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光の世界が広がっている。
レミィは恐る恐る目を開くも、あまりの眩しさでうまく焦点を合わせることができない。
「……あたたかい?」
眩しさの中に、ひっそりと懐かしさも感じながらレミィは一呼吸つく。光に驚いたが、特に自分自身に何か変化が起きているわけではなさそうだ。
『いらっしゃい、レミィ』
「……っ! 誰?」
落ち着こうとしている矢先、柔らかく澄んだ、それでいて少し悲しそうな声がレミィの耳に届いた。
光に吞まれているレミィはなんとか目を凝らしながら辺りを見渡す。そこは本当に真っ白な光のみで、上下左右下手すると自分の体ですらわからなくなりそうな感覚に陥る。
『ごめんなさい。私は実体がないから、このままお話を聞いてちょうだい』
「実体がない? 声は聞こえるけど、あなたには会えないの?」
『ふふ、そうね。でも私はずっとレミィを見ていたわ。だから不可抗力だけど、こうして話せてうれしいのよ』
「うれしい?」
『ええ。ありがとう。あなたがここまで来てくれたから、私はこうしてあなたと話せているの』
「喜んでくれてるならよかった! でもわたし、多分今はここにいるべきではないと思うの。ルビー先生とコロンさんも心配だし、リオだって……」
『レミィが優しい子に育ってくれて、よかったわ』
うろたえながらも答えるレミィに、その声はふわりと声をかける。
その声は聞き覚えのあるような、昔を思い出せそうなような、不思議な感覚にレミィをさせた。
『首飾りは持ってる?』
「ハトレアのしずくのこと?」
『ええ。その首飾りを握りしめて、強く強く想うの。レミィが、あなたが今一番成し遂げたいことを』
「成し遂げたいこと……」
『大丈夫。あなたはそれができる子よ』
その声を聴き、俯いて考え込むレミィはハッとしたように顔を上げた。
「うん、わたしできる!」




