【11】初デートの隣席に、なぜか最強捜査官がいる。〜チーフ!それは尋問です!〜
金曜日の夕方。
定時で仕事を終えたチャールズは、浮かれていた。
(マッチングアプリで出会った女の子❤️ 趣味も合うし、ビデオ通話済み♪ 今日はちょっとお高めのレストランで初デート♪)
そして、ウキウキでレストランに行くと、ビデオ通話と同じ美しい女性がやって来た。
彼女は鈴の音のような声で言う。
「初めまして、チャーリー! 会えて嬉しいわ!」
にっこりと笑う、その笑顔。
チャールズが思わず見惚れる。
(わー!! 本物の方が数倍かわいい! 美人!)
そして、チャールズはニッコニコで言った。
「いや! 俺の方こそ嬉しいよ! じゃあ、赤ワインでもどう?」
「嬉しい! 赤ワイン大好き!」
女性の笑顔にチャーリーが頷き、「ウェイター!」と呼んだ、その瞬間――
隣の席から響く、低音ボイス。
「何か?」
チャールズの顔から、一瞬で血の気が引く。
(何で何で何で!? 何で隣の席に、当然のようにいるんですか!? チーフ!!)
イーサンは口元に薄い笑いを浮かべると、静かに言った。
「赤ワインは必要ない。 なあ、君……」
「はい?」
小首を傾げる女性に、イーサンのアイスブルーの瞳がギラリと光る。
イーサンは淡々と告げた。
「君のことは、全て分かっている。 いいか。全てだ。 どうする?」
その圧、諜報機関の尋問官のトップオブトップ。
女性は震える指先でバッグを掴むと、「……失礼します……!」と言って、レストランから逃げるように消え去った。
そして、イーサンの鋭い眼光がチャールズを射抜く。
イーサンはスッと音もなく立ち上がると、チャールズに言った。
「君はテクニカルアナリストだろう? なぜ、ネット上の嘘に気付けない? 失礼」
そうして、さっさとレストランを出て行くイーサン。
その背中を見ながら、チャールズが心の中で絶叫する。
(待って待って待って! チーフ!
まずね、マッチングアプリって知ってます!? 知りませんよね!? チーフの人生に必要ないですもんね!
でもね、マッチングアプリって、自分を盛るものなんです!! 写真を加工したり、職業を盛ったりね!
それに、あの子が俺を騙していたとしても……!! どうして今日のデートも、あの子のことも、全部知ってるんですか!? チーフ!!)
そして、レストランの窓から見える三日月を見て、チャールズは思った。
(……もう恋愛は…… カバかカワウソの赤ちゃん動画でいい……)
〜fin〜
こまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)
次回も読んで下さると嬉しいです!
毎日17時更新☆
Xはこちら→ https://x.com/himari61290
自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪
「【完結】最強捜査官イーサン
――完全犯罪を暴く行動分析チーム《オラクル》」はこちらから→ https://ncode.syosetu.com/n9827me/




