5/16
一目惚れ
初めて会ったとき、一目見てズキュンッてハート射ぬかれたんですよ。
笑うと八重歯が見えるところも、私だけを名前で呼んでくれるところも。
あ、実はニンジンが嫌いなところとか。
どんな些細なことでも、私の心をキュンキュン反応させちゃうこいつは、私をキュン死にさせるために私の前に現れたんだろうか?
どんどん嵌まっていって、戻れないところまできてしまって。
私の心は、すっかり丸ごと彼のものになって。
だけど、彼にとって私は女友達の一人にすぎなくて。
「好きだよ」は、“友達として”が抜けてたり。
「かわいいね」は、私だけに使う言葉なんかじゃなかった。
(ああ、気付かなきゃ良かったな―――…。)
いや、気付いてはいたんだ。
(――――ただ、認めなかっただけで。)
知ってたよ。
分かってた。
夢見てたの、私が彼の特別な存在になんだって。
(苦しいけど、止められない。)
貴方に恋してしまったのは、私だから。
仕方ないのは分かってる。
(私の心は貴方のものなのに、貴方の心に私はいない…)
どうしたら?
何が貴方の心をキュンキュンときめかせる?
貴方の心をときめかせる存在になれたら…いいのに。




