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不快
「佐竹くん、今日までに頼んでおいた先月の統計データできてる?」
俺が入社した時から、指導してくれたのはこの先輩だ。
明るく長い髪を綺麗に纏めて、カジュアルスーツを着こなす。
和智美結。
────この女は不快だ。
「それなら、共有フォルダに置いておきましたよ」
素っ気なくそう答える俺のノートパソコンに顔を寄せて、どこどこ?と聞いてくる。
(くそっ!近い!いい匂いする!)
赤面している俺に気づかない。
いや、気づかないフリなのか?
本当に、不快だ。
「あ、そこね。了解。」
その至近距離でニコッと微笑むのは反則だ。
片手で顔を隠すようにしても、つい彼女を目で追ってしまう。
俺ばかりが、勝手に意識してばかりで。
彼女にとって、俺は“会社の後輩”。
────不快だ。
この想いが大きくなって。
止められない自分が。
────不快だ。




