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恋愛短編集  作者: 夢呂
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15/16

プロポーズは突然に

「結婚してくれないか」


プロポーズというのは、女の子の憧れのシチュエーションだと思う。


夜景が綺麗なところで、とか。

高級レストランで、とか。


私だってそんなシチュエーションを思い描いたことがあった。


なのに、なぜ!

こんな夢もときめきもない現実が!?


私に「結婚してくれないか」と言ったのは初老の男性だ。しかも今日が初対面。


突然高級車から降りてきたと思ったら車内へと拉致られて、突然、「結婚してくれないか」と言ってきた。


しかも、すごく不本意な表情(かお)をして。



「えーっと・・・・・私にこれ拒否権とかあります?」

「察しがいいね」

初老の男性は、そう言って笑った。

その笑顔は、────私のよく知っている人によく似ていた。


「初めまして、が先か。私は神崎真琴の父親で神崎真一。」

真琴(まこ)の・・・」

「一代で築き上げた私の会社を息子は継ぐ気がない。計略結婚するぐらいなら死んでやるとまで言うんだ。まったく誰に似たんだか、あいつは」


あー言いそうー、と内心思ったけどとりあえず無言を貫いた私に、困った表情のおじさまは言った。


「調べさせてもらったよ。君のことだけは随分執着しているようだね」

「ちょっと待ってください、それってまさか」


私をダシに、真琴に会社を継がせようと?


「頼む!真琴を説得できるのは君しかいないんだ!」


信じられない!なんてことを言い出すんだこの父親は!


唖然として反論も忘れてしまった。

それが、いけなかった。


「ありがとう、束沙ちゃん」


────ああ。真琴って父親(パパ)似だったんだね。


・・・・そっくりだね、うん。




この親子から逃れる方法、誰か教えてください!


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