【5】美貌の天才と寡黙なチーフ、別角度の圧。〜君なら暗算でいけるよね!?〜
ある時――
チャールズは現場の資料探しに、オラクルチームと向かった。
そこはテロリストの隠れ場。
だが、SWATが突入した時には、誰一人いなかった。
無線で指示を飛ばすイーサン。
ベックもカリスタもヴィヴィアンも忙しなく動き回っている中、セシルが叫んだ。
「……あった!!
この段ボールの中身を解析すれば……次の拠点を割り出せます!
他にも何かあるかも……!!」
イーサンの厳しい声が響く。
「よろしい。
セシルとハーパーは、その段ボールの中身を解析しろ」
セシルとチャールズの二人で、大きな段ボールから紙の束を次々と取り出す。
セシルが紙の束を見て、瞳を輝かせる。
「この紙の束には0と1しかない!
つまり、パソコンのソースコードが隠れてるんだ!」
チャールズがホッと息を吐いたのも束の間――
自分に無害な筈の美貌の天才から飛んで来る、矢。
「チャーリー!
ここにパソコン無いけど、君なら暗算でいけるよね!?
僕もこっちの束を暗算するから!!」
チャールズが心の中で絶叫する。
(セシル……!!
お前はIQ180だけど、俺は有能な人間なの!!
この違い分かる!?
まず、パソコンが無い時点で、俺の仕事じゃないんだよ!!)
そこに降ってくる、イーサンの静かな声。
「ハーパー、セシルと同じ速度でなくていい。
正確にやれ」
その瞬間――
チャールズに選択肢は無くなった。
チャールズは泣きながら暗算を繰り返した。
すると、たまたま正解を導き出してしまうチャールズ。
イーサンが小さく頷く。
「ハーパーはパソコンが無くても有能だ……」
チャールズが今度はイーサンに向かって、心の中で絶叫する。
(止めて!止めて!止めて!!
今のまぐれ!!
チーフとセシルの別角度の圧が凄いから、言っただけです!!
その評価は要りません!!)
しかし、寡黙なチーフの評価は、下がらない。
〜fin〜
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