表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

第七話*紅の将軍



 カダがラ・クランとの勉強会に参加してから半年あまりが過ぎ去った。紅の帝国では肌寒い日が続き、うっすらと雪がちらつき始め寝台から起き上がることに億劫さを感じる今日この頃。それでもリーニャはえいやっと気合を入れて起き上がり、女官達に身支度を整えてもらうとカダと共に書庫へ向かった。ラ・クランとの勉強会は大陸共通の一週間、ウル(一)、エン(二)、サー(三)、イヴ(四)、オル(五)、ハン(六)、カン(七)の七日間に分かれたうちのオルに行われている。どうしてこの日なのかというと七日の間で最も書庫の利用者が少ない日だからだ。もともとあまり利用する人間は少ないのだが、オルは週末休日に指定されているハン、カンの前日に当たり仕事終わりにすぐ帰宅する官吏が多い為、書庫の利用者が激減する。逆に休日二日間は読書好きが集まりやすいので人が多いのだ。

 書庫につくといつも通り女官を外で待たせ、カダと中に入ると待っていたラ・クランと共に管理人室に入り、勉強会は始まった。カダはすでにこの半年で大陸共通語であるコンハ語の読みをすべて習得し、書きの方に入っている。この早さならもう半年もすれば書きの方も問題なく習得するだろう。リーニャの方は様々な方面の知識や演算方法を習い、今では一人街に放り投げられてもやっていけるくらいの力量は備わっていた。しかしまだまだラ・クランが持つ知識には追いつかず必死にくらいついている状況である。

 そんな最中、思いもよらぬ事態が発生した。いや、少しはこんなことになる危険性を感じてはいたが女官達が大人しかったのですっかり油断していたのだ。


「陛下! 陛下、どこにいらっしゃられますか!」


 管理人室の外、書庫の中から聞き覚えのある声が響きリーニャ達はびくりと体を震わせた。この、耳にあまり心地よくない男の声は礼部尚書クバ・ラハのもので間違いない。彼の声と共に数人の足音が鳴る。どうやら何人か引き連れて書庫にやってきたようだ。


「クバ・ラハ、なぜここに……というかどうするのじゃ!? 今この部屋を見られれば」


 三人は卓の上を見た。彼に言ったような恋愛小説などここにはない。積み上がっているのは歴史書や演算式の書物などである。こんなものを見られたらあっという間にリーニャが彼らにとって≪いらぬ知識≫を得ていることが露見してしまう。


「ともかく書物を隠しましょう、なんとか場を誤魔化さなければ」


 常に冷静であるラ・クランも少々慌てながら早口にそう言うと、リーニャ達は頷いて手早く書物をそれぞれ抱えた――瞬間だった。

 戸が開け放たれ、ぬっと一人の人物が管理人室に足を踏み入れたのである。

 その人物は、クバ・ラハではなかった。長身のその男は若干身をかがませるようにして戸を潜り、書物を抱えて固まっているリーニャに視線を向ける。

 精悍な顔立ちをした男だった。吊りあがり気味の鋭い瞳はどこか猛禽類の鷹を思い起こされる。男はリーニャの姿を見て、少し驚いたような顔をしたがすぐにその手に抱えているものに視線を移した。


「陛下、それは――」

「シン将軍! 陛下はいらしたか!?」


 男が言葉を発するのにかぶせるように彼の背後からクバ・ラハの声が響き、男は慌てて部屋に入るとリーニャとカダの腕を引っ張った。


「二人とも、早く俺の外套の中に」


 引き込まれるように男が身に着けていた鎧の背につけられた黒い外套の中に二人が収まるとクバ・ラハと女官達が忙しなく入って来た。


「シン将軍、陛下は?」


 クバ・ラハは部屋の中をキョロキョロ見回しながらシン将軍と呼んだ男に声をかける。彼はラ・クランと一度目くばせをすると首を振った。


「こちらにはいらっしゃいませんでした。恐らくは書庫の奥の方かと」

「そうか……書庫は広いからな。おお、そなたはラ・クランか久しいな」


 部屋の中にラ・クランがいたことを認識したクバ・ラハは嬉しそうに目尻を下げる。ラ・クランは一瞬だけ曇った表情を見せたがすぐさま笑顔を浮かべた。


「ご無沙汰しておりますクバ・ラハ様」

「うむ。お前のような優秀な者がこんな埃をかぶった場所におるのはやはり惜しいな。なあ、ラ・クランよ。あの話を受けてくれるのなら私からお前を六部に掛け合うことも出来るのだぞ?」


 あの話? 男の外套の中で耳を澄ませていたリーニャはクバ・ラハから発せられた言葉に首を傾げた。ラ・クランは笑顔を浮かべたまま首を振る。


「申し訳ございません。まだそのことを考える余裕はございませんので」

「そうか……残念だが仕方がないな。だが、いつかは考えてもらわねばならんぞ? お前が上を目指すというのならな。……おい、お前達陛下を探しに行くぞ」


 再びバタバタと靴音を鳴らしてクバ・ラハ達が立ち去ると、リーニャとカダが男の外套から解放された。


「助かった……のか?」


 リーニャが男の方に振り返ると、彼は彼女の前に跪き頭を垂れた。


「無礼をお許しください陛下。咄嗟のことゆえ、あれしか思いつかず」

「よ、よい。おぬしのおかげで事なきを得たのじゃからな。えっと……それでそなたは?」


 その言葉にラ・クランはぎょっとした。


「陛下、まさかご存知ないのですか?」


 窘められるような声音にリーニャが困った顔をすると男は苦笑をもらした。


「無骨な武人ゆえ、堅苦しい式典ではいつも隅に控えさせていただいておりますから目にすることもなかったことでしょう。お初にお目にかかります、俺の名はイル・シン。紅の帝国禁軍の将でございます」


 禁軍、とは王直属の部隊のことである。宮中警護や帝都の護りにあたる精鋭中の精鋭部隊。その将となれば備わった実力は大陸一といっても過言ではない。そんな人物を今まで知らなかったリーニャは恥ずかしくなった。

 確かに、何度かその名を聞いたことはあった。だがそれは名簿と武勇伝の中の話であり実在の人物のことはさっぱりと面識がなかったのである。だから彼がその人であると気が付かなかった。


「わらわの勉強不足であった。すまぬ……」

「いいえ、陛下は訓練場にいらしたことはありませんから。面と向かって話す機会もありませんし仕方のないことです」

「訓練場……」


 そういえば、とリーニャは思った。未来を変えるには知識が必要であると考え書庫に通ってラ・クランと勉強会を行っていた。それはきっと必要なことだったと今でも思っている。身に着けた知識が無駄であるなど考えたことはない。だがそれだけで本当に良かったのだろうか。狭い所に閉じ籠っているだけのような気がしてリーニャの胸はモヤモヤした。宮中の敷地内にあるというのに訓練場にも顔を出したことがなかったのだ。だから禁軍に所属している兵達のことすらまるで知らない。

 そう彼女が思い悩んでいると。ずっと黙っていたカダがシン将軍に向かって口を開いた。


「シン将軍、どうして俺達を助けてくれたんですか?」

「あ、そうじゃな。そなたはわらわが勉学をすることに反対ではないのか?」


 シン将軍は少し困ったような顔をしたがゆっくりと首を振った。


「俺の主はあくまで陛下です。陛下がなさろうとしていることを止める権利はありませんし、むしろ俺としては歓迎です。遠くからしか拝見したことはありませんでしたが、以前の陛下よりずっと良い面構えになっておられると感じるのです。≪この方≫ならば俺は命を預けられると、そう思わせてくれるような」


 最初に怖いと思ったその鋭い瞳が少しだけ優しい色を浮かべ、リーニャを見詰めた。


『貴女は、王にふさわしくない』


 夢の中で突き付けられた言葉が蘇る。ラ・クランにもまだ認められてはきっといない。リーニャ自身もまだ足りないと思っている。それでも少しだけ、期待をしてもらえるような言葉にリーニャの胸は喜びに震えた。

 『間違ってない』、そう言われたようで嬉しかった。


 だから、だからこそ。

 リーニャは跪くシン将軍の顔を見た。


「ありがとうシン将軍。わらわはまだ弱き王。だがそのままでいるつもりは毛頭ない。前へ進みたいのじゃ、もっともっと前へ。それでの、少しそなたに頼みがあるのじゃが」


 リーニャから発せられた頼みにシン将軍は驚いたが、最後は嬉しそうに返事をした。





『万が一ということもありますので』

 という理由で、護衛のカダとそして薬師のクダラの二人を伴いリーニャは宮中の東にある軍の訓練場を訪れていた。

 リーニャがシン将軍に頼んだのは、訓練場の視察だったのだ。訓練場の入口には、シン将軍とそしてもう一人、ロウ・リュウが待っていた。


「お待ちしておりました陛下」

「うむ、今日の視察よろしく頼む。シン将軍、そして……ロウ・リュウよ」

「……はい」


 シン将軍の隣で静かに佇むロウ・リュウの表情からは感情が読み取れない。少しだけ優しく見えるように作ってはいるがそれが嘘であることなどリーニャにはすぐ分かった。恐らくはリーニャが自ら視察などという公務を行うことに不満があるのだろう。だがシン将軍は彼から視察の許可をもぎ取ってくれた。リーニャからロウ・リュウに掛け合えば、彼女が積極的に動いていることが露見する。だからあえてシン将軍自ら動いてくれるように頼んだのだ。どうやらシン将軍は武術だけでなく交渉力もあるらしい。


 シン将軍の案内で訓練場内に入ると、多くの兵達に出迎えられた。リーニャは王らしく堂々と振るまい、兵達に労いの言葉をかけて設えられた席に腰を降ろす。王がリーニャに代替わりしてから初めての王自らの視察に気合が入っているのか、彼らの気迫は十分で目の前で繰り広げられる模擬戦の熱は手に汗握るものであった。武術の心得がないリーニャには分からないが、シン将軍によれば禁軍の兵だけあって練度は高いのだという。


「それでは陛下、最後に誰がご指名ください」


 シン将軍から好きに模擬戦の組み合わせを指定していいと言われたリーニャは悩んで、そしてちらりと後ろに控えていたカダを見た。途中から気が付いたが、彼はずっと模擬戦を見てそわそわしているのだ。視線は試合に釘づけでなんとなく話しかけた時はあっさり無視された。


(ふむ……)


 彼の心境を察したリーニャは、ちょっと面白そうだと思ってあえて禁軍の兵ではなくカダを指名することにした。


「シン将軍、模擬戦は禁軍の兵以外を指名してもよいかの?」

「かまいませんが、というと……」

「うむ、カダを指名する」

「え!?」


 驚くカダにリーニャは、にやぁっと笑って見せた。自身が模擬戦にあてられて心ここにあらずだったことを悟られたんだと知ったカダはちょっとだけリーニャを睨んだが、ふいっと彼女から視線を外すにとどまった。


(……なんじゃろう……なんか、ちょっとカダが可愛いとか思ってしもうた……)


 隠そうとしているようだが年相応にはしゃぐ少年。みたいな感じでなんだかリーニャもそわそわした気分になる。弄り倒したくなるこの気持ちはなんだろうか。


「カダは確か、十二歳でしたね」

「そうじゃな」

「では、せっかくですので同い年の少年兵を相手にしましょう。少年兵といっても禁軍に入ることを期待されている新進気鋭の者です相手にとって不足はないでしょう……と自分で言うのは恥ずかしいのですが」


 なぜかシン将軍が照れるので、リーニャが首を傾げると彼は一人の少年の名を呼んだ。


「アギ! 来なさい」


しばらくして兵達の向こう側から彼らをかきわけるようにして少年がリーニャ達の前に現れた。背格好はカダと同じくらいで、シン将軍の言う通りなら彼もまた十二歳のはずだ。黒髪の短髪に幼さが残るものの精悍な顔立ち、吊り気味の瞳は紫紺でどこか鋭い鷹のような…………あれ? そこまで少年の容姿を見て既視感を覚えた。

 ちらりとシン将軍を見上げる。やっぱり彼はどこか照れた様子で、頭をかいた。


「俺の息子のアギ・シンです」

「ああ! なるほどの!」


 納得がいった。アギはとてもシン将軍に似ていたのだ。

 アギはリーニャの前に跪き、頭を垂れる。


「禁軍の将、イル・シンが第一子アギ・シンと申します」

「うむ、そなたとカダの試合、しかと見届けさせてもらうぞ」

「は!」


 カダとアギがそれぞれ刃のつぶれた剣を受け取って、向かいあった。ぴりぴりとした緊張感が漂い、その場がシンと静まり返る。

 シン将軍が双方の間に立ち、審判を務めることになった。


「アギ、そしてカダ。これは模擬戦だが双方全力で当たるように。それでは始め!!」


 試合開始と共に飛び出したのはアギだった。素早い身のこなしであっというまにカダとの距離を縮めると激しい打ち合いとなる。一方的な試合になるかと思われたが、カダもアギの速さにくらいつくように動き、両者一歩も引かぬ拮抗状態となった。


「すごいですね……」

「驚いた、まさかカダがあれほど動けるとは」


 クダラとシン将軍が感嘆の声を上げる。指名しておいてなんだがリーニャ自身もカダが厳しい訓練を受けているアギと互角の勝負を繰り広げるとは思っていなかった。いい試合ができればいいだろう。そんな風に思っていたのだ。あの陶器のように白い肌と華奢な四肢から力強い一撃が飛び出るなど誰が想像できようか。

 しかし時間が経てば経つほどカダの疲労は目に見えて濃くなっていく。対するアギは疲れが見えず動きにまったく隙がない。腕は互角でも備え持つ体力の差がありすぎた。


(――カダ!!)


 リーニャはぎゅっと胸の前で両拳を握り締めカダの勝利を願った。良い勝負であればいい、なんて思った数分前の自分などとうに掻き消えて、勝って欲しいと望んだ。ただの模擬戦なのにおかしなことだ。

 限界が来たのかカダの足元がふらりと揺れる。そこを見逃さずアギが止めの一撃を加えようと動くのをかろうじて目にしたリーニャは思わず立ち上がっていた。


「カダ、勝てーー!!」


 キンッ!!


 リーニャの叫びに応えるように甲高い金属音が鳴った。手から離れた剣は宙を舞い、そして地面に落下する。それを呆然とその場にいた全員が見ていた。


「しょ、勝負あり! 勝者、カダ!」


 いち早く状況に気が付いたシン将軍が声を上げ、その言葉でようやく剣を手放したのがアギの方であると彼らは呑み込めた。リーニャも少し遅れてカダが勝ったことを理解すると、笑顔で彼に両手を振った。


「やったー! カダ、やったー!」


 その場でぴょんぴょん跳ねるリーニャを見てもカダはまだぽかんとしていた。勝った本人が実は一番驚いている。


「あはは、負けちまったかー」


 リーニャと対した時とは違う砕けた言葉遣いでアギは苦笑しながら剣を拾った。そしてカダに向かってにぃっと笑う。


「勝てたはずだったんだけどな。まさか≪陛下の声援≫で必殺の一撃出るとか反則だろ」

「……は?」

「は? じゃねぇーよ。間違いなく陛下の声に反応しただろお前」

「…………」


 みるみるうちにむすっとした表情になるカダにアギはにやにやした。


「ふんふん、分かった理解した。よし、まかせとけカダ、俺はお前の味方だ。なに、奴隷だろうが身分差だろうが関係ないよなこういうのは!」

「なにを勘違いしてるんですか。っていうか馴れ馴れしい、肩を抱くな肩を!」

「あははは! お前、敬語って柄じゃないだろ。綺麗な顔して荒事になれてる感じするしな! 俺には堅苦しいのなくていいぜ、友達だろ」

「いつから友達になった!? いいから放せっ」


 カダとアギがじゃれつきはじめたのを見て、あっさり無視されたリーニャはむぅっと口を尖らせた。とぎれとぎれ聞こえてくる会話を耳にするに、どうやらカダはアギに対して敬語を使っていないようだった。光の速さで打ち解けているのがなんとももやつく。アギの人柄にもよるのかもしれないが先を越されたようでリーニャは拗ねたのだった。


(わらわだって友達なのに……友達なのに……)


 王と奴隷、という越えられない壁があるにしてもリーニャは友達付き合いというものに憧れを持っている。クダラが慕う兄なら、カダはリーニャにとって初めての友達だったのだ。それをとられたようでなんともいえない気持ちになってしまった。

 そんなリーニャの頭を誰かが優しく撫でた。

 見上げれば、思った通りクダラの穏やかな笑顔がある。


「姫様、広い心を持ちましょう。カダ君に友達が増えるのは良いことですよ」

「わ、分かっておる! じゃがなんかカダだけずるくないか!? わらわだって友達増やしたい!」

「では特攻するしかありませんね」

「特攻?」


 クダラはにこっと笑ってリーニャの手をとると走り始めた。


「え? え?」


 訳が分からず首を傾げるリーニャの視線の先には、仲良くどつき合ってる(ようにしか見えない)カダとアギが。


「じゃあ、姫様。がんばってください」

「ええぇぇぇーー!?」


 手を離されてぽんっと背中を押されたリーニャは勢い止まらず二人に突撃してしまった。ぐらりと態勢を崩したリーニャが地面にぶつかる、と恐怖で目を瞑ると力強い腕が彼女を支えた。


「陛下、無事ですか!?」

「なにやってんですか、陛下」

「……わらわが聞きたい」


 カダとアギに支えられ、ぷらーんとした状態でリーニャは脱力した。大好きだけど時々意味不明なことをするのでクダラは侮れない。しかしよくわからんとはいえこれは好機でもある。こうしてカダとアギがすぐ近くにいるのだから。


「カダよ!」

「? なんですか?」

「おぬしばかりずるいぞ!」

「……はぁ?」

「アギがおぬしの友達ならば、カダと友達のわらわも友達じゃろ! 友達の友達はすなわち友達なのじゃ!」


 ふふん! と鼻を高くして言ってのけるとカダはそっとリーニャのおでこに手をあてた。


「……熱はなし、ただの馬鹿ですね」

「診断が酷い!! だがそれでこそカダっ、わらわはくじけぬ! 慈愛の天女のごとく、広い心と鋼の精神を持って目指せ、心の友なのじゃ!」

「……やべぇ、陛下が可愛い」

「アギ、お前それ本気で言ってるのか?」

「安心しろカダ、惚れてはいない愛でてるだけだ」

「……陛下、アギ――残念ながら手遅れなのでクダラ殿に脳みそ総入れ替えしてもらってください」

『診断が酷い!!』


 三人で和気あいあいとしているのを兵達はあったかい目で見守り、シン将軍とクダラは微笑ましく眺めて、同時に言った。


『仲良きことは美しきかな』





 そんな穏やかな空気の中、一人ロウ・リュウだけが冷たい双眸でリーニャを見詰めていたのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 世界や文がきれいで、すごく先がわくわくします。主人公はかわいいし、周囲が気になります。良い君主になれるんですかね?展開が読めません いつか続きが読めたらいいなと思います
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ