紗紅夜と紅と紅葉
「う〜ん! ここは海風が気持ちいいなぁ〜! なあ! 紅!」
「あっ...うん、そうだね」
私の言動に紗紅夜お姉ちゃんは私を肘で小突いてくる。
「どうしたんだよ〜! 紅! 昨日まであんなにはしゃいでいただろう!? もっと楽しそうにしろって!」
「...うん。わかってる」
そう呟くとゲームをしながら紅葉はこう呟いた。
「昨日、紅お姉ちゃんは結構遅くまで起きていたから仕方ない。紅葉はどこにいてもゲームをするからモーマンタイ」
「ええ〜! せっかくの旅行だぜ! 旅行! 家族全員でしっかり楽しもうぜ!」
...正直に言うと久しぶりに2人と会えて嬉しい。
たとえ夢であっても良いと思う。
私は思わず紗紅夜に聞いてみた。
「ねえ、紗紅夜お姉ちゃん」
「なんだ? 紅? 私のほっぺたに何かついてるか?」
「紗紅夜お姉ちゃんは魔法少女になったことを後悔してる?」
いや...愚問だとは分かっている。
姉の性格上この問いの答えは...。
「な〜に言ってんだよ! 紅! 私と紅葉がこうして魔法少女やってっから貧乏生活から抜け出せたんだろう!? 良いことづくめじゃないか! それに父さんも私たちの作り出した財産でいろんな資格を取って給料跳ね上がったしさぁ! これで紅も大好きじゃ部活動にお金を気にせず打ち込めるだろう? 自分が魔法少女になれないからって負い目に感じる必要なんかないぜ! お金のことはお姉ちゃんに任せなさい!」
「うん、紗紅夜お姉ちゃんに同意する。紅お姉ちゃんも家族だからそう言うところは家族として助け合うべき」
「紗紅夜お姉ちゃん...、紅葉」
そう、部活動をするのにもお金がかかる。
あの時の私達の家にはお金が少ない上に三姉妹だったこともあってあんまり高い道具を買う資金がなかったのだ。
比較的にお金がかからない柔道や空手を幼少期に学び、小学生時代も水泳とバスケットで我慢した。
しかし、2人の作ってくれたお金のおかげで1番やりたかったテニスを中学からとは言えできるようになったので2人には感謝しかない。
2人とも魔法少女になったことに後悔はないようだった。
私はそんな2人を見てただ静かに笑顔になるのでした。




