはいつものお礼に泳げるまで付き合うと言ってくれたのですが、多分私の体自体に問題があるので、悪いので今日はみんなは楽しんで来てと言って、日陰で寝そべっていますが……私は何をしに来たのでしょうね?
シズクは申し訳なさそうにしていましたが。
「私がお姉様の分まで泳いで来ます!」と、言ってさっさと行ってしまいましたね。
全然、申し訳ないとか思ってないよね?
魚顔負けの速度で泳いでいるので、周りの人達が驚いていますよ。
泳ぎに自信のあった人達は「小さな子供に負けた……」とかショックのようです。
風の魔法をフルに生かして抵抗とか無しにしているんでしょうね。
出来れば普通に泳いで欲しいですね
しかし、暇です……。
私だけ、日陰で寂しく座っているだけですよ!
探索すると言っても見渡す限り海岸しか無いので歩く気にもなれません……暑いだけですしね。
じっと日陰に居ても熱風が吹くだけなので、風上に『アイス・ジャベリン』を砂浜に立てまくったら、風が冷風になったので、快適になりました。
ついでに削って、蜂蜜をかけて食べてます……やっぱり食べ物だけが私の心を癒してくれますね。
収納にジュースとかも満載してきたので、向こうの地元の人の真似をしてくつろいでいたのですが、エルナ達も削った氷が食べてみたいと言うので、みんなに作ってあげたらえらく好評です。
気が付くとBクラスのみんなが泳ぐの止めて、私と同じく寛いで氷菓子を食べているのですが、気が付けば私は人数分の氷菓子と氷のベットとか作っています……まあ良いんですけどね。
アイリ先生も当たり前のように私の隣にいます。他の先生がすごく睨んでいるんですが、後で怒られますよ?
他のクラスの人も羨ましそうに見てますがどうしましょうね……。
これシズクの記憶にあるカキ氷という物なのですが……そうだ!
暇なので、『アイス・ウォール』を基本にして、カフェテラスのような物を作って、海の家を作りました。
地元の飲食店には無い物をメインに休憩所を作ったら、みんな結構来ます。
地元の人も来るので中々に儲かりますね。
私の作る氷のベットや椅子はこの暑さでも溶けないし人が座ったりしてもくっ付いたりしないで、適度にひんやりするので好評です。
Bクラスのみんなをバイトに雇って商売開始です。
アイリ先生は、最初から一番寛いでいたので、強制労働させましたが、お屋敷のメイド見習いの成果なのか一番手際が良いし、働きによってはポイントをあげると言ったら、「ここにいる間は毎日働きます!」とか言ってます。明日から、何か授業があるのでは?
ジュースなんかもいつも大量にストックしていますが、最近作り出すのに成功した炭酸飲料なる物がめっちゃ人気です。
日に日にシズクの要望が増えていくので、シズクが体験した記憶を頼りに作るまでがすごく大変なのですが、美味しい物と聞くと文句は言えません。
それにしても細かく削った氷に甘いシロップなどを掛けただけの物がこんなに売れるとは丸儲けですよ。
暗くなって店を撤収する時に地元の商人の人に相談されたので、アイデアとか全て教えてあげましたら、明日から他の方達も始めそうです。
お礼金とかくれようとしましたが、元々は私の考えた事じゃないので遠慮したら、人魚の涙という綺麗な宝石をくれました。
こんな画期的な事を教えてもらったので、何もお礼が出来ないのは心苦しいそうです。
稀に海岸に打ち上げられる希少な宝石らしいのですが、七色に輝く綺麗な石で珍しいですね。
私の鉱石を作り出すリストに無いので、どうやって作られるのでしょうね?
この地方で取れる特産品の一つとの事です。マナを感じるので、魔術師が身に付けるか、装飾品に使われているそうです。
それにしても、浮かばずに沈むとかこの体にこんな弱点があるとはね。
しかも呼吸が出来なくて苦しいので、シズクが引き上げてくれなかったら、多分ですが死んでましたね。
一応、風の魔術を応用すれば水の中でも呼吸は確保出来ますが、泳げないので海の中を歩く事しか出来ません。
明日も暇なら、海の中を歩いて、人魚の涙でも探すとしましょう。
宿に戻って、海鮮料理を堪能してから温泉でゆったり出来たので、夜は楽しめましたが、明日は何をするのでしょうね?
みんな昼間は遊び疲れたのか良く寝ていますが、一応、ここには勉強しに来たのに大丈夫なのでしょうか?
滞在期間は10日もあるそうですが、私には暇な期間になりそうです。




