【18】最もいらない評価をされた人類側の男。〜科学の部分だけ拾わないで下さい、チーフ!〜
自宅でバスタイム中に、イーサンからの通信がパソコンに繋がってしまったチャールズ。
チャールズが叫ぶ。
「ちょっと……! ちょっと! 待って下さい! チーフ!」
イーサンが低く告げる。
「早くしろ」
「ハイッ!」と言う声と共に、チャールズがイーサンのパソコン画面に現れた。
その姿は、モコモコのウサギ模様が入ったバスローブを着て、頭には透明なヘアキャップをしている。
イーサンがまだ何も指示を出していないのに、チャールズが怒涛のごとく話し出す。
「まず! まず、言わせて下さい!
俺は人間として、お風呂に入っていました! そして、ヘアパック中です!」
だが――
イーサンは全く揺らがない。
オラクル本部にいる時のように、鋭い指示が飛ぶだけだ。
「昨日の件だ。 まずは死亡推定時刻の誤差を調べろ」
チャールズは必死に頑張った。
検索に検索を重ね、深掘りし、そして“答え”を出した瞬間――
イーサンがパソコン画面の向こう側で呟いた。
「……ハーパーは、ヘアパック中でも使えるな……」
それはチャールズにとって、最もいらない気づき。
チャールズが、またも怒涛のごとく話し出す。
「止めてください!! 止めて! 止めて!
そりゃあチーフはね! 何ならバスタオルでザッと拭いても、そのツヤツヤのディープブロンドを保てますよ!!
でも人類はですね! 必死にヘアパックしたり、ドライヤーで乾かさないと、キューティクルが死んじゃうんです!!
あと! 時間ね! 必要以上に長いと頭皮に危険!! 聞いてますか!? チーーーフーーー!!」
一拍の間。
イーサンが低く応える。
「必要以上に長いと頭皮に危険、か。 成る程」
科学の部分だけを拾う、最強捜査官イーサン・クロフォード。
ポカンとしているチャールズに、イーサンは続けた。
「よろしい。 では、ヘアパックを流せ、ハーパー。 では次に」
そこには、科学的な理解しかなかった――
チャールズはもう、心の中で叫ぶしかなかった。
(嘘! 嘘! 嘘! ヘアパックを流しながら検索しろと言ってる!?
確かに俺のパソコンは防水ですよ!! でもね! 俺は人類なんですよネ!!
ジャージャーとシャワーを頭から浴びながら、パソコンは使えない……!!)
「……ハーパー……」
「アッ……アイアイサー!!」
そして、チャールズはシャワーのコックを捻った。
〜fin〜
こまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)
次回も読んで下さると嬉しいです!
毎日17時更新☆
Xはこちら→ https://x.com/himari61290
自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪
「【完結】最強捜査官イーサン
――完全犯罪を暴く行動分析チーム《オラクル》」はこちらから→ https://ncode.syosetu.com/n9827me/




