3-0.プロローグ ~帝都動乱~
「CODE-D」第3章の始まり始まり~
続きが気になっていた方はお待たせしました!
プロローグ後の話は数日以内に投降する予定です。
日本帝国の夜は長い。
経済の中心にあたる帝都東京のオフィス街に数々と建ち並ぶ高層ビル。
店のあちこちから輝くネオンの光を眩しく感じながら、高層ビル1つの屋上に佇む4つの人影があった。
影の1つ1つは身長の差を感じられるほどに高さに違いがある。佇む人影にもう1つの影が加わった。
「アイン隊長、作戦準備が完了いたしました」
「そうか、ご苦労」
一つの影は自身の頭を下げながら、アインと呼んだ男に与えられた仕事を終えたことを報告した。
それを聞いたアインは、都市の中心にある巨大な時計塔の小針が3の数字を横に区切るようにピッタリと指していることを確認する。
「ようやく俺たち、真紅の猟団の望みが叶う時が来た」
時刻は深夜の3時。ボーン、ボーンと重い鐘の音色が周囲に時間の一区切りが付いたことを告げた。アインと呼ばれた男は不吉な笑みを浮かべながら呟く。
「愚かな人間共に混沌と混乱を招いてやろう」
彼らが名乗る真紅の猟団の目的。
それは魔力を持たない人間たちへの復讐。
彼らはこのために仕事でお金を貯め、兵器を貯め、人間たちへ襲撃の機会を見計らっていた。
そして今、帝国軍内部で裏切り者がいて調査を行っていると噂を聞き、別の事件に人を割けられない状況を狙っていた。アインは祈願していた望みが叶う瞬間を心待ちにしていた。
のうのうと平和で優雅に生きている人間たちが混乱していく様を見届けることができる……
自分たちがもがき苦しんでいた日々を少しでも味わえばいい。
アインはそう思いながら、ビルの真下にいる人たちから帝都東京の全体を見るように顔を下げた。
「任務第一フェイズ完了。離脱するぞ」
「了解」
彼は近くにいた4つの影に対して離脱命令を下す。
すぐさま影はビルの屋上から立ち去り、この場には彼1人だけとなった。
「さぁ…復讐の刻だ。どう動くかな…雷神」
アインは昔を懐かしむように東京の町並みを眺めながら呟く。
帝都に忍び寄る復讐を望む魔術師の影。
本格的な真夏の暑さを終えて、そろそろ季節が秋に入ろうとし始めた頃、作戦実行までのカウントダウンと共に、『平和』という名の硝子は少しずつ音を立てずに崩れていった。




