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55/99

55、エドのステイタス(C)スキルレベル2

 今、5階層にいる人の多くは、怪我を負っている。プラストさんが魔物を狩ってこいと言っても、動けない人の方が多いようだ。


「モモさん、露店商の資格があるんですよね? 食事は販売しましょうか。その方が食べてもらいやすいはずです」


「そうですね。魔物を狩って持って来てくれた人は無料にして、それ以外の人は、銅貨10枚でいかがでしょうか」


 値段を決めてくれた。モモさんは、僕とプラストさんの顔を交互に見ている。


「こんな場所で、エドさんの混ぜ飯が銅貨10枚だなんて、安すぎると思うけどな。まぁ、お姉さんに任せよう」


 モモさんが頷くと、プラストさんの身体がまた光っている。念話を使うんだな。


『露店商がいるから、販売もするようだ。魔物を狩って持って来たら無料、それ以外は特別に銅貨10枚で軽食の販売をする。動けない人は合図をしてくれ』



 僕は、混ぜ飯を作り始めた。壺のような容器を土魔法で作り、野菜や穀物、そして届いた魔物を放り込み、混ぜ混ぜをする。


 長時間、何も食べてない人もいるだろうから、消化吸収のよい雑炊にした。器も土魔法で作り、できた雑炊を入れる。スプーンはないが、ドロリとしているから、そのまま器に口をつけて、飲むように食べられるだろう。


 モモさんとケモ耳の女の子は、ジョーモさんが土魔法で作ったトレイに雑炊を乗せて、動けない人に配達に行ってる。


 僕は、次々と作っていく。もっと大きな容器があれば楽だけど、僕が土魔法で大きな容器を作ると弱くなるから、混ぜ飯に使えない。



「エドさん、大きな容器で作る方がいいんじゃないか?」


 何度も作っていると、プラストさんに気づかれた。


「僕の土魔法では、大きな容器は作れないんです。もろくなってしまうから、スキルに耐えられなくて」


「じゃあ、俺が作ろうか」


 プラストさんがそう言った直後には、目の前に大きな素焼きの壺が現れた。すごいな。まだ彼の魔力を帯びていて、とても扱いやすそうな壺だ。


「ありがとうございます! 一気に作れます!」


 冒険者達が狩ってきた魔物を、ジョーモさんがポイポイと放り込んでくれた。野菜や穀物を放り込み、混ぜる棒を長くして、壺に手を添えた。


 そして、混ぜ混ぜをしている途中で、胸にドクンと大きな鼓動を感じた。何だ? すぐに治ったけど、一瞬、息ができなくて焦った。



「エドさん、どうしたっすか?」


「あっ、いえ、なんか胸にドクンと強い衝撃を感じたんですけど、もう治りました。何だったんだろう?」


 混ぜ飯を完成させたが、自分の身体が熱く感じる。今まで、こんな経験をしたことはない。疲れたのだろうか。


「スキルレベルが上がったんじゃないっすか?」


「えっ? スキルレベル?」


 雑炊を器に入れていると、ケモ耳の女の子が、僕の腕をツンツンする。


「ん? あーちゃん、おかわりを食べる?」


「エドちゃん、たぶん、スキルのレベルが上がったよっ。急にドーンって上がってるから、見てみるといいよ」


「そうなの?」


「混ぜ飯を入れるのは、私が交代しますよ。スージーさん達には、私が渡す方がいいと思いますし」


 モモさんは、本当によく見ている。スージーのお腹が鳴ったことで食事にすることにしたのに、僕がここにいるためか、幼馴染たちは、まだ食べていない。


「わかりました。モモさんにお任せしますね」



 僕は自分の分の器を持って、少し離れた。モモさんがスージーに声をかけると、彼女は素直に器を受け取っている。僕をパーティから追放した幼馴染は、やはり僕からは受け取れないらしい。


 僕は雑炊を飲むように流し込んだ。うん、イメージ通りの優しい味にできている。



 僕は、左手の腕輪に触れ、ステイタスを表示する。



 ────────────────────


【名前】 エド(16歳)

【職業】 冒険者(Cランク)

【スキル】 混ぜ壺(レベル2)[MAX5]


【体力】 1200/1900 [可]

【魔力量】 380/4600 [優]


【物理攻撃力】 3100 [可]

【物理防御力】 3000 [可]

【魔法攻撃力】 2900 [可]

【魔法防御力】 2900 [可]

【スピード】 C

【回避能力】 C


【習得魔法属性】火・水・土・風

【特記事項】追放ざまぁ支援局員(レベル3)


 ────────────────────



 おおっ! 本当だ! ずっと上がらなかったスキルレベルが2になってる。それに、魔力量の上限が4000以上も上がってる! 他の数値化されているものは、それぞれ微増かな? ドーンと上がったのは、魔力量か。[優]になってるもんな。



 あれ? 目の前に新たな文字が出てきた。スキル詳細? 魔道具は、そんなことまでわかるのか。



【混ぜ壺】レベル2の変更点

 ●混ぜ飯のスピード上昇

 ●回復薬の性能上昇

 ●壺形成能力の上昇

 ●弱毒薬の生成



 ええっ!? 弱毒薬の生成? 今まで出来なかったのは、レベルが足りなかったのか。




「エドちゃん、変な顔してる」


「ん? あーちゃん、大丈夫だよ。ドーンと上がったのは、僕の魔力量なんだね」


「あたしには何が上がったかわかんないけど、エドちゃんは、弱い人族じゃなくなったよ」


「ええっ? 僕は弱いよ? 増えたのは魔力量だけだから」


「ふぅん、でも、匂いがちょっと変わったよ」


 ケモ耳の女の子にそう言われると気になる。僕は臭くなったのだろうか。



「へぇ、エドさんの魔力量は、ジョーモ並みになったんじゃないか? やはりキミのスキルは魔導系だな」


 ジョーモさん並み? プラストさんは、ステイタスサーチ魔法も使えるんだな。あれ? 魔道具の腕輪がサーチを弾くんじゃないのか?


「もう、追いつかれたっすか。俺は物理系っすから、別にいいっすけど」


「ふふん、ジョーモは悔しいらしいぜ。物理系のくせに魔力量が多すぎるんだよ。ん? あー、エドさんは勘違いしてるみたいだな。キミのステイタスサーチはできないよ」


「やっぱり。それなら、なぜ……」


 プラストさんは、ジャラッと長いチェーンネックレスを、胸元から出して、僕に見せた。チェーン自体が様々な光を放っている。


「ダンジョンに潜るときは、いつも身につけている魔道具だ。魔力を流せば、相手の魔力量の上限が色分けされて見えるんだ。ほとんどの人は無色透明だが、ジョーモとエドさんは、同じ色に見えるからな」


「魔力残量じゃなくて、上限ですか?」


「あぁ、魔力残量の魔道具は、洞窟なら良いが、ダンジョンでは使うなよ? 相手の本当の力を見誤ると死ぬからな」


 そうか。迷宮には、魔力を回復する魔物もいるもんな。


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― 新着の感想 ―
これ主人公が元メンバー達を良いように見ているだけで実際にはよくあるざまぁ作品の追放パーティと変わらないのでは?
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