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この声で、君に
その声を─────もっと聴いていたかった。
数年前、世間を騒がせたのはプロフィールが不明なひとりの歌手。
“with u”
───その名前しか、知られていない。
“100年に一人の美声を持つ”
そんなふうにメディアがデビューを取り上げ、瞬く間に
with u はこの国で知らない人はいないほどの実力歌手となった。
それなのに。
およそ一年で彼女は────突然姿を消した。
マスコミは死亡説やパクり説など、暫くは様々な憶測で週刊紙を騒がせていた。
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「君、歌うまいね」
僕にそう声をかけてきたのは、大ファンだったwith u のコピーをギターを片手に路上で披露していた時だった。
明るい肩までの髪に、ゆるやかなパーマ。
大きな瞳が、興味深く僕をとらえていた。
彼女はニッコリ笑ってそう言った。
「どうも・・・」
ぎこちなく答えた僕を、彼女はまた明るく笑ってこたえた。
それが、彼女との出会いだった───。




