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レミィの近くまで来たリオは、その圧に押されつつも前に立つ。レミィはリオを感じてか虚ろな目のままリオを見つめる。魔力を吸い上げられたサンティトルは抜け殻のようになりつつもそこにいた。
「ここに来て数日。意味わかんねぇことばっかりだけど……やっと、生きていて楽しいかもって思えたんだ。だから! まだ終わらせない、その魔力ごと俺が切る!」
黒髪にさらに黒々しいケモノ耳を携え、瞳に光を宿したリオは構える。その手には自身のありったけの魔力を込め出現した火柱の剣が轟々と燃え盛っている。火柱は踊るようにレミィの先を捉えた。
「ここまでだっ!」
――ガション!
リオがレミィに向けて剣先を振り下ろしたと思った時、目線の先にいたのはミゲルだった。ミゲルは防御として与えていた二人の息子である王子たちの装備を剥ぎ取り、リオの剣を受ける形となっている。まだ魔力の扱いに慣れていないリオには、披露しているミゲルの力でも止めておくのが精一杯だ。
「させん、させんぞ! これはオレが待ちわびた魔力の融合! このガキの力はオレのものだ!」
「何言ってんだ! レミィはレミィだ、お前の息子サンティトルだって、一人の人間だぞ!」
「それがどうした! この国のものはすべて! オレのものだ! ここまでの人生、孤独に耐え続けた! この機を逃すわけにはいかん!」
ミゲルの勢いは凄まじく、防御の装備ですら鋭利な刃物となってリオに襲い掛かる。リオはぐっと力を込め、火柱を自身に纏わせた。リオは自身の魔力により炎で自身を包む防具と変化させたが、いつ自身を飲み込むかわからない炎に一瞬不安を感じる。
その一瞬芽生えた不安な心をミゲルは見逃さず、すかさず僅かに残った魔力でリオに閃光を放つ。
「バカなガキばかりで助かるな!」
「うわっ」
みぞおちに閃光の攻撃を受け、防具を身にまとったリオは反動で後ろへ飛ばされる。その勢いで防具にしていた炎は剣先に戻ったが、急いで体制を整えミゲルへと向き直る。
だがミゲルの方が戦闘に慣れていることもあり、すぐに次の攻撃へと移ろうとした。しかし、
「もう……やめてくれませんか父上」




