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Magical★Spirits-マジカル★スピリッツ-  作者: 晴埜あこ
6.マジカルスピリッツ

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50/56

6-3

 ファルはみていた。すべてを。

 

 正しくはみていることしかできなかった。ファルは使い魔であり、主人の命に従って過ごしていたから。今までは。

 

 ずっとそうしてきたはずのファルだったが、最近では本当にそれが正しいのかわからなくなっていた。

 主人の命に従い、色々な人と接触し、情報を集めてきたと思っていた。いつしかそれが、ファルの中で楽しい時間や思い出に変わっていたのだ。

 ゆえに、迷っていた。このままでいいのかと。

 

「何をそんなに悩んでいるの?」

『……おみとおし、か』

「どれだけの月日をキミと過ごしていると思っているんだい?」

 

 ファルに問いかけるキュービは穏やかな笑顔を見せる。それがファルは怖かった。「キュービは変わってしまった」、ファルの心にそう呟かせるそんな笑顔だったから。そして、「目の前にいるのは果たして本当にキュービなのか」という疑問も抱かせる。

 

 複雑なファルの心情を察してか、キュービは至って柔和な声色で口を開く。

 

「ファル、キミにはたくさん助けてもらった。だからもう、自分を生きてもいいと思うよ」

『けいやくを、きるということか』

「ははっ、そんな堅苦しく捉えないでよ」

 

 ケタケタと笑うキュービはもともとのたれ目がより強調され、どこか悲しそうでもあり、安堵しているようにも見える。

 

「……時代が変わる、ということなのかもしれないね」

『おまえは、だれなんだ』

「んー? 僕はキュービ。そう、キュービだ」

『……おまえは、なにがしたいんだ』

「ふむ……」

 

 ファルの問いかけに、小首をかしげキュービは考え込んだ。しばらくして、はっと顔を上げて明るい笑顔でファルにこう答えた。

 

「魔力の統合、かな」

『なにをいって……』

「闇も光もない、うん。文字通りの統合! 一緒にする! 最初から分けてはいけなかったんだな。パイと僕のように」

 

 納得したかのように、うんうんとキュービは頷く。

 その様子を、ファルはまたもみていることしかできなかった。


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