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一同が大広間に着くと、すでにそこには色とりどりの装飾と良い香りを漂わせる大量の料理が並べられていた。
「すっっっっっごーーーーい!」
レミィの叫びは大広間の空間にこだまする。初めて尽くしのレミィにとって、それはやっと感情を解放できた叫びでもあった。
「さぁ、皆の者! 存分に味わってくれ! ヒージ」
「はい、坊ちゃん」
サンティトルの掛け声によりヒージが周りへと指示を出す。それにより配膳を任されていたハウスメイドや執事たちは持ち場に戻っていった。
あまりの手際の良さにレミィたちは少したじろいだ。
おずおずとレミィがサンティトルに声をかける。
「本当に、いいの? サンちゃん」
「……元は婚礼の儀を行う予定だったのだ。皆のおかげで料理が無駄とならずに済む。それに……周りに無関係な者達がいては話しにくいこともあるだろう?」
「城内の者達には簡易的にですが婚礼の儀は延期と説明をしております。少なくとも本日中は問題ないでしょう」
サンティトルとヒージは続けてひっそりと皆に城の意向を伝えた。その言葉に一同は安心したのと同時、先日までの評判の王子とは思えない対応に驚いた。
「なんというか……本当に国の王子様、なんだな」
リオが純粋に呟く。サンティトルは心外だと言わんばかりの勢いでリオを見やる。
「当たり前だろう! 黒髪の、ボクを何だと思っていたんだ!」
「黒髪のって言うな! 俺はリオ! てっきり何もできない奴かと思ってただけだ!」
「一国の王子に対してその言い草はなんだ!」
「ふ、二人とも! ケンカは良くないよ!」
「ケンカじゃない!」「ケンカではない!」
やいやい言い合うリオとサンティトルをレミィがなだめ、二人は声を揃えて否定する。その様子がおかしくてレミィはケタケタと笑う。そんな三人をルビーとコロン、ヒージは微笑ましく見守っていた。今この時間を大切にしたいと思いながら。




