表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

85/90

85、エドのステイタス(C)スキルレベル3

「あー、海の神様の使者が出掛けたから、私は海の神様の部屋を守らないといけなくなったよ」


 目の前に浮かんでいたダンジョンコアは、しょんぼりとした顔に変わった。


「僕達は、今日は5階層の探索までを予定していたから、もう少し見たら帰るよ」


「ふぅん、そっか。じゃあ、エド、またね」


 大きめの壺は、天井へと消えていった。もう、僕達の前には、現れないってことだよな?




「エドさん、今日は、ここまでにしよう。道も、泉まで整備できたからな。4階層へ戻ろうか」


 プラストさんはそう言いながら、泉の水と塩を採取している。持ち帰って調べるつもりだろうな。


「わかりました。緊張の連続で疲れましたね」


「あぁ、しかし、来てよかったよ。数年前からの謎も解けた。彼らもそう考えている」


 プラストさんの視線の先には、スウセイさんがいた。彼の予想通り、街の結界は異質な物だとわかったもんな。あっ、違うか。ここに来た全員のことを指しているのか。



「余っているシチューは、俺が持っていく。4階層の奴らも食べるだろう」


 ギルド長はそういうと、大きな深い鉢をどこかへ収納したようだ。


 僕達は、整備された道を通って、4階層へと戻った。




 ◇◇◇



「休憩所の仮設置は、完了しましたよ」


 やはり、アロンさんが指揮をしていたんだな。錬金協会の人達は疲れ切っているように見えた。


「5階層でいろいろあったが、報告は戻ってからにする。エドさんが作った混ぜ飯がある。腹が減った人は、食ってくれ。植物に詳しい冒険者は、俺について来てくれないか? 気になる植物を採取する」


 ギルド長にそう言われて、イアンさんが動いた。彼について回る王都の騎士も、ギルド長について行った。



「エドさん、ダンジョンコアは……」


「今は、最下層にいると思います。しばらくは動かないかと」


 そう答えると、アロンさんは大きく息を吐いた。彼も、かなり神経を使っていたのだろう。そもそも、迷宮内をダンジョンコアがうろつくなんて、あり得ないことだもんな。


 さっき5階層で食べた人達も、シチューの鉢に近寄っていく。安心したら、お腹が減ったのだろうか。




「エドちゃん、また、だいぶ変わってるよっ」


 ケモ耳の女の子が、ソワソワしている。早く確認してほしい理由でもあるのだろうか。


「じゃあ、ステイタスを見てみるね」



 ────────────────────


【名前】 エド(17歳)

【職業】 冒険者(Cランク)

【スキル】 混ぜ壺(レベル3)[MAX5]


【体力】 1350/2200 [可]

【魔力量】 3500/9800[優]


【物理攻撃力】 3800 [可]

【物理防御力】 3500 [可]

【魔法攻撃力】 3500 [可]

【魔法防御力】 6500 [良]

【スピード】 C

【回避能力】 C


【習得魔法属性】火・水・土・風

【特記事項】追放ざまぁ支援局員(レベル4)


 ────────────────────



 魔力量がほぼ2倍になってる。魔法防御力が、良になった。他は、微増かな。


 彼女がソワソワするほどの変化はないと思う。でも、ダンジョンコアに睨まれた気がする。あっ、スキルを見てみようか。


 スキル詳細を表示してみる。



【混ぜ壺】レベル3の変更点

 ●混ぜ飯の万能性

 ●回復薬の性能上昇

 ●毒薬の生成

 ●魔石の生成



 混ぜ飯の万能性? そういえば回復薬は、まだ魔ポーションを作ってないよな。毒薬? レベル2では弱毒薬だったっけ。ん? 魔石? 魔石って作れるものなのか?



「あーちゃん、僕のスキルが、なんだか……」


「あたしと同じだよね? 魔法が作れるよね?」


「いや、それはできないよ。魔石が作れるみたいだけど、それって、魔物だよね?」


 僕が首を傾げたからか、ケモ耳の女の子も、首を傾げる。騎士団長のエシャナさんなら、わかるだろうか。僕と同じスキルの人のことを調べていたみたいだし。



「エドさんは、魔石を作れるようになったのですか」


 スウセイさんが話しかけてきた。有名なSランク冒険者と話すのは緊張する。


「スキル詳細に、そう表示されました。意味はわからないですが」


「あぁ、支援局員だから、常に自分のステイタス表示ができるのですね。俺から見ると、あーちゃんが言ったように、魔法の錬成ができると感じましたが、魔石か。ちょっとわからないな」


 結界に詳しい彼にも、魔石の生成はわからないのか。


「魔石を作る? 初耳だな。そういえば、スキルは『混ぜ壺』だったよな? エドさんは、錬金協会の金の卵だと有名だよ」


 ミラックさんは、ずっと金の卵って言ってる。彼は剣士系だと思うけど、派手な魔法も使っていた。Sランク冒険者の中でもトップクラスだと言われるのは、そういう器用さもあるのだろう。



「金の卵って、どういう意味ですか? よく言われるんですけど」


 アロンさんには聞こえないように気をつけて、ミラックさんに小声で尋ねてみた。


「金のなる木という人もいるね。エドさんのガチャ壺から排出されたものは、錬金協会に多額の金をもたらしているからな。追放ざまぁ支援局の赤字も、そろそろ解消されるんじゃないか?」


 やはり、そういう意味か。金を生み出すから、金の卵ということなのかな。


「金づるという言い方もありますね」


 スウセイさんは、金の卵という言い方が嫌みたいだ。僕のことを考えてくれているのだと感じる。



「でも、役立つことに違いはないぜ。試作品だと言って渡されたブレスレットは、魔ポーションを飲んだときには余剰分を溜められるから、便利だ」


 そういえば、どんな劣化版なのかは、聞いてないな。だが、イアンさんのブレスレットの性能は、話さない方が良いだろう。


「どんな性能になっていますか? ガチャ壺から出たものは、対象者の個性に合わせていたから、そのままでは使えないと思うんですけど」


「体内に溜めきれない魔力を吸収するらしいよ。身体に戻すときには、ポキッと折れば戻ると言っていた」


「ブレスレットは、使い捨てですか?」


「あぁ、錬金協会も考えたよな。1本のブレスレットで、魔力量は1000溜められるから、1本が銀貨1枚なら、みんな飛びつくだろうぜ」


「へぇ、かなり溜められるんですね」


「そうだな。魔ポーションは高価だし、なかなか入手できないから、自分の魔力を溜められることも魅力だな。何本もブレスレットをつけると派手だが、これからは流行るんじゃないか?」


 追放ざまぁ支援局の赤字は、完全に解消されそうだな。



「待たせたな。迷宮から出るぞ!」


 ギルド長が戻ってきた。やっと帰れるよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ