39 貢物です
「シノアさん、朝ですよ! 起きてくれないと着替えが出来ないので起きて下さい!」
アイリ先生が来てから、数日になりますがもう慣れてしまいましたね。
私を起こしに来る役目を言い渡されたみたいですが、私が起きて着替えないと自分も学園に行く支度が出来ないそうです。
「朝から、テンションが高いですね。何か良い事でもあったのですか?」
「聞いて下さい! 騎士団の方達から、私の事を最近入った美人の女性と噂されているのです! 騎士団の方達の視線が心地良いのです! 私がですよ! こんな事は初めてなのです!」
ふむ……元は良いのですから、服装とちょっとおめかしすれば、十分に美人の部類に入ると思いますが、恐らくその制服が更に引き立てているのでしょうね。
シズクやキャロを基準に作ったのですから、アイリ先生が着ると色気が増して、エロメイド服に見えますね。
そう言えば、昨日から食堂の手伝いを始めたと聞きましたが、違う意味で見られている事に気付いていませんね。
なんか胸は目立つし、スカートが短いし、むっちりとした足もよくわかるので、これはまずいかと思うのですが、最初は嫌がっていたのに今では進んで着こんでいます。
今日なんか下着もしっかりと誘惑でもするとしか思えない物を身に着けていますよ。
言いませんが性的な意味で注目を集めているのでしょうね。
「良かったですね。若い男性の方達はアイリ先生にきっと夢中ですよ」
「それと、シノアさんの酒蔵のワインも美味しかったので、ここは天国です! 頑張って、全種類を飲んでみたいです!」
あれだけ悩んで拒んでいたのにもう天国とか言っていますが、ちょろ過ぎます。
ギムさんの工房の隣に私の酒蔵を作っておいてあって、キャロの判断で働きに応じたポイントを決めてワインをあげても良いと言ってあるので、きっとポイントでも貯めて高い物でも飲んだのでしょうね。
「ほどほどにしないと、かなりきついのもありますので、注意して下さいね?」
「わかっています! でも、私が買っていたお店に無い物まであるので楽しみですよ!」
ダメですね。
罰ゲームのつもりでここに連れて来たのに、逆に喜んでいますよ。
「食事もすごく美味しかったし、お風呂もあんなすごい所を使わせてもらって、入浴剤とかもあんな良い物を使ったのは初めてです。肌はスベスベになって髪がこんなにサラサラになるなんて、すごいです! もうずっとここに居たいです!」
シズクの知識を基に向こうの整髪料とか入浴剤を錬金魔術で頑張って作ったら、皆さんに大好評でした。
これで商売がしたいとカシムさんから提案されましたから、作り方とか教えてあげました。自分達が抱えている錬金術師の方に作ってもらっているようですが、品質の良い物はどうも私しか作れないみたいなので、それは受注生産の方式で作っています。
料理に関係する物なら気にしませんが……だって、作るのがめんどいから……富裕層の方に販売しているらしいのですが、ボッタクリの金額なのに売れるらしいのです。ちょっと美容的な効果が長持ちするだけなのですから、普通の物で良いと思うのですが……。
元々はサラさんの要望に応えて、材料のコストを無視して作った物なのですが、サラさんがお茶会とかで自慢するから、私の余分な仕事が増えてしまいましたよ。
勿論ですが庶民向けのお手頃な物も販売していて中々人気商品との事です。
私達は魔法で完全に綺麗になれますので不要なのですが、まあ、気分の問題ですからね。
毎月、私に売り上げの一部をくれるのですが、代わりにこっちのお屋敷の人の分も作ってくれれば良いと言ったら「それは当然しますが、アイデア料にレシピまで無償で教えていただいたのですから、お願いですから受け取って下さい」との事です。
その商人さんというのが奴隷を扱っている人だったのです。カシムさんと組んで、今ではそっちの販売がメインになってしまって、連れていた奴隷を全て従業員にしているそうで、奴隷だった人達まで私に感謝してくるのです。
シズクが、特許料として受け取れば良いのでは? と提案して来ましたので受け取っていますが、また新商品が出来たらお願いしますと頼まれています。
まあ次は食べ物関係になると思いますけどね。
「良かったですね……来る前は、落とし穴が有るとか言って、私を疑っていたのにね?」
「それについては、疑った私が間違っていました。もし過去に戻れるのでしたら、私を叱ってあげたい所です!」
更生させるつもりがダメな気がしてきましたよ。
まあ、この調子ですと絶対にまた何かしでかすと思うので、何かしでかして私を楽しませてください。
「そろそろエルナを起こして、食堂に行きますので、アイリ先生も支度をした方が良いですよ」
「わかりました! 今晩も出来ればあの鰻丼と言うご飯が食べたいです!」
さりげなく夜のご飯をリクエストして行きましたね。
シズクに味見してもらいながら何とか納得のいくタレを作る事ができましたので、サーベント・スネイクを使った鰻丼というのをお屋敷のみんなに振舞ったら大盛況で、かなりの在庫があったのですがもう殆ど無いのですよね。
肉質と食感が同じだから、もっと小さいのを捕まえて、小型の物を蒲焼にして食べたいと言ってましたが、あの池の中に入るのはちょっと嫌ですね。
確かに身だけでも悪くは無いのですがいい感じに焼けている皮が付いていると美味しいのですよね。
ジャイアント・クロコダイルのステーキも中々好評でしたが、調味料であんなに味が変わるとはシズクが意外とタレには拘っているのが何となく理解出来ます。
実は、池の周辺は他の冒険者は避けているので、あんまり出回らないらしいのです。
それにサーベント・スネイクの血には毒があって食用に向かないので、普通は牙とか皮しか買い取らないそうです。
私には、あの魔剣があるので、刺して少し放置して置けば、完全な血抜きが出来るので、問題有りません。
まあ、どちらも人間くらいなら丸飲み出来る大きさで、それが池から不意打ちで襲ってくるので大抵は避けますよね。
実は50階層の拠点にしていた所にマーキングしてあるので、行こうと思えば今なら直ぐに行けるのですが、どうしましょうね。
転移したら、最初に範囲魔法で一掃しないとかなり湧くポイントなので危険なのですよ。
それにしてもエルナは既に起きているのに不貞腐れながら、寝たふりをしています。
勉強時間が増えたので、私がキスするまでは、絶対に起きてくれなくなりました。
巻き添えで、カミラまで寝たふりをしています。
自分が起きるまで、起きないで欲しいと言われているのでしょうね。
さっきから、私に早くエルナを起こして欲しいと指で突いて来ます。
まったく仕方ないですね……。
学園に行く面子にアイリ先生が増えた時はシャルム達が驚いていましたが、私が引き取ったと言ったら「そこまで、言いなりになったんだね……」とか言ってます。
最初の日は、絶望した姿で付いて来ましたが、今では私にべったりして嬉しそうに付いて来ます。エルナが張り合ってくっついて来るので歩きづらいのです。
しかし、こうも感情の起伏が激しいと飽きないので、まるでペットでも飼っている気分です。
当然、学園では直ぐに噂が流れて私の百合レベルが上昇してしまいました。
噂の発信源は、わかっていますがその内容というのが……。
「エルナに続いてアイリ先生まで、手籠めにした汚らわしい娘」だそうです。
エルナは、「そうなりたいのですが進展しないので困っています」とか言って、軽く返していますが止めて下さい。
噂なんて否定して下さいとお願いしたのですが、勉強時間が増えたので、拒否されて逆に認める始末です。
当然、カミラも助けるどころか応援するから、もう弁解不能です。
アイリ先生の方は、「そのような事はありませんが、シノアさんは私の天使です!」と……更に誤解を生みそうです……。
それ以外は何も言わずに、後の事は私に聞いて下さいと丸投げしています。
今さら、変な噂とか増えても、知っている人は知っているので、もうどうでも良いんですけどね。
その内にあの痴女の巻き髪女には、何か仕返しをしたいです。
まあ、エレノアさんや教師陣は、私に何も言ってこないので助かっています。
聞いてきた事と言えば、アイリ先生の肌とか髪がサラサラになっているのはどうしてなのかぐらいでしたから、私の名前を出せばお値打ち品を売ってくれるお店を紹介しておきました。
帰りにエレーンさんのお店に寄って、ちょっと鰻丼?を食べてもらう事にしました。
エレーンさんのお店でちょくちょく御馳走になったシズクの予想なのですが、きっと和食は知らないとの事です。
出て来る料理はヨーロッパ系の物が多いので、その時の異世界人の人は、そちらの方面のシェフだったに違いないと言ってます。
なので、和食とか中華料理なら、知らないかも知れないとの事です。
向こうの世界では、地方によっては、そんなに食べる物が違うのですね。
シズクって、意外と調味料には拘りがあるので、私は何回も作り直して味の再現をしているのですが、美味しいので文句が言えません。
こないだなんて、ラーメンが食べたいとか言っていました。お湯の中から少し太めの糸をすすっているいるイメージしか浮かばないのですが、美味しいのでしょうか?
「今日は、私に美味しそうな物を持ってきてくれたのですね!」
なんで、知っているんでしょうね?
「確かにちょっと試食をしてもらおうと思って作ってきた物があるのですが、どこで見ていたのですか?」
「私は、時間が空いている時は、ずっとシノアちゃんを監視しているのですよ? 助けたり手伝ったりは出来ませんが、それが主様からの命令ですからね」
えっ……それって、どこまで見ているのでしょうか?
ある意味で、エルナより怖いのですが……。
聞くのが怖いのですが知りたいです。
「例えばですが……私のどんな所を見ているのですか? 最近の事で……」
「えっと、エルナって子と毎朝キスしている事やカミラって子の胸を毎晩揉んでいる事やシズクちゃんって子と何か色々と作っていた事や……」
「もういいです……」
完全に監視されているではないですか……私のプライベートはどこに?
「どうやって見ているのですか? 近くに居ないとわからない事ですよね? まったくわかりませんでしたが……」
「どうしましょうね……まあ、教えますとシノアちゃんには、主様の加護がありますよね? あれは私にもあってシノアちゃんの事を思って意識を飛ばすと感覚を共有が出来るのです」
なんと!
あの加護でそんな事が出来るのですか!
どおりで、私の行動がいつも筒抜けなのですか!
でしたら、私もお姉ちゃんを思えばその逆も出来るかも!
「シノアちゃんの考えている事は大体わかりますが、私にはシノアちゃんを見守るという権限が与えられているから出来るので、シノアちゃんには出来ませんよ?」
えっ!?
それじゃ……私だけ一方的に全部見られているとゆう事じゃないですか!
「では、私の考えている事は……」
「あくまでも見ている事だけです。それもかなり集中しないといけないので、ずっと続ける事は私でも無理ですから、たまにだけですよ? こないだ隣の大陸に行った時とダンジョンから中々戻ってこないから、心配になって見てたら、美味しそうな物を食べていたのを見ただけですから、普段はさりげなく空から見てるだけです」
それでも、空から見ているらしいのですがまったくわかりませんよ。
まあ、保険と思えば問題無いですか……見られて困る事はありませんからね。
せっかく作って持ってきたのですから、食べて感想をもらいましょうか。
「まあ、わかっているのでしたら、どうぞ召し上がって下さい。ラウルさんも良かったら、食べて下さいね」
「これですか! すごく良い匂いですね……このような盛り付けは初めて見ました。それでは、いただきますね!」
「私もいただけるとは、ありがたく頂戴します」
お姉ちゃんは、一口食べた後、器を持って食べてますので、なんかイメージが崩壊しそうです。
ラウルさんは、優雅な手つきで食べています。この差は何なのでしょうね?
「シノアちゃん! おかわりを下さい! まだ作り置きはあるはずですよね? 早く出して下さい!」
おおっ!
魔王殺しの時より反応が良いですね。
口の周りにご飯粒が付いているので、残念な美人さんに見えますよ?
「ありますがどうでしたか?」
聞きながら出しましたが出すと奪って食べていますよ。
「これは、美味しいですね! ぜひうちのお店にも出したいです!」
「ラウルさんは、どうでしたか?」
「中々深い味で、美味しいかと思います。私からも宜しければお願いしたいところです」
「ラウルくん、リオンくんを呼んで来て下さい」
「直ぐにお連れします」
誰なのでしょうか?
ここのシェフの方かな?
しばらくするとカッコいいお兄さんが来ましたよ。
「エレーン様、お呼びでしょうか」
「シノアちゃん、もう一つリオンくんに出してあげて下さい」
「では、どうぞ」
言われるままに出しましたら、観察してから匂いを嗅いでます。カッコいいお兄さんは絵になりますね。
「なんというか食欲が進む香りですね。それでは、いただかせてもらいます」
味を確認するようにゆっくりと食べていましたが、全部食べてしまいましたね。
「上の素材は、サーベント系と思いますがこの調味料は私の知らない物ですね。とても美味しいと思います」
「シノアちゃんは、50階層に居ましたから、サーベント・スネイクですね。調味料に付いては私もわかりませんので、教えてくれますか?」
「構いませんがレシピは確かこれだったと思うのです。最初からこの味にはなりませんので、これを一壺渡しておきます」
私のメモ書きと、そう言うと思ってちょっと小分けにしてきたタレを渡しました。
「それはどう言う事なのですか?」
リオンさんは、興味を持ったみたいで、聞いて来ましたね。
「そのタレは基本なので、後は身を焼いた物を浸けて焼くの繰り返しで、タレを継ぎ足していくとその味になるのです。いまの味もぎりぎり合格点のようです」
「それは、使い込めば、味が熟成されて、もっと美味しくなるのですね」
料理人だけあって、理解が早いですね。
お蔭で私はダンジョンの中に居た時と帰ってからもひたすら焼かされました!
寝なくてもいいのを理由にずっと風魔術と火魔術を併用していたのですが、こんな事でマナを消耗し続けるとか普段の私なら絶対にしません。エルナ達が勉強なら、私はずっと調理していただけで戦闘に参加してないから良いのですが、匂いがあの一帯に充満していたでしょうね。
戻ってからは当然ですが、焼台を作りました。シズク先生の注文がうるさくて……炭じゃないと駄目とか……焦がさないように焼くのってずっと見てないと難しいのですから、他の事が出来ないのである意味強制労働でもさせられている気分でした。
洗浄魔法がなかったら、私に染みついた匂いが取れない所でしたよ!
今度、シズクを縛り付けて火傷しない程度に炙ってあげたいと思いました。
「そうらしいです。これでもお屋敷の人に食べてもらうのに、かなり使い込んだので、ちょっと良いお店の味に近付いたらしいのです」
「中々奥が深い物なのですね」
「本来は鰻という蛇みたいな川の生き物なのですが、身の味が似ていたらしいので言われた通りに作ってみたのです」
「こちらの世界では、聞かない生き物ですね」
「小型の物じゃないと皮の部分が無いのが残念とも言っていましたが、大型の方が多いですからね」
「リオンくんは、そのタレを沢山作っておいて下さい。私は明日から、ちょっと他の生息地で乱獲して来ますので、いっぱい焼いてそのタレを熟成させてしまいましょう! もしくは捕まえて繁殖すれば小型の物は養殖可能ですね」
乱獲とか言っていますが、そういう事をするから生物が絶滅してしまうのですよ。
しかし、養殖とかあんな攻撃的な魔物をどうやって養殖するのでしょうか?
あれは小型の物でも喰い付かれると強力な毒で死に至るので危険なのですよね。
まあ、私はちょっと気分が悪くなるだけなので、毒程度では死にませんけどね!
「ダンジョンには、行かないのですね?」
「私は、アストレイアとダンジョンで乱獲はしないと約束してしまったのですよ。それに私の知っている場所に沢山いますからそっちで狩ります」
ここの女神と約束って……きっと最初の頃に根こそぎ狩られたりしたのでしょうね。
魔物を復活させるのにきっと大量のマナでもいるのではないでしょうか?
「しかし、サーベント・スネイクの血は毒があるので、食用には適さないと思っていましたがここまで完全な血抜きをする方法は私にはありませんがどう致しましょう?」
「大丈夫です。私もシノアちゃんと同じ様な短剣を持っていますので、それで出来ます」
「お姉ちゃんは、あの魔剣の事を知っているのですか?」
「勿論知っていますよ? あれは私の知り合いがサテラの為に作った物ですからね。シノアちゃんだから、持ち主を書き換えれただけです。普通でしたら、絶対に無理です。再登録をしようとすると持った者の血の10倍の血を要求する仕様になっていましたからね」
私はそんなに吸われたのですか……確かにマナポーションを何本も飲みながら根気よく持っていたら、諦めそうになった頃にやっと楽になりましたからね。
「あの剣を作った人はすごいですね。私以外に抜かせると恐ろしいのですよ」
「ダメですよ? 契約者以外が使おうとすると必ず再登録しょうとするので、最初の所有者であるサテラを除けば、この世界で使えるのは私とシノアちゃんと自称神とかだけですから、知らないと書き換える前にかなり消耗してしまうでしょうね」
「お姉ちゃんも厳しいのですか?」
「私なら、問題無く書き換え出来ますが、それはシノアちゃんの物なのですから、気を付けて持ってて下さいね。私もそれの短剣のタイプを持っているだけです」
この剣があれば魔王とかにも刺してしまえば弱体化出来そうですね。
でも、即座に書き換えられたら、逆に私がとんでもない事になるので、ちょっと無理ですよね?
「ただ、その剣は持ち主の血も要求するので、欠陥品なのですよね。作った子が対価を要求する武器を作るのが好きで……すごい物を作るのですが、呪いとか当たり前のように付けるから、受け取る人は持ってても滅多に使わなかったのです」
対価が大好きとか困った人ですね。
どこかの誰かみたいです。
「それでは、シノアちゃんは何がお望みですか?」
「別にいまの所は何もいりませんので、そろそろ帰りますね」
なんかすごく驚いた表情をしていますがどうしたのでしょう?
「シノアちゃんが無欲だなんて……いつの間にそんな良い子になったのですか?」
まるで私が必ず何か要求すると思っているのですか?
それから、私は最初から素直でとても良い子です!
まあ……以前はそうでしたがお姉ちゃんは、意外と知らない事が多いというか関心が無い事は忘れてしまうのですからね。
現状ではこれと言って知りたい事は無いですし、質問したい事はノアに聞きたい事ばかりですからいまいち使えないのですよね。
「今度、何かわからない事があったら、教えてくれれば良いですよ」
「すごく久しぶりに新しい味を知ったのですから、何かしてあげないと私の気が済みません……そうです! ちょっとシノアちゃんの能力を強化してあげます。出来るかわかりませんがそのままじっとしてて下さいね」
そのまま私に顔を近づけて来るのですが、もしかして、口づけして技能とか魔法なんかを譲渡してくれるのかな?
そんな事を考えていると額が触れると何か流れて来る感覚があります。
「介入出来たので、転移のポイントをもう一つ登録出来るようにしてあげました。転移魔術が使えるようになったのに1ヶ所しか出来ないと言ってましたので、これで行きと帰りが楽になりますよ?」
「ホントですか! 使えるようになったけど1ヶ所しか出来ないから、増えるのは嬉しいです! お姉ちゃんは何ヶ所に行けるのですか?」
「私は、登録地点は10ヶ所ですが、これはパーティーを組んでいる場合に適用されるので、単独でしたら、一度行った所ならどこでも行けます」
「そんな便利になるのですか! 私も、もっと使えるようになりたいのですが、どうやったら良いのかわからないし、気付いたら使えていたのですよ」
「残念ながら、私にはわかりませんが、誰かさんなら知っていますよね? 少し抵抗されましたが今のシノアちゃんの状態なら、私の方が権限が高いみたいです」
私の目の奥を見透かすように言っていますので、ノアに言っているのでしょうね。
抵抗されたというのが気になりますが。
「どちらにしても今は、これでかなり楽になりますのでありがとうです!」
「どういたしまして! それと、いまのでちょっと私にも、わかりましたよ?」
「何がわかったのですか?」
「それは、いまは言えませんが私がシノアちゃんにしてあげれる事が増えたと思って下さい。ちょっと手を出して下さい」
言われた通りに手を出すとエレーンさんが私の手に魔石をどんどん吸い込ませています。
「このぐらいで良いでしょう。では、また新しい料理を期待していますね!」
「いまのは何ですか?」
「気にしなくて良いので、ただのお土産です」
それ以上は内緒としか教えてくれないので、まあ今は良いでしょう。
取り敢えず帰ったら、工房のどこかに登録すれば、いつでもお屋敷に帰れますよ!




