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レミィは光に包まれる意識の中で悪態をついていた。相手は誰かもわからないが、とにかくどうしたらいいかもわからない状況に悪態をつくしかなかった。
「ねー! どうしてこんなことになってるの⁉︎」
『うーん。やっぱりほら、成し遂げたいことがあやふやだから……』
声の主は慰めることしかできない。うまくいくと思われたことが、あまり予想していなかった展開が起きについていけなくもなっていた。
『あそこにあんなに強力な光の魔力があるとは思わなかったし……』
起こった出来事を回顧している様子に、不満げに頬を膨らませていたレミィは疑問を投げかける。
「……光の魔力?」
『ええ。あなたの魔力は闇に属する魔力で、だからこそハトレアのしずくの力を増幅させることができるのだけれど……。あの空間に、とても強い光の魔力を持つ人間がいたから、すこし臆されてしまったの』
「あまり魔力の違いがわたしにはわからないけど……。何か強いものを感じた気も、する……かな? それってリオのことなのかな」
レミィは一瞬の出来事を思い出す。そこにはリオがいて、確かに自分を呼ぶ声がした。
『ごめんなさい。わたしには誰が誰かはわからないけれど、レミィから感じるその子はレミィの助けになる力を持っていると思うわ』
「わたしの、力……。わたし、成し遂げたいことって言われて、たくさん考えちゃったの。ルビー先生とコロンさんも助けたいし、サンちゃんのことも気になるし。でも本当は一番やりたいことあるって気づいちゃった」
胸元に光るペンダント、ハトレアのしずくがはめ込まれたそれをレミィはぎゅっと握りしめた。そして、自分の気持ちを改めて心に刻む。
『レミィ、自分の気持ちに素直でいいのよ。それがあなたの強みなんだから』
「わたしの強み……?」
『そう。レミィの強みは素直なところ。魔法だって、本当は得意なのよ。まだ気がついていないだけ。きっとその時が来るわ。だから今はそのやりたいことを信じて?』
「うん! ありがとう! 次は大丈夫!」
満面の笑みでレミィは答える。その様子に安堵したように、声の主は言葉を紡ぐ。その声色は先ほどまでより一層慈愛に満ちている。
『いってらっしゃい、レミィ』
「はーい! いってきます!」
光に包まれたレミィの意識はそこで手放された。そこに残るのはただその声の意識のみ。
『いってらっしゃい、可愛いわが子。それがあなたのマジカルスピリッツよ』




