私だけの翼
「あ〜楽しかったね〜! 海水浴!」
そう言いながら浜辺から夕日を眺める紗紅夜お姉ちゃん。
そんな彼女の横に私は立ちこう呟いた。
「ねぇ、紗紅夜お姉ちゃん」
「なに? 紅?」
私は思い切ってこう呟いた。
「ねぇ。もしも未来で私が魔法少女になっていて強大な敵との戦闘で死にそうになっていたら...どうする?」
「私が救いに行く」
真顔で即答された。
いや、まあ紗紅夜お姉ちゃんならそうするのは分かる。
「何処でピンチになってんだ? 言ってくれたらすぐに駆けつけるからさ! 携帯で教えてくれよな」
それを聞いて私はフッと笑みが溢れた。
「今は襲われてないよ。でも...わかった。すぐに教える」
「...それならいいんだ、それに仮に私がいけなくても大丈夫! 魔法少女になった紅ならきっと大丈夫だよ。この夕日のように全てを包み込める包容力を持った紅ならね」
紗紅夜お姉ちゃんの言葉に私は救われたような気がする。
「もしも迷ったらさ、私達3人の名前にも入っている紅の文字を思い出してほしい。本当にどうしようもなくて困った時には一度心を落ち着かせてさ。親がくれた愛情の籠った名前をね。そう...困った時には夕日に染まりつつも空を舞う鳥のように紅も自分だけの【真紅の翼】でこの大空を飛べば良いのさ! どこまでもね! ...ちょっとクサイセリフだったかな?」
「...、私だけの【真紅の翼】」
私ははにかむお姉ちゃんの姿をこの時になって思い出した。
「紗紅夜お姉ちゃん」
「なんだい? 紅」
「...ありがとう」
「...どういたしまして」
私とお姉ちゃんの間に確かな姉妹の絆を感じている私なのでした。




