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恋愛短編集  作者: 夢呂
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4/16

ミス

「あの。私…ーーー」

「消えてくんないかな」


好きな人に告白しようとしたところ、イエスかノーすらなく、存在を否定されました。







歩美(あるみ)?」


振り向いた私は、きっと酷い顔してると思う。

鼻水だって止まらないし。

何より涙腺が崩壊してます。



「ちょ…っ、どうした?」


私を呼び止めたのは、友達の新垣 柚留(ゆずる)ちゃん。

告白してくると宣言せずに、放課後居なくなって帰ってきたらこれだもんね。それは正しいリアクションだと思います。


「フラれました…」

「え?誰に?」

「御園くんに、です」

「あり得んでしょ!なんで?あんな仲良さそうだったのに?」

「・・・・分かりません」


が、彼を怒らせてしまったのは確かなのです。


歩美(あるみ)っ!」


ーーーー息を切らせた彼の声が、教室に響いた。


「ごめん、俺」

「いえ、こちらこそすみません。視界に入ってすみません。今!今すぐここから退散しますから」


(教科書にノート、資料集は要らないから机の中に。ええと、あとはーーーー…。)


結局よく分からないものを鞄の中に詰めこんで、慌てて教室から出ていこうとした。

一秒でも早く、消えなきゃと。

そればかり考えてーーーー。



御園くんにこの酷く醜い顔を見せないようにずっとうつ向いて、彼の横をすり抜けようとした。


「待って」


ーーーーなのに私を引き留める、御園くんの腕。



「ごめん、歩美だと思わなかったんだ」

「?」

「人違いした」

「え?」

「歩美、三河の席に手紙入れてたよな?」

「あ・・・」

私としたことが…緊張のあまり席を一つ間違えたようです。


「三河は最近ストーカーに悩んでて。だからそれを代わりに撃退しようかと」

「ストーカー、ですか………」

確かに三河くんは、学校一モテています。俗に言うイケメンです。モテるのも、困り者なのですね。


(ではなくて…、)


「いきなり背後からきたから、咄嗟に撃退してごめん」

「いえ、私の方こそ突然すみませんでした」


すべては私のミスで。


「恥ずかしすぎて、消えたいです……」

「消えるな!」

本音が口から出ていたのか、御園くんにそう言われて気がついた。


「頼むから、消えないでくれ」

「御園くん?」

「君が去っていく後ろ姿は、二度と見たくないから」


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