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Magical★Spirits-マジカル★スピリッツ-  作者: 晴埜あこ
3.ミューハの城下町

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24/56

3-6

「たくさんあるー!」

 

 コロンに教えられた魔道具の店、『ココリリ』は魔法道具と剣の専門店だ。魔力を施した杖や盾、剣などが揃い、他にも衣類や装飾品など品揃えは様々。

 国別に展開している『ココリリ』は、そこの暮らしを表しているようで、旅人や商人たちが初めて訪れた地では、そこに行くのが常だった。


 初めての買い物に浮かれるレミィだったが、リオはどこか不安げな様子だ。

 

「リオ?」

「ん? あ、悪い」

 

 一点を見つめるリオに、レミィは声をかけた。

 

「どうしたの?」

「いや、この世界……魔物とかいるだろ? ルビーにもらった短剣だけじゃ、心もとないかなって。少しお金も用意してくれたし、なにか他に武器になるものを」

「リオ、本当に適応能力が高いね」

「え……」

 

 それは出発前に、ルビーがリオへ向けた言葉だった。

 

 

「リオくんは、剣の筋もいいし。元の世界で何かやっていたのですか? 魔法もないという世界から来て、何もしていないのであれば、余程適応能力が高い」

 

 

 そう言われたリオは複雑だった。元から何にでも俯瞰して見る癖があり、自分自身のそんな性格も嫌いだった。味方は自分しかおらず、そこに適するためにひたすら行動していく。そうやって、リオは生きてきた。

 

「いや、それ意味わかって言ってるのか」

 

 絞り出したリオの声は、少し震えている。

 

「んー、あまりよくわからないけど。リオはすごいなって純粋に思えるから、ルビー先生もそう言ったのかなって! わたしが知らないところに一人だったら、どうしたらいいかわからなくて慌てちゃうもん」

 

 本心から伝わるレミィの言葉に、リオの心は溶かされていく。そこに若干の安心を覚え、それが怖くもあり、その気持ちをリオは封じ込めた。

 

「ま、だからさ。自分の身も、レミィも……守れる武器がほしいと思って。……あ」

「あ?」

 

 話しながら周りを見渡していたリオに、はたとひとつの剣が目に留まった。それは剣の柄の部分だけのようで、中心部に赤く光る石とスイッチのような装飾が付いている。

 

「これ、値段も二百グルトで手頃だし、使い方さえわかれば良さそうな……」

「おう、兄ちゃん!」

「ひっ」

 

 悩んでいるリオを見かけた店主が声をかけてきた。

 反射的にビクつくリオ。

 

「御目が高いね、兄ちゃん。それは今日入荷してきたばかりでな。なんでも、偉大な魔術師が魔力を込めたとかで。ま、オレもよくわかってないんだけどな!」

 

 胡散臭い言い回しの店主は、引き気味のリオに構わず話し続ける。

 

「ここいらに住んでりゃ、ある程度の魔力はあんだろ? それをその柄に込めるらしいんだよ。そして、スイッチを押すと発動するって仕組みらしくてな」

「そんなものなのか、魔法って……」

 

 魔法への感じ方の相違を感じつつ、リオは手に取った剣を購入することにした。魔力を持ち合わせていないリオだが、買わないといけないような使命感にかられた。


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